ザ・ストラッツが語る新境地、サマソニの達成感、日本でポスト・マローンと飲み明かした夜

ザ・ストラッツ(Photo by Carsten Windhorst)

グラマラスなロックの魅力を現代に蘇らせ、たちまち人気バンドの仲間入りを果たしたイギリスの4人組、ザ・ストラッツ(The Struts)。カリスマチックなフロントマンを擁する彼らが世界中のロック・ファンからどれだけ期待されているか、それはローリング・ストーンズ、ガンズ・アンド・ローゼズ、ザ・フー、フー・ファイターズといったビッグネームのオープニング・アクトを務めてきた経歴が物語っているが、その彼らが3年ぶりにサマーソニックに帰還。2020年に予定されていた2度目の単独来日公演が延期を経て、中止になっているだけにこの日を待っていたというファンも多かったに違いない。

バンドとファンの交歓が実現したストラッツのライブ・パフォーマンスは、まさにアンセミックという言葉がふさわしいものだったが、彼らは8月19日に配信リリースしたばかりの新曲「Fallin’ With Me」も早速、披露。曲が持つダンサブルでキャッチーな魅力を考えれば、新曲とは思えない観客の盛り上がりも頷けるが、なんでもバンドの新たなチャレンジも印象づけたその「Fallin’ With Me」は、現在の拠点であるロサンゼルスではなく、新天地ナッシュビルで作り始めた新しいアルバムの布石にもなり得る会心の1曲なのだそうだ。

サマーソニック東京公演の翌日、メンバー全員が参加したインタビューから読み取れるのは、結成から10年、ファンやシーンの期待だけに応えるだけでは飽き足らずに変化を求めはじめたバンドの新境地だ。


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―4度目の出演となるサマーソニックの感想からまず聞かせてください。

ルーク・スピラー(Vo):世界有数のロック・フェスに3年ぶりに戻ってこられたんだからね。ファンに再会できたこともうれしかったし、新しい出会いもあったし、もううれしいことばかりだったよ。あいかわらず暑かったけどね(笑)。

ゲシン・デイヴィス(Dr):日本に来るたび思うことだけど、今回は3年ぶりということもあって、「戻ってきたぞ!」っていう特にスペシャルな感じがあった。ファンからもそれは感じられたんだ。みんな、マスクをしていたけど、マスクの下が笑顔だってことはステージから見てもわかったよ。

ジェド・エリオット(Ba):これまでは東京、大阪って順番だったんだけど、今回は大阪、東京だったんだよね。大阪はお気に入りの場所が多いんだ。そこでファンとの交流を楽しんで、そのエネルギーを大阪のステージにぶつけたよ。東京は、より大きなスタジアムのステージだったから、それも楽しかった。

アダム・スラック(Gt):そうだね、大きなステージだと動き回れるからね。それにフェスっていろいろなアーティストに会えるだろ? ちょっと飲み過ぎたけど、とりあえずまだ生きてるからさ(笑)。それも含め、楽しんだよ。

―アダムはステージでジャケットを着ていたけど、暑くなかったんですか?

アダム:ジャケットの中は何も着てなかったからなんとかね。でも、自分達のステージが終わる頃には汗で色が変わってたけどね(笑)。

ジェド:アダムはファッショニスタだからね!(笑)

―ちょっと飲み過ぎたと言っていましたけど、誰と飲んだんですか?

ルーク:ポスト・マローンだよ。

―それは意外な組み合わせですね。

ルーク:カーテン1枚で仕切られた大阪の楽屋の隣がポスト・マローンでさ、俺達が自分達のステージが終わって、楽屋でダラダラしてたら、カーテンの隙間から顔だけ出して、「ビアポンやろう」って言ってきたんだ(笑)。結局、その時、ビアポンはできなかったんだけど、昨夜、渋谷のクラブでたまたま鉢合わせして、朝の4時まで飲み明かしたんだ。

ジェド:今回、日本で初めてハイボールを飲んだんだけど、新たなお気に入りになったよ。ありがとう、日本!(笑)

Translated by Kyoko Maruyama

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