森カリオペが語る、クリエイティブの源泉と活動における哲学

―英語と日本語を織り交ぜた歌詞も書かれていますが、このスタイルはどのように生まれたのですか?

カリオペ:日本の音楽を聴き始めた頃は、日本語をまったく話せませんでした。でも日本人の友達が増えて、Twitterで話すようになったり、日本語を教えてもらったり。日本の音楽から学ぶことも多くなって、日本語の単語やフレーズを少しずつ自分の音楽に取り入れるようになったんです。その後、冥界の音楽シーンで活動を始めてみたら、「もっと日本語の歌詞を入れないと」と思うようになりました。日本のファンは、英語の歌詞だけの曲には共感しづらいみたいで。なので、どんどん日本語を使うようになり、今ではどの曲にも少しは日本語の歌詞を入れるのが普通になりました。そうすることで、日本人リスナーも曲の中に親しみのある単語やフレーズを見つけられて、その曲が何について歌っているのか理解しやすくなると思うんです。

―楽曲制作でどんなソフトや機材を使用していますか?また、使い方はどのように習得されましたか?

カリオペ:ユニバーサルミュージックに所属する前はよく自宅のスタジオを使っていました。今はレーベル側が収録用にプロ仕様のスタジオを提供してくれていますが、それ以前は、自分と専属エンジニアですべて行っていました。その頃使っていたのが、「MANLEY」のマイクです。とても高価なものですが、これで収録すると非常にクリアでスタジオクオリティーの音質で録音できるんです。それから、インターフェイスは「RME Baby Face Pro」、DAWは「Cubase」を使っています。「Cubase」は音楽プロデューサーの友人たちが使っていて、彼らからいつもオススメされていたので、勉強し始めました。「Cubase」で音楽制作ができるわけではないのですが、ボーカルの録音や、ミックス担当エンジニアに収録音源を送る際の調整に使っていて、実際に楽曲が仕上がると...とてもいい感じなんです。録音も、どのテイクを使うか選ぶのも、すべて「Cubase」で作業しています。

―デビュー配信で披露したオリジナルソング「失礼しますが、RIP♡」はどのように誕生したのですか?



カリオペ:あの曲はもともと「失礼しますが、死んでください」という曲名だったのですが、会社側に「『死』という漢字は強すぎる」と言われて、代わりに「RIP」に変更したんです。この曲は、「森カリオペ」というVTuberになる前、ただの死神だった頃からアイデアがあった曲です。みんなタイトルからではどんな曲なのか想像がつかなかったと思います。ニコニコラップやニコニコミュージックに興味を持ち始めた頃から尊敬しているアーティスト・kokorobeats a.k.a K’s/Coroと一緒に楽曲制作をして、彼にはトラックとミックスを担当してもらいました当時、ホロライブEnglishが流行りだしたばかりだったので、私たち2人ともこの曲がこんなにも人気が出るとは思っていませんでした。ホロライブEnglishに興味があった人たちがたくさん聴いてくれたんだと思います。なぜあの曲を作ったかというと、多くのアイドルがデビュー曲のお披露目で強烈な印象を残しているのを目にしたからなんです。1曲作るのにあまり時間がかからなかったので、デビュ前に 「あの曲も入れてEPを作ろう」と思ったくらいです。あの曲が視聴者の方にも強く印象に残ったと思いますし、私の努力も伝わると思ったんです。かなり頑張りました!

Rolling Stone Japan 編集部

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