森カリオペが語る、クリエイティブの源泉と活動における哲学

―既にたくさんの楽曲を制作されているので選ぶのは難しいかもしれませんが、ご自身を象徴する3曲を理由と併せて教えてください。

カリオペ:わぁ!とても難しい質問ですが、3曲選べると思います。自分の「過去」、「現在」、「未来」について考えて、曲を選びますね。まず「過去」は、「end of a life」。冥界のラップシーンにおける自分の過去と、その日々からの旅立ち、そして皆さんがご存知の「森カリオペ」として歩むことを歌っている曲なので。



次に「現在」は、「The Grim Reaper is a Live-Streamer」という、私の人生におけるテーマソングですね。タイトルは文字通り「死神(the Grim Reaper)は生配信者(Live-Streamer)」で、まさしく私が今やっていることです。配信者としての日常も歌っていますが、とてもキャッチーな曲になっています。



最後に「未来」については…とても難しいですが、『SHINIGAMI NOTE』から選ぼうかなと。(インタビュー時点では)まだ未発表曲なので、念のため曲名は伏せておきますが、「世界を征服して、世界を終わらせる」という内容の曲があります。ちょっとクレイジーな曲ですが、私の新しいバイブスや未来に向けた感情・考えが込められています。そして、私自身の新しい世界秩序や冥界秩序をつくり、世界中の人が見て憧れるような存在に、そしてみんなに(私の)音楽を楽しんでもらえるような、そんなMori Calliopeになるために100%を捧げる...みたいな曲です。

―コラボ楽曲も数多く手がけていらっしゃいますが、印象に残っている楽曲があれば教えてください。

カリオペ:これまでの楽曲の中でベストソングとしてよく思うのは、同期でホロライブEnglish所属のがうる・ぐらとのコラボ曲ですかね。彼女もまた、素晴らしいシンガーです。いつかホロライブEnglishのメンバー全員とコラボ曲を出すのが私の夢なんですそれで、ぐらとは、「Q」という曲を作りました。「Q」が何の略かというと...まあ、秘密です!ご想像にお任せします。「Q」のミュージックビデオはアニメになっていて、ホロライブプロダクションのアニメーションをたくさん作っている方に制作をお願いしました。ぐらと私は、とにかく一緒に楽しくバカ騒ぎできるような間柄なので、敵対するギャングのリーダーにお互いがなって戦うという異世界設定にしました。歌詞を書く際には、ホロライブEnglishのアイドルとして、ぐらや私が同じように直面している苦労について考えました。かなり強い歌詞になっているというか...なんというか...世の中と戦う、2人の強い女性がいる、というような内容ですね。リスナーの中には私たちに優しくない人たちも時々います。なので、この曲のミュージックビデオを見ると、みんなは「私VSぐら」だと思うかもしれませんが、そうではなくて、私たちのことを悪く言う意地悪な人たちから自分たちを守っているような曲なんです。



―互いに戦っているように見えますが、そうではなくて、2人はチームを組んで巨大な敵に立ち向かっているということなんですね。

カリオペ:その通りです! リスナーは私たちにすごく期待します。どんな時でも完璧でいるように求めてくるけど、私たちはそうありたいとは思っていません。私たちはただの人間です!それが、この曲に隠された本当の意味だと思いますよ。

―配信では、ゲーム実況、英会話教室なども行っていますが、音楽以外の配信をする際に心がけていることはありますか?

カリオペ:リスナーを楽しませたいです!みんなの意識を集めて、日常生活から連れ出してハッピーにしてあげたいんです。日常生活ってとても疲れるし、毎日仕事をしていると本当に疲れてしまうから。随分前は、私も朝から晩まで仕事をしていて、心底疲れていました。配信している時はその頃のことを思い出しています。(私だったら)仕事を終えて帰宅したら、楽しませてもらいたいですもん。アニメや、他の配信者がゲーム実況を観たり、YouTubeの動画を観ると、現実世界を忘れてゆっくりできたから。なので今は、かつての私のように、仕事から帰宅した後に、現実世界で日々起きる悲しい出来事を忘れたくて、何か面白いものを見て癒されたい人のために、そういったエンターテインメントを提供したいです。

Rolling Stone Japan 編集部

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