eillが語るネクストステージ、BE:FIRSTとの出会い、映画とのコラボから得たもの

BE:FIRSTとの出会い

―事務所(BMSG)繋がりで話をさせてもらうと、9月4日のRolling Stone JapanのイベントにはBE:FIRSTも出てもらうことが決まっていて、さらにeillさんが書き下ろした楽曲が収録されたBE:FIRSTのアルバム『BE:1』がリリースされたばかりなので、改めて「ソングライターとしてのeill」についても今日聞きたいなと思っています。BE:FIRSTへの楽曲提供の経緯でいうと、約4年前からSKY-HIさん(BE:FIRSTのプロデューサー/社長)と一緒にやっていることがきっかけのひとつだと思うんですけど、そもそもそれはどういう出会いだったんですか?

eill:日高さん(SKY-HI)がTwitterでリミックス公募をやっていて、それに応募したら「eill、めっちゃいい」みたいになってくれて。そこからライブとかにも呼んでくださったり、もう1曲「New Verse」のリミックスをお願いしてくださったり、という感じで始まりました。





―BE:FIRSTへの楽曲提供に関しては、具体的にeillさんが書く曲のどういったところがよくてオファーを受けたんだと思いますか?

eill:去年「23」を出したときに、日高さんが「めっちゃいいわ」「やっぱりeillに頼みたいわ」みたいに言ってくれて、そこから曲を作り始めました。ヴァースがいいというふうにおっしゃってくださっていて。J-POPの要素と、UK、K-POPとか海外の要素のバランス。歌詞も、英語すぎず日本語すぎずっていう、すべてのバランスがeillはちょうどいいって。あと、AメロもBメロもちゃんとフックがあって、それぞれにちゃんと意味があるというふうにおっしゃってくださっていました。

―まさにそこですよね。BE:FIRSTは日本でもヒットさせなきゃいけないし、グローバルで見てもかっこいい曲を作らなきゃいけないという使命感を日高さんは持っていて、eillさんもそのバランス感覚とクリエイティブセンスを持って音楽を作り続けてきた。しかもBE:FIRSTは、それを海外の作家を多用するという手法ではなく、主に国内の才能あるクリエイターたちを集めてやろうとしている。そういったコライトは、eillさんの中でどんな経験になっていますか?

eill:それこそ去年からは自分の曲も一人で作るというより、「Betrayal Game」を一緒に作ったレフティさん(宮田’レフティ’リョウ)と作ることが多くて。一緒に誰かと曲を作るって、本当に楽しいんですよ。一人で作ると沼にはまってわからなくなっちゃうときがあるんですけど、誰かと一緒に悩むことは楽しさでしかなくて。「Message」に関しても、Matt(Cab)さんとスタジオに入って、「トップライン、それいいね」「ここ、ロングトーン伸ばしたいね」とか、本当にバイブスで作った感じだったので、最初から最後まで楽しかったです。

―計算尽くしで緻密に考えて作ったというより、ヴァイブスが大きいんですね。

eill:そうですね。普段から、基本そうなので。

―eillさん自身は海外での活動を今どう考えていますか? コロナ前に思っていた夢が、一度止まってしまったところもあると思うんですけど。

eill:ずっと「アジアツアーをやりたい」って言ってましたけど、行けてないし、曲も作れてないし。コロナ前は海外のアーティストの方とフィーチャリングすることも多かったから、それが止まっちゃったのは悲しいなと思って。そろそろコライトをやったり、日本以外の国にも行ってみたいなってすごく思います。





―「Message」に関しては、「New Verse」を作った方たち(eill、Matt Cab、MATZ、SKY-HI)が再集結しているのもいいストーリーですよね。それにこれも、J-POPらしさがありながら、1番と2番は全然違うテイストになっていたり、言葉のはめ方がユニークな部分があったり、J-POPのテンプレートから離れた手法も入れ込まれていて。

eill:「Message」は、今までBE:FIRSTが歌ったことないようなJ-POPのバラードという感じの楽曲になっているんですけど、サビをロングトーンで作った分、AメロとかBメロはちょっと細かめにして、J-POPであるような感じではなく韻が踏みやすいようにしたりして。この曲は言葉で伝えることに重きを置きたかったので、サビはどうしても英語ではなくて日本語で書きたくて。特にサビは日本語がはまりやすいようにメロディを組んだかもしれないです。

―「Betrayal Game」に関してはいかがですか?

eill:ベースから始まって、シンプルに進行していくんですよね。低温やけど的な、ジリジリとした感覚があって。それってすごくセクシーじゃないですか。それまでのBE:FIRSTの楽曲は華やかに踊ったり「かっこいい!(拍手)」というものが多かったので、そういったジリジリした曲というか、上がりきらないような感じを残したものもいいなと思って。あと、声が一人ひとり特徴的じゃないですか。みなさん本当に歌も上手だし。だからその声がいきるように、トラック数も少なく、「ベースと歌」みたいにすることを大事にして作りました。

―BE:FIRSTのLEOさんがインタビューでおっしゃっていましたが、eillさんが曲を書き始める前に「人柄を知りたいから」ということでメンバーと会う機会を作ったそうですね。曲を書く上で人柄を知りたいと思うのはどうしてだったんですか?

eill:いや、嫌なんですよ。自分が楽曲提供してもらうときに、自分を知らない人に書いてほしくなくて。それって、歌わされてるみたいになるじゃないですか。じゃなくて、自分だったら自分の言葉みたいに歌いたいし、どんな人が作ってるか会いたいし話したいから。「どんな曲がいいですか?」「どんな言葉がいいですか?」「大きな愛がいいですか?」みたいなことを聞きました。結局、表に出る人がすべてを背負うから。その人が責任を持つから大事に作らないと、という気持ちがあってその機会をいただきました。

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