サメ映画ブームを超えるのはゴリラ映画ブームだ

アサイラムの面目躍如

これほどの隆盛を誇るサル(特にゴリラ)映画ゆえ、志の低さとまぎらわしさでおなじみ“アサイラム”社が飛びつかないわけがない。

『キング・オブ・ロストワールド』(2005)は2005年版『キング・コング』に便乗して作られた作品だ。どこかのジャングルに墜落した飛行機の乗客がいろんなモンスターに襲われて、大トリとして巨大ゴリラが登場する。全般にCGがショボイのと巨大ゴリラがラスト10分ぐらいしか出てこないのが残念ではあるが、“アサイラム”にしてはかなり頑張っている。

さらに2021年には『ゴジラVSコング』にぶつける形で『ロード・オブ・モンスターズ 地上最大の決戦』を制作。原題が『Ape vs Monster』というあたりからも志の低さが伝わってくるが、CGが『キング・オブ・ロストワールド』から16年まったく進歩がなかったり、偽コングがぶち抜く“最先端研究施設”の壁に小学校の教室みたいな元素周期表が貼られていたり、偽ゴジラと偽コングが戦うのが最後の3分というのは、さすが“アサイラム”の面目躍如と言って良いのだろうか。

『ロード・オブ・モンスターズ 地上最大の決戦』


2024年には『キングコング 髑髏島の巨神』『ゴジラVSコング』に続く“モンスターバース”最新作として、キングコングとゴジラがタッグを組んで未知のモンスターを迎え撃つ作品が公開されると噂されている。そして“アサイラム”も志の低い便乗作品で我々を楽しませてくれるだろう。これからもゴリラ映画は新たなブームを巻き起こし続ける。

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