NOAが語る、多様なバックグラウンドから生まれるNOA-POPの秘密、10年来の親友、ファンの存在

「共感できる歌詞」を心がけている

—韓国や日本での経験を通して、グローバルなエンターテインメントとは?ということがNOAさんは自然と肌で感じ取ってるような気もするのですが、今回のアルバムに関して言うと、J-POP的なもの、K-POP的なもの、そして海外のヒットチャートっぽいもの、という要素があるとしたら、どのようなバランスを意識しましたか?

NOA:今回のアルバムは、何も考えずにできたからこそよかったなと思っていて。以前は自分が追求するものが何なのかわからなくなった時もありましたし、日本にいるんだったらJ-POPに寄せた方がいいのかなって悩んだ時期もありました。でも自分が作りたいものを作らないといけないなってことに気づいて。それが結局、自分のカラーになると思うんです。僕の曲ってJ-POPでもないしK-POPでもないし洋楽でもない。幅広く作りたいって気持ちがあるんです。ちょっとダサい言い方かもしれないですけど、“NOA-POP”みたいな感じで、自分の世界観を広げていけたらなって思ってますね。NOAっぽい曲というか、NOAだからこそ作れる曲のスタイルを届けていけたらなって。多分、僕はバックグラウンドが混在しているから、トラックは韓国っぽいけど歌詞は日本語だし、メロはちょっとJ-POPの要素があったり、いい意味でいろんなコンビネーションができると思うんです。その力をどんどんつけていきたいなって思いますね。

—確かにそのコンビネーションの新しさは感じました。

NOA:「Ticket」や「Purple Sky」は、メッセージソングって意味で日本語を多めにしたり、逆に「Step Back」や「Lonely Hearts」は英語を多めにしたり。とにかくその瞬間に出てきた言葉を優先して書いてます。例えば英語の歌詞で、後々に、やっぱり日本語に変えた方がいいのかなって考えるというよりは、今届けたいメッセージが英語で出てきたら、それは英語でしかないので、わざわざ日本語に変えたりはしないようにしてます。逆もそうです。できるだけ生の言葉で届けるようにしています。







—NOAさんが普段考えていることが、音楽を作る時に自然に出てくる感じでしょうか?

NOA:そうですね。普段思ったことは、詩みたいにしてすぐiPhoneのメモに書くので。それがどんどん溜まって、トラックを作る時に、そういえばちょっと前に書いたあの詩を乗っけられるなと思ったら、メロディを考える手前でそれを読みながら歌う。それをメロディにしてみて、ワードを削ったりしながら完成させるプロセスが好きです。先にメロディを作って、そのメロディに当てはまるように歌詞を書くのが苦手で。なので、できる限り先に思いついた言葉を使うようにしてます。その方が、僕は作りやすいです。

—どういう時に言葉があふれ出てくるんですか?

NOA:映画館で作品を観終わった後に思ったことだったり、あとは街を歩いてて、すれ違うカップルを見て思ったことだったり……。そうやって街中を歩きながら、いろんなものを見て自分の体験と重ねたりしてます。僕自身、共感してもらえるとすごくうれしいので、共感できる歌詞を心がけて書いてます。

—街に出るのは好きですか?

NOA:はい。歩くのが好きですし、普通だったら電車に乗って帰るだろうって距離も、曲を聴きながら歩いて帰ることもよくあります。歩いて帰るなかでいろんな発見があるし、そのとき聴いてる曲と自分の目で見てる景色がマッチすると、出てくる言葉ももっと多くなりますし、その瞬間が楽しいので、よく街に出ていますね。


Photo by Kentaro Kambe

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