ボーイフレンドを刺殺した美人モデル、逆DV疑惑で遺族から訴えられる 米

2022年12月、裁判所に出廷するコートニー・クレニー被告(PEDRO PORTAL/MIAMI HERALD VIA AP)

恋人だったクリスチャン・オブンセリさんを殺害した容疑で起訴されているOnlyFansモデルのコートニー・クレニー被告が、不法死亡罪で遺族から訴えられている。3月17日に申し立てられ、4月14日に修正された訴状には、クレニー被告が故意にオブンセリさんを刺殺し、遺族に精神的傷と苦痛を与え、将来の支えや拠り所を失ったとして、遺産管財人に金銭的補償を負う義務があるとある。クレニー被告の弁護士によると、被告は争う構えだ。

【写真を見る】「遺体の一部は油で揚げて食べた」

昨年4月、クリスチャン・オブンセリさん(親しい人々の間ではトビーと呼ばれていた)は被告と同棲していた米フロリダ州マイアミの海岸沿いの高級マンションで、胸部を刺されて死亡した。事件から数日後、クレニー被告は弁護士を通じて犯行を認めたが、自己防衛だったと主張した。数カ月間オブンセリさん殺害事件で逮捕者は出なかったが、昨年8月にクレニー被告が殺人罪で起訴された。フロリダ州検事局は、彼女とオブンセリさんの関係が虐待的で、「加害者」は被告のほうだったと主張した。被告は無罪を主張し、現在公判待ちの状態だ。

民事訴訟でオブンセリさんの遺族の弁護を担当するマイケル・ハガード弁護士によると、事件直前にクレニー被告がオブンセリさんを脅しているところを複数の近隣住人が目撃していたことが報告されている。「同じマンションだけでなく、隣接するビルも合わせて10人以上が、この女性が声の限りに叫び、考えうるありとあらゆる罵りの言葉で男性を脅していたと証言しています」とハガード弁護士。

ハガード氏によると、オブンセリさんの暴力的言動を証言した隣人は1人もいなかった。「証人はみな口をそろえて、彼が支配されていたと言っています」とハガード氏。「彼は彼女をなだめようとし、もう一度チャンスを与えようとしていたそうです。こうしたことは時々あるんですが、私は“逆”家庭内暴力と呼んでいます。多くの場合、家庭内暴力といえば男性ですからね」

クレニー被告が訴えられているのは、オブンセリさん殺害時の行動だ。14日に提出された修正訴状をローリングストーン誌が調べたところ、遺族はオブンセリさんの死に絡む暴行罪1件でクレニー被告を訴えている。訴状には、2022年4月3日にクレニー被告が「嫌がるクリスチャン・オブンセリさんに故意に接触、殴打、接近、および/または刺傷を行った。被告人コートニー・クレニーの意図的な行動の結果、クリスチャン・オブンセリさんは死亡した」とある。

クレニー被告の弁護人を務めるフランク・プリート氏は、被告の無実が証明されるだろうとローリングストーン誌に語った。「刑事、民事いずれの裁判でも、コートニーの行動はオブンセリさんからの攻撃を前にした自己防衛であることが証明されるでしょう」とプリート氏。「コートニーさんは家庭内暴力の犠牲者です」。

オブンセリさんの死から1カ月、ローリングストーン誌が調査したところ、虐待していたのはクレニー被告のほうでオブンセリさんではない、と2人を良く知る複数の友人が主張した。刑事訴訟手続きが始まると、クレニー被告がオブンセリさんを虐待していた証拠が明るみになった。州検事局が公開した監視カメラの映像には、被告がマンションのエレベーターでオブンセリさんを突き飛ばし、殴る姿が映っている。オブンセリさんが携帯電話で録音した音声には、殴ったのは君だとたしなめるオブンセリさんに被告がNワードを連発し、「お黙り、ビッチ」と言う声が収められていた。クレニー被告逮捕後に行われた再捜査でも、2人が以前住んでいたテキサス州オースティンの家の隣人が、オブンセリさんに対する被告の暴力行為を証言している。

Akiko Kato

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