ちゃんみなが見せた素の姿、「大丈夫じゃない」と歌えるようになった理由

──今作の最後に収録されている「I'm Not OK」。「私は大丈夫じゃない」とロック的な楽曲に乗せて歌っています。2枚目のアルバム『Never Grow Up』リリース時のインタビューで、ロックをやってみたかったけどまだ早いんじゃないかと思ったと語ってくれていましたが、ここでロック調の楽曲を歌うのにはすごく意味があるんじゃないかと思います。

ちゃんみな:『Naked』のストーリーを自分の中で書いていくうちに、「I'm Not OK」ってワードが1番大きくあったんですよ。『Naked』の中で1番伝えたいことは、「I'm Not OK」だった。曲を書くときに、伝えたいメッセージに合うサウンド感だったりとかジャンル感を選んでるんですけど、「I'm Not OK」はすごくロックなイメージを抱いていたんです。



──この「大丈夫じゃない」という言葉はポジティブな意味での言葉なんですよね。

ちゃんみな:これは私の性格上、言えない言葉だったんです。それを言えることが、私にとってすごく大きな成長で。私の最近の課題でもあるんですけど、年々変な人になっていっているなと思って。これは私が壊れていってるのか、私という人間が完成されていっているのかわからないんですけど、変な人になっていっている自覚がすごくあって。例えば、大人になっていくにつれて、周りの子たちが私のできないことを普通にやってのけてる姿を見てるとそう思う。私はデビューしたのが18歳で、音楽しかしてこなかったし、普通な人に育つわけない人生を送ってきたなって、後ろを見たら思うことが多くて。

──そんなことないと思いますけど。

ちゃんみな:当時はわかんなかったんですけど、今年25歳になるので、周りを見ていくとそこの差に気づいて。うわ、私って変なやつかもしれないって。でも、もうどうしようもないというか。それで完成されてしまってるから。普通の人になりたいと思って寄せていくこともしてみたんですけど、居心地が悪くなったり、イライラしたり、こんなの私じゃない!と思って。結局私って人間はOKじゃない状態の方が心地いいと思って。例えば、恋愛をしていても、完璧な人と付き合ってるより、ちょっと欠陥がある人の方が楽だし、ちょっと不安定な状態の方がむしろ私は心地がいい。なぜかっていうと、私もそうだし、ずっとそうやって生きてきたからっていうのがわかった。だから、「I'm Not OK. And that's OK, That’s me」っていうのが、この曲には込められてる。そういう意味で『Naked』。裸の私は、全然OKじゃないけど、それに対して別に心配もされたくないし、それでも別にOKでよくない?みたいな感じなんです。

──ある意味、自己肯定感に近い?

ちゃんみな:あー、そうかもしれないですね。自分をよく理解できるようになった。人って例えば小さい頃、誰かに好きな色は?とか聞かれて答えていくことによって、それが好きなんだって思い込む部分もあると思うんです。基本的にそれがずっと変わんないじゃないですか。でも、1回立ち止まって、今の私は何色が好きなんだろうとかを見た時に、やっぱ変わってるもんなんですよね。それに気づいた。私はどっちかっていうとオッケーじゃない人を助けたりとか、オッケーじゃない人に大丈夫だよってしてあげてたりしていたけど、気づいたら私がオッケーじゃない立場にいた。それが私的には結構ショックだったし、認めたくなかったんです。

──そこにショックはあったんですね。

ちゃんみな:ありました。今でも認めたくないと思ってます。戻れるなら戻りたいと思うし、もうちょっとちゃんと生きていきたかったって思いますけど、もうしょうがないなと思ってます(笑)。

Rolling Stone Japan 編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE