3人の絞殺された少女、死因の公表に8カ月もかかった不可解な理由 米

テマリーちゃん、アミヤちゃん、ジアリエルちゃんの死から10カ月近くが経過したが、オリバーさんは絶えず悲しみに暮れている。「少しは良くなりました」と本人。「とにかく1日1日を乗り越えるしかありません」。3人は6人きょうだいの真ん中で、母親によればとくに仲が良かったそうだ。「いつも3人一緒でした」。TikTokをしたり、外で遊んだり、自転車に乗ったりするのが大好きだった。残された3人のきょうだいも心の整理をつけているところだという。「これまでの出来事をふまえれば、今のところ子どもたちも何とかやっています」とオリバーさん。

オリバーさんがローロングストーン誌に語ったところでは、娘たちの遺体が池から回収された数日後に死因について知らされたそうだ。「(警察からは)娘たちが溺死ではなく」と本人。「絞殺されていたと聞きました」 知らせを聞いた途端、オリバーさんは「なぜ? どうやって? 一体誰が子どもにそんなことをするの?」と首をひねったという。警察が当時、死因を伏せていた理由はオリバーさんにもわからない。

オリバーさんによれば、8月に検視結果の報告を受けた後、警察から音沙汰がなくなった。オリバーさんは何十回もテキサスレンジャーに連絡したそうだが、ようやく返事が返ってきたのは先週で、隊員の1人がオリバーさんの電話に折り返してきたという。「ようやくまともに返答してくれました」とオリバーさん。「ですが、証拠を検証しているところだ、としか教えてくれなくて、新しい情報は一切ありませんでした。何か知っていることがあれば警察に連絡してほしい」。ローリングストーン誌はテキサスレンジャーにコメントを求めたが、返答は得られなかった。

3月にプレスリリースが発表されて以来、オリバーさんはヒューストンを拠点に活動する団体New Black Panther Nationの助けを借りて事件の真相究明を求めている。団体のリーダーを務めるQuanell X氏は3人の幼い少女が殺された事件について、情報や対応がなかった理由として唯一考えられるのは黒人だからだ、とローリングストーン誌に語った。「根底には人種差別があると確信しています」とX氏。「もし金髪で、青い目をした白人の幼い3人の子どもがテキサス州カス郡の郊外で殺害されたなら、警察の対応は最初からまるで違っていたでしょう」。

テキサスレンジャーの広報を担当するテキサス州公安局のアダム・アルブリットン巡査部長は今週電話取材に応じ、公安局は今も事件を「積極的に捜査している」が、レンジャーとして公表できる情報は検事局のプレスリリースの内容がすべてだと述べた。その後オリバーさんの主張に対して電話やメールで再三コメントを求めたが、アルブリットン巡査部長からの返答はなかった。

シェルトン検事からのメール回答が途絶える以前、ローリングストーン誌は犯人がカス郡に野放しにされているのかと検事に尋ねた。「質問の意味が分かりません。現時点で分かっているのは未解決の三重殺人だということで、全力で真相究明に取り組んでいます」。当局の返答は、まさにこの10カ月近くオリバーさんが求めているものだ。「区切りをつけるにはあまりにも長すぎます」と本人。「もし警察がちゃんと仕事をしてくれていたら、私も答えや区切りをつけられていたでしょう……ですが警察は事件を気にかけていないのか、のらりくらりと何もしていないようです」。

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from Rolling Stone US

Akiko Kato

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