Galileo Galileiが語るメンバー4人の繋がり、手にしたかった「真っ当な人生」



―岩井くんにとっては今回の制作期間中で特に印象に残ってたり、インスピレーション源になったような出来事はありましたか?


岩井:本当にこのメンバーでいたら楽しいなと思う瞬間が何度もあって、ひとつ挙げるのは難しいんですけど……「今日いい感じになったし、飲みに行くか」みたいな感じで、メンバーで飲みに行って、その後カラオケ行ってぶっ潰れるみたいなことって、この年齢になったらなかなかできることじゃないじゃないですか。

尾崎:奥さんに怒られるよね(笑)。

岩井:でもそれがこのメンバーだとできちゃう。「精神と時の部屋」じゃないけど、ここだけは流れがちょっとおかしいみたいなことが何度もあったからこそ、終わって欲しくなかったし、本当にバンドは絶妙のバランスで成り立ってる集合体で、みんないろんな形の活動をしてきたからこそ、その喜びがどれだけすごいものなのかっていうのは……お互いそれを話したりはしないけど、日々感じ合ってるっていうのはありますね。

―ガリレオとしては今回再始動なわけですけど、メンバー4人はBBHFやWarbearでも活動をともにしてきたわけで、すでに土台がしっかりできてる感じがありますよね。その意味で言うと、制作の方法自体もこれまでの延長線上にあるというか、ガリレオになったからと言って特別制作の方法に変化があったわけではない?

尾崎:たしかにBBHFとかでも結局岩井くんがプロデューサーみたいな形で一緒にやったりしてたわけですけど……でも全然違うなって気はしますね。前はずっと孤独感との戦いだったというか、メンバーがいたとしても、最後に自分がメロディーと歌詞を同時に入れるっていうのもあって、結局一人だったんですよね。でも今回は孤独感がなくて、このアルバムを改めて自分で聴き返したときに、不思議な力が宿ったなと思ってるところがあるんですけど、それを作れたのはたぶん制作の雰囲気とプロセスが変わったからじゃないかなと思う。何が変わったかっていうとすごく細かい話になっちゃうんですけど、でも結構違うなと思います。BBHFともWarbearとも前のガリレオとも。



―岩井くんはBBHFのときとは「メンバーかメンバーじゃないか」みたいな違いもあると言えばあるし、そういう意味での立ち位置の違いとか関わり方の違いもあるのかなという気はしますが、実際どうでしたか?

岩井:これまで「正式メンバーじゃないから」みたいなところで制限をかけていたつもりは全くないですけど、でも名前はめっちゃ大事だなと思います。ガリレオのメンバーなんだっていうことによって、言葉にするのは難しいけど、すごく複雑な、細かい違いみたいなのが重なり続けて、変化に繋がってるんだろうなって。自分の我みたいなものが入りすぎると、聴き返さないことも多いんですけど、さっき「不思議な力が働いてる」っていう話もあったように、今回は自分で作ったものなんだけど、自分で作りすぎてないものな気がしてるから、不思議とちゃんと聴き返すことができて、それは初めての体験で、新鮮ですね。あとBBHFで一緒にアルバムを作った後に、自分でソロアルバムを作ってるんですよ。それは個人的にでかいです。岩井郁人のソロってものがあることによって、雄貴や和樹や真輝くんとの向き合い方が変わった感じがします。

―自分としてのアウトプットがひとつあったことによって、「このバンドに自分を入れてやるんだ」みたいな、それこそ変な意味での我がなくなったというか。

岩井:変なエゴはそっちで、オナニーはそっちで済んだ感じなんですよ。でもそうじゃなくて、仲間との繋がりの中で生まれるコミュニケーションの喜びみたいなのが今はあるから、そこは大きな違いだと思います。それが両立できなかったというか、同居できなかったんですけど、今はそんなことがないっていう。言語化するのはものすごく難しいですけど、細かい違いの積み重ねによって、今は奇跡的なバランスなんだろうなと改めて思いますね。

Rolling Stone Japan 編集部

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