Galileo Galileiが語るメンバー4人の繋がり、手にしたかった「真っ当な人生」

―歌詞の面で言うと、今回「真っ当な人生」という言葉がキーフレーズになっている印象があります。「ファーザー」と、最後の「あそぼ」にもこの言葉が出てきて、今回のアルバム制作は自分の人生をもう一度振り返るような制作だったような気もして、その中で「真っ当な人生」という言葉がキーワード的に浮かび上がってきたのかなと思ったのですが、いかがでしょうか?

尾崎:真っ当な人生っていうのが、自分が手にしたいものでもあるし、今手にしてるものなんじゃないかなと思うし、単に「君は今どんな人生ですか?」って聞かれたら、「真っ当な人生」って答えるなと思って。この言葉がアルバムのテーマだとは考えてないですけど、人生について考えることがすごく増えたので、重要な言葉なのは確かだと思います。

―「ファーザー」が象徴するように、父親になったことも最近の尾崎くんの曲の中ではかなりモチーフになってるし、やっぱり家族や人生が間違いなくひとつの大きなテーマにはなってるなって。

尾崎:僕らそれぞれが父親との間にいろんな感情を抱えていて、それこそお酒飲んでるときとか、制作中でも、ふと父親の話をしてることがあって、それはいわゆる父親自慢みたいな話ではなく、「父親とこういうことがあったんだけど、こういうことなのかな」みたいな話。自分が父親になったっていうのもあるし、結局男性にとって、父親は死ぬまでずっとちらついちゃうというか、謎の裏テーマとしてずっとちらついちゃうものなのかなって。

岩井:これは僕だけかもしれないけど、音楽を作ることで、自分自身の成長を感じられることがものすごく多くて、しかもこのメンバーで音楽を作ってるときにそれがより顕著なんですよね。音楽を作る中で起こるコミュニケーションだったり、制作の合間でちょっとした相談をしたり、昨日も取材が終わった後に2人で飲みに行って、父親としての話をしたりして、それを音楽に落とし込むことで、自分が成長していってるのを感じられる。音楽と対話をして、自分の人生観もアップデートされて、成長していってるのがすごく好きだし、そういうミュージシャンでずっとあり続けたいと思ってます。僕過去に戻りたいとかって全く思わないんですよ。

尾崎:それもよく話すよね。みんな同じでした。僕ら4人は過去に戻れるボタンがあっても絶対押さないって。

岩井:自分の人生に対して誠実でありたいし、年を取ることの楽しさをすごく感じてるので、十代に戻りたいとか全く思わないし、それを描き続けていく喜びみたいなのを現に感じてるので……すごく真っ当な人生だなって(笑)。



―最初にファンだけじゃなくて音楽を作ってる人もガリレオの再始動を喜んだっていう話をしたけど、もちろんガリレオの音楽自体が好き、洋楽への入口になったっていうのもありつつ、やっぱり成長を見せてくれる存在でもあって、自分の人生とともにある存在としてガリレオを見てるからこそ、思い入れの強い人が多いんだろうなって。

尾崎:相当恥ずかしい、とんがったところとか、とんがってるのに全然できてない姿とか、ファンにずっと見せ続けてきてますからね、ガリレオに関しては特に。レーベルの人の悪口ツイートしてるのとかもファンは見てるし、ネットに「こいつやばいぞ。レーベルから見放されるんじゃないか」みたいなこと書かれたりとかしてるのも僕見てるし。10代でデビューして、稚内を出てからずっと、恥ずかしいところほぼ全部見られてるから、そこからはその成長記録しかないというか。僕らのファンはそういうことも含めて、「ガリレオだから仕方ないよね」って言ってくれる人たちが結局今残ってくれてるんで、これからもそうなんじゃないかなって。甘えとかじゃなくて、甘く厳しいみたいな関係性というか。僕らも何回も裏切ってるし、それでも今があるのは、そういう関係性なんじゃないかなって。

―最後にもうひとつ、尾崎くんのアルバムに対するコメントの中で「BBHFは一人のミュージシャンとして“生業”と捉えてたけど、ガリレオはそうじゃなくて、でもまだそれを言葉にはできない」みたいな記述があったと思うんですけど、アルバムを作り終えて、客観的に聴いたうえで、今ガリレオという存在を言葉にするなら、どんな言葉になりますか?

尾崎:かっこいい言葉で言うと、「生きざま」なのかなって思います。生業とかでもないし、手法でもないし。ガリレオのイメージには似合わないですけどね。花山薫みたいだし(笑)。

―いやでも曲には人間臭さがあるから、すごくしっくりきます。

尾崎:はい、生きざまだと思います。



<リリース情報>



Galileo Galilei
『Bee and The Whales』
2023年5月31日(水)リリース
=収録曲=
1. ヘイヘイ
2. 死んでくれ
3. 色彩
4. ノーキャスト
5. ピーターへ愛を込めて
6. ファーザー
7. I Like You
8. 汐
9. 君の季節
10. 愛なき世界
11. Bee and The Whales
12. ギターバッグ
13. 花束と水晶
14. あそぼ

CD https://virginmusic.lnk.to/BaTW_CD
ダウンロード・ストリーミング https://virginmusic.lnk.to/GG_BaTW

Rolling Stone Japan 編集部

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