LiSAが語る、世代を超越したパンクロックの力、「次の10年」を見据えて

大きな希望が見えた

ーちょっと余談ですが、Rolling Stone JAPANでは過去にblink-182やブリング・ミー・ザ・ホライズンについてLiSAさんにお話を伺っています。その2バンドもここ最近新たな動きがあったので、改めてお話を聞かせてください。blink-182は昨年トム・デロングがバンドに復帰し、新曲「Edging」のリリースやコーチェラ・フェスティバルへの出演で注目を集めたばかり。彼らの近況はLiSAさんにどう映りますか?

LiSA:ブリンクもそうなんですけど、パンクっていうものが少しずつ新しくなって復活している感覚はありますね。それこそ、アヴリル・ラヴィーンもトラヴィス・バーカーのレーベル(DTA Records)に入って、トラヴィスやマシン・ガン・ケリーが参加したアルバムで復活したじゃないですか。今ではラッパーの人たちがパンクロックに振り切っていたりしますし、自分が音楽を始めた頃、それこそブリンクに出会った頃のシーンが復活しているような感覚があって。それに付随して昔のヒーローって言ったら失礼ですけど、自分がかつて憧れていたヒーローたちがまた息を吹き返して、「よし、頑張るぞ!」みたいな気持ちになっていることもとてもうれしいですね。



ー単に当時聴いていた世代だけでなく、マシン・ガン・ケリーを通して今の若い世代にもアヴリルが届いている感覚もありますものね。

LiSA:サウンドこそ新しくなっているけど、自分が好きだった根底の部分っていうのは何も変わってないなといううれしさもやっぱりありますね。

ーさらに、ブリング・ミー・ザ・ホライズンまでもがポップパンクに影響を受けた楽曲をリリース。

LiSA:「LosT」ですよね。めちゃめちゃカッコよかったです。ブリング・ミーってどちらかというとヘヴィロックのイメージだったんですけど、サウンドはそのままで彼らがパンクロックをやるとこうなるんだなっていう新鮮な驚きがありました。



ーこういう音が旬になっている流れを感じますよね。

LiSA:そうですね……そうだ! 私、ザックさんが手がけたペール・ウェーヴスの新作(『Unwanted』)をずっと聴いていて。それで今回、ザックさんにお願いしたいなと思ったんです。ちょうど自分が新しいことにトライしたいなと考えていたときに、ペール・ウェーヴスみたいな最近の若い世代のパンクバンドの子たち……パンクバンドと言っていいかわからないですけど、そういった子たちがすごく元気で。しかも、ブリンクとかブリング・ミーを手がけてきたザックさんが関わっている。「ああ、私が求めているのはここだな」と思ったんです。で、若い世代とレジェンドたちがつながるポイントが見えたときに、私にとって大きな希望が見えた気がしました。



ー欧米ではよく“ロック低迷”と言われていますが、作品自体は常に進化し続けていますからね。

LiSA:昔もきっと、パンクロックってダサいものだと捉えられていたけど、それこそグリーン・デイが『American Idiot』を世の中に知らしめてくれてからパンクロックがみんなに認められて、カッコいいと言われるものになったような感覚があるので、そんな日がまた近づいているような気がします。

ー最後に。9月からは全国ツアーも始まるなど、再び活動が活発化していきそうですが、ここからの未来にどんなイメージを持っていますか?

LiSA:「REALiZE」を完成させたことでまたひとつ手札が増えたと実感しているので、ここからの10年に向けてすごくいいスタートを切れたんじゃないかな。なので、今後もいろいろ巻き込みながら攻めていける楽曲を増やしていきたいです。ツアーについても、最近は情勢がいろいろ緩和されたことで、いろんなことが制限されていた中でリリースされた楽曲たちが本領発揮できるものになるんじゃないかと思っていて。それこそ、ライブにおいてはまだ未完成の楽曲もたくさんあるので、このツアーでどこまで進化していくのか、すごく楽しみにしています。

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「REALiZE」
LiSA
Sony Music Labels
配信中
配信リンク:
https://lisa.lnk.to/REALiZE

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