フジロック×サマソニ運営対談2023 新時代に突入する2大洋楽フェス

「完全復活に向けて」フジロックの挑戦

―ここからは今年のラインナップについて聞かせてください。フジロックは先ほど「今年こそ完全復活」という話がありました。

高崎:そうですね。去年は「いつものフジロック」を掲げて、コロナがまだ状況を左右する中でのマックスのラインナップにとどまった。今年は本当の意味での「いつものフジロック」をやろうと動いていったので、2020年(コロナ禍で中止)に決まっていたザ・ストロークス、8年ぶりに帰ってくるフー・ファイターズっていう、フジロックらしいブッキングができたと思っています。

安藤:フー・ファイターズは個人的にもメチャクチャ観たいです。残念ながらドラマーのテイラー・ホーキンスが亡くなってしまって……(後任の)ドラマーがどうなるかなど、ファン目線でに気になっているところもあるので、ぜひ観に行きたいですね。

高崎:さらにリゾが、「フジが呼ぶの?」という枠として入っている。これは今年のチャレンジですよね。「ヘッドライナーをもう一組どうしよう?」となったところで、彼女は海外だと売れているけれど、日本ではまだブレイクしていない。でも、「どうしても見せたい!」っていうことで、腹を括ってヘッドライナーにしたのがうまくいった。今年2月にグラミー賞を獲得したことで日本でも注目されたので、タイミングもよかったです。




―リゾは2019年のシーア、昨年のホールジーに続くポップスターの流れとも言えそうですが、本人の音楽性がダンサブルなのもあって盛り上がりそう。他にも、音楽を熱心に追っている人たちが歓喜の声を上げそうな実力派アーティストが揃っている印象です。

高崎:ルイス・コールやFKJ、イヴ・トゥモア、ワイズ・ブラッド、スーダン・アーカイヴスと、フジロックらしい顔ぶれが揃いましたね。いろんなジャンルが入っているしバランスもいい。各ステージのブッキング担当がやりたいことをやれた結果だと思います。

その話でいうと、私が担当だからなんですが、今年の夜中は自信があるんですよ。Overmono、TSHA(ティーシャ)、シティポップの流れを汲むジンジャー・ルートとYung Bae(ヤング・ベー)など、海外勢を厚めにしました。それと深夜にきゃりーぱみゅぱみゅも出演するので、深夜も喜んでいただけるはず!

安藤:きゃりーぱみゅぱみゅはサマソニっぽい印象があるうえに(昨年も出演)、あえて夜中にブッキングということで新たな客層がどう盛り上げるのか興味があります。




―ジンジャー・ルートは日本の歌謡曲やアニメが大好きで、今年1月の来日公演はYMOやアニソンのカバーもあったりで物凄く盛り上がってました。あとは毎年、想定外のダークホースが旋風を巻き起こすのもフジロックの売りかなと。

高崎:昨年だとBLOODYWOOD(インド発のメタルバンド)はやっぱりインパクトがあったようで、6月の単独公演もチケットの売れ行きは好調です。今年は韓国のBalming Tigerと、僕の思い入れでいうとフィーバー333。朝イチで見せたいな……っていう(笑)。

―もともとフィーバー333は高崎さんがプッシュしたんですよね。2018年のフジロックで見せたライブは今も語り草になってます。

安藤:僕はコリー・ヘンリーが楽しみです。コロナ禍にすごく聴いていたので。




―あのゴスペルタッチのオルガンを野外で聴いたら気持ちよさそう。そしてもちろん、矢沢永吉さんにも触れないわけにはいきません。

高崎:ついに出ます(笑)。なにせ初出演ですから、どうなるのか楽しみです。

安藤:盛り上がると思いますよ。サマソニに出演していただいたときも(2010年、2014年)、真夏ですけどコアなお客さんが白いスーツでいらっしゃってました。とても記憶に残っていますね。

高崎:天気がよければいいなと思います。夕暮れ時が似合うなって印象がすごくあって。夕方のGREEN STAGEに矢沢永吉さんのバラード曲はとてもマッチする気がしますね。

―太陽が沈んでいくなか、お客さんがタオルを上空に投げていくと。

高崎:タオルが舞う様子は想像できない(笑)。そんな光景をフジロックで見たことがないですよ。僕は物販担当でもあるので、フジのタオルもいっぱい売れてほしいな(笑)。


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