【フジロック大トリ】リゾの知っておくべき名曲TOP20

5位「Batches & Cookies」(2013年)

ポップのスターダムを駆け上がる前、リゾは「Batches & Cookies」のような仰々しい曲で知られるインディーラッパーだった。半分ジョークのこの曲の魅力は強烈なパーカションと、コンサート会場での合唱を促す超キャッチーなフックだ。「これは私の取り分とクッキー/これは私の取り分とクッキー(クッキー)/これは私の取り分とクッキー、これは私の……何?(クリーム)」。彼女はウインクしながらそうラップする。クセになる高速ラップも捨て難いこのセックス讃歌にしてアンセムは、今なおリゾの何たるかを体現している。彼女はこう宣言する。「あんたらの役目は私たちを楽しませること/なのにみんなゲンナリ」



4位「Coldplay」(2022年)

コールドプレイの「Yellow」のテンポを上げた、アルバムの最後を飾るジャジーなこの曲で、幸せの絶頂にあるリゾは恋人と歩んできた道のりについて情感たっぷりに歌い上げる。彼女が描くストーリーの多くはフィクションだが、この曲では2人の絆をより深めることになったトゥルムへの旅行について歌っている。アルバム前半の曲(「2 Be Loved」)では逃げたくなる気持ちについて歌っている一方 、「Coldplay」でリゾは自分の気持ちに正面から向き合い、溢れ出る感情に身を任せようとする。「悲しくなって、泣いちゃった/コールドプレイの曲を夜に歌うとダメね/あなたといる時は、音楽なしで踊るのが一番しっくりくるの」と彼女は歌う。いつになく実直でエモーショナルな「Coldplay」は、彼女の作品の中でも特別な曲の一つだ。



3位「Juice」(2019年)

コメディめいたユーモアのセンスと自信を備えたパーソナリティ、それはリゾの最大の魅力の一つだ。フロアを直撃するシンセファンク「Juice」では、彼女の代名詞である巧みなワードプレイが炸裂する。「私はおやつなんかじゃない」と言い切った上で、彼女はこう続ける。「ベイビー、私はまさにフルコース」(それは紛れもない事実だ)。80年代のプリンスを思わせる究極のパーティーアンセムにして、彼女のカリスマが滲み出るこのディスコポップは、間違いなくリゾの代表曲の一つだ。



2位「Cuz I Love You」(2019年)

デビューアルバムのタイトルトラックである「Cuz I Love You」は、アーティストとしてのリゾの多様な才能を象徴している。他の人気曲のようなパンチこそないものの、この曲では管楽器隊を擁するオーケストラの伴奏をバックに、リゾの圧倒的にソウルフルなボーカルを堪能できる。愛に飛び込む覚悟ができていると宣言した上で、彼女はフラストレーションと感情を爆発させる。「私が泣いてるのは、あなたのことを愛しているから」。この曲が説得力に満ちているのは、リゾが心の底から自分を愛しているからだ。



1位「Truth Hurts」(2017年)

この曲のサクセスストーリーに触れることなく、リゾについて語ることはできない。2017年に単発のシングルとしてリリースされた「Truth Hurts」は、リゾのキャリアの基盤を築いただけでなく、独り身であることに対する社会的価値観を変えてみせた。「たった今遺伝子検査を受けた/私がそのビッチだってことが確定」。問答無用の同曲で、彼女はそう誇ってみせる。ピアノがリードする自己認識に満ちたフックは無数の人々をエンパワーし、ラッパー兼シンガーとしてのリゾをスターダムへと押し上げた。ソーシャルメディアでのバズ(Sashaと名付けられたフルートが頻繁に登場する)、TikTokチャレンジ、Netflixのコメディ『サムワン・グレート 〜輝く人に〜』(失恋を経験したジーナ・ロドリゲスが演じるキャラクターが、このトラックに合わせて下着姿でラップする)での起用などに後押しされる形で、「Truth Hurts」は時間差での大ヒットを記録した。それ以来、この曲はセロトニン分泌促進剤として人々を笑顔にし続けている。




From Rolling Stone US.




FUJI ROCK FESTIVAL '23
2023年7月28日(金)29日(土)30日(日):新潟県 湯沢町 苗場スキー場
※リゾは7月30日(日)出演
公式サイト:https://www.fujirockfestival.com/

Translated by Masaaki Yoshida

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