EASTA & NAOtheLAIZAが語る、世代とビートとメロディの化学反応が生んだラップ作品

EASTAが「ラップスタア」で培った経験

―アルバムのハイライトといえば、「笑って生きる」というシングル曲も。ともに「ラップスタア」のファイナリストにもなったShowyRENZOさんを招いています。

EASTA ナオさんから「ビートのアイデアが欲しい」と言われたことがあったんです。そこで、この曲のビートを一緒に作っていった時に、フィーチャリング・アーティストとして思い浮かんだのがRENZOくんだった。「彼じゃないと無理そうやなあ」と思って。オファーしたら実際にスタジオまで来てくれたんですけど、レコーディング現場で、クラいましたよね。

NAOtheLAIZA そうやね。RENZOくんのスタイルは、フリースタイルなんすよ。歌詞を書かないで、そのまま録ってる。謎なんです。最初、バーっと録っていって「これで、曲として成り立つんか?」って思ったほど。

EASTA ナオさん、「イケるんか?」って顔でこっちを見てましたよね(笑)。

NAOtheLAIZA そうしたレコーディング手法は、僕も初体験だったので。「ここにこのフロウを持ってきて、次、どういくんやろ?」って常に思いながら。本人の頭の中では、すでに出来上がっている流れみたいなものがある。でも、自分にはなくて、先が読めないんですよね。彼のやり方って、ピカソみたいな感じなんちゃうかな? 抽象的っていうか。

EASTA それ、俺より褒めてるじゃないですか(笑)。RENZOくんはプロデューサーもしてらっしゃるんで、「こういうアイデア、どうですか?」ってどんどん持ってきてくれたんです。



―「笑って生きる」は、多くのリミックスが発表されたことも話題になりました。Fuji Taitoとeydenが参加しているヴァージョンもありますよね。

EASTA 「ラップスタア」のファイナリストが全員集まったらおもろいな、と思って声を掛けたんです。同じくファイナリストだったCyber Ruiだけ、タイミングが合わなかったんですけど。「みんなを集めることが出来るのは俺やな」とも思ったんです。

―今、振り返ってみて、「ラップスタア」で培った経験はどんなものがあったと感じていらっしゃいますか?

EASTA 出場してみて、プラスなことしかなかったですね。出場するまで、俺は結構尖っていたんです。でも、「ラップスタア」を経験してみて、「ヤバい」と思わせてくれて刺激をもらえる同世代のラッパーたちと知り合えたことはすごくデカかったです。eydenとかTaitoくんといった友達もできましたし。彼らのおかげで、「もっと頑張らな」と思える。そこが一番嬉しいところですね。

―「笑って生きる」のリミックスをまとめたシングルもリリースされました。B=BALL、NOTYPE 9、KESSOという三者三様のプロデューサーによるリミックスが収録されていますが、このアイデアはどこから?

NAOtheLAIZA オリジナルのBPMが、62くらいなんですよ。自分はDJ出身だし、やっぱりクラブで掛かる仕様にしたいなという思いがあって、原曲よりも踊れるリミックスを作りたかった。あと、昔は、こうしたリミックスってよくあったと思うんですよね。シングルの中にデイヴィッド・モラレスのリミックスがあったり(渡辺註:なおさんがデイヴィットと言いかけていて、デイヴィッド・モラレスかな?と思って加筆しています)、エクステンディッド・ヴァージョンが入っていたりして、めっちゃカッコよかった。そういう世代だったので、自分の楽曲でもやりたいなと。そこで、自分がDJとしても、ビートメイカーとしても好きな3名を選んでリミックスをしてもらいました。B=BALLは昔から大阪のクラブで一緒にレギュラーをやっていたんで、あいつに任せたら絶対にやばいものが出来あがろうだろう、と。「こういうジャンルがよくない?」というようなやり取りもしたんですけど、最終的にはB=BALLに任せましたね。NOTYPE 9は、EASTAとKVGGLVがやっているユニット、SUMMER SNOWMANのメイン・プロデューサーでもあるんです。

EASTA NOTYPE 9はスイッチのオン&オフが激しいやつなんですけど、今回はいつもの3倍くらい気合い入ってるなと感じましたね。そこが嬉しかったです。彼はダブステップ出身なんですけど、今回のリミックスを聴いて、もともと得意としていたスタイルに戻ってきたような感じもあります。

NAOtheLAIZA KESSOくんは僕から声を掛けたんです。Tokyo Young Visionのレコーディングをしているときに、彼らKESSOくんのビートを使っていて、めっちゃかっこいいなと思っていた。スタジオに遊びにきた時にリンクして、機会があったら一緒にやろうと話していたんです。

EASTA 実際にクラブで聴くとめっちゃハマるんですよね。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE