アジカン後藤正文のサマーソニック談義2023 多様性に富んだフェスの見どころ

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後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)がホストを務めるSpotifyのポッドキャスト番組『APPLE VINEGAR -Music+Talk-』では、つやちゃん、矢島由佳子、小熊俊哉(本誌編集)というレギュラー陣に、ときにはゲストも交えながら、ユニークな視点で音楽トピックや楽曲を紹介している。昨年に引き続き同番組との連動企画で、2大洋楽フェスをテーマに音楽談義。注目すべき出演アーティストなどについて4人で語り合った。こちらはサマーソニック編。

※編注:本記事のポッドキャストは今年5月に収録



後藤:アジカンとして昨年も出演しましたが、サマソニにはいろいろな思い出があります。海外アーティストの楽屋にもたくさん行きましたし、オアシスの打ち上げに参加させてもらったこともありますね。2005年に「SUMMER SONIC EVE」というイベントが名古屋で開催されて、オアシスの前座をアジカンが務めたんです。当時のオアシスは、フロントアクトを決める前にノエル・ギャラガーがちゃんとチェックしていたらしくて。最初は別のバンドが予定されていたんだけど、ノエルが「こいつらはイヤだ」ということで地元の僕らが呼ばれたみたいです。そしたら打ち上げにまで呼んでもらって。ちょうどその日はアンディ・ベルの誕生日で、「パーティーをやるからお前らも来いよ」という感じで誘っていただいたんです。

矢島:打ち上げはどんな感じだったんですか?

後藤:みんな和気あいあいで楽しそうに呑んでましたよ。ゲム・アーチャーもいたので、彼に「ヘヴィー・ステレオ時代からのファンです」と伝えたりしつつ話し込んでいると、ノエルがこっちに来て「お前らはカンフー・ガイじゃないか! カンフーできるのか?」と訊かれて。できないよと答えたら、なんだよーみたいな。

3人:(笑)。

後藤:僕らが緊張していたから、ほぐしに来てくれたんだと思うな。ノエルはかなり機嫌がよくて、僕は持参したオアシスの1stアルバムにサインしてもらいました。それからリアムに、このアルバムでいかに人生が変わったかを伝えたら、ガシッと抱きしめてくれたうえに、「お前はお前のロックンロールを鳴らし続けろよな!」と言ってくれて。バンドを頑張ってきてよかったなと思いました。

矢島:メチャクチャいい話!



後藤:そんなリアム・ギャラガーも出演する今年のサマソニだけど、彼とヘッドライナーのブラーは違う日に出演するんですよね。調整がつかなかったのかな?

矢島:本当は「リアム→ブラー」という流れにしたかったけど、ブラー側から「絶対ダメ」と言われたって、クリエイティブマンの清水(直樹)社長がラジオで話してました(笑)。「ノエルならいいけど」とも言われたらしくて。

後藤:なるほど。ノエルはゴリラズの作品に参加しているし、最近はデーモン・アルバーンとも交流がありますもんね。ブラーは万全のコンディションで来日してほしいな。2014年の前回来日も行ったんだけど、正直、演奏はやや物足りなかったんだよね。だからこそ、今回は絶好調の彼らを観てみたい。



小熊:今年1月に出演がアナウンスされたときは「このタイミングでなぜ?」とも思いましたが、8年ぶりの最新アルバム『The Ballad Of Darren』が7月21日にリリースされることが先日発表されてから、期待値が一気に上がった感じがします。

後藤:「The Narcissist」という新曲は予想以上によかったです。

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