モー娘。15期メンバーが語る、躍動と成長の理由

モーニング娘。’23:左から山﨑愛生、北川莉央、岡村ほまれ(Photo by Rika Tomomatsu)

5月には17期メンバーの井上春華と弓桁朱琴が加入、秋にはリーダーの譜久村聖が卒業という激動の狭間にいるモーニング娘。’23が、正に「シン・モーニング娘。ここにあり!」と言わんばかりの凄味を見せつけたのが、6月の「モーニング娘。’23 25th ANNIVERSARY CONCERT TOUR glad quarter-century~at 日本武道館」だった。結成25周年を記念し、1998年のメジャーデビューから各年1曲以上をセレクトしたメドレーを含め、全45曲を披露。そのなかでも強烈に印象に残った15期の3人、北川莉央、岡村ほまれ、山﨑愛生に今回インタビューを実施。誕生25周年を記念したアルバム『モーニング娘。ベストセレクション〜The 25周年〜』の話も含めて、15期の「今」を掘り下げた。

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—6月26日に開催された武道館コンサートを拝見しましたが、15期が躍動していたことに感動しました。

一同:ありがとうございます!

—15期で加入して1年経たずにコロナ禍になり、ツアーが中止になったり、声出しできなかったり、普通じゃない状況が長く続いていましたが、先日の武道館で「やっと戻って来た、モーニングが!」と心の底から実感しました。当事者である皆さんものびのびと力強くパフォーマンスしていたと思いますが、まず武道館を振り返ってみてどうですか?

北川:50%とか85%の収容率ではなく、久しぶりに100%のキャパでお客さんを迎えることができました。武道館の100%は、私たち初めて観たんですよ。ペンライトが密集している感じとか、今までライブ映像で見ていた景色をやっと生で観られて、ファンの方の大きな声援がイヤモニをしてても聞こえて。素直に立てたことがうれしい!っていうのが、まず一番にありました。

岡村:私は普段のハロー!プロジェクトのコンサートの、メインステージからセンターステージに出て行く姿がかっこよくて好きだったんですね。その状態にようやく戻ったというか、ツアーファイナルっていう点で言うと、コロナ禍前の代々木(「モーニング娘。’19コンサートツアー秋 〜KOKORO&KARADA〜FINAL」)以来のステージセットで。あと、誰も卒業しない武道館が初めてでした。最近は先輩を見送ってたイメージがあったんですけど、今回はそれも違ったのがうれしかったです。

山﨑:ステージの場所によってはお客さんとの距離が近くて、マスクも外せるから表情を間近で見ることができたのもすごく楽しかったです。声援が解禁されたときも「愛生ちゃん〜」ってコールが入るとうれしかったんですけど、会場が倍の広さになって、お客さんの大きい声を聞くことができました。個人的にはコンサートの2日後が誕生日だったので、17歳最後のステージが武道館ってかっこいいなと思いながらやってました。



—武道館では久しぶりの、段差を使ったステージのフォーメーションも見られたし、コロナ禍の360度ステージももちろん良さはありましたけど、従来のステージセットの方がモーニングのカッコよさが活きるなと思いました。

岡村:通常のステージだったら、後ろを向いて段差を上がる時とか、ひどい顔をしてる時が時々あるんです(笑)。でも360度ステージだと、全部お客さんに見られてしまうので、いつでも可愛い顔をしていなきゃいけない。あとはリハーサルが本当に大変でした。自分がどこにいるのか分からなくなってしまうので。

北川:いつもはセンターステージの自分の番号を覚えればいいだけなんですけど、360度だと、例えば「2番」だけでも8カ所あるので、どこにいるか分からなくなってしまうんです。だからライブを楽しむっていうよりは、位置を間違えないってことに意識が向いてしまって、でもそうすると今度は歌詞や歌割を飛ばしちゃったりするので、「気をつけなきゃ」って緊張感が凄いんです。ファンの方ともうちょっとコミュニケーションがとれるはずのステージだったのに、それが十分できなかったと思ってます。だから今回従来の形に戻れて自分の気持ちも軽くなりましたし、お客さんとのコミュニケーションをいっぱい取れるようになってよかったです。

—コロナ禍では、武道館でやるときは360度ステージで、地方公演では普通のステージだったんですか?

北川:そうなんですよ。地方では、今回のメインステージみたいな感じでやってました。

山﨑:武道館だけ違う感じでした。

岡村:ほぼ1から作り直さなきゃいけないんですよね。

山﨑:段差があると同じ番号でいいわけじゃないですか。1階の3番と3階の3番、同じ3番でフォーメーションが組める。それが360度になって平らなステージになると同じようには行かないので、頭がこんがらがってました。

—ツアーの集大成を武道館でお披露目するってことが多いと思いますが、武道館だけステージセットが異なると大変そうですね。集大成というより、新たな公演というか。

北川:新しいコンサートみたいな感じでした。

—今回はそうではなく、武道館でも他の公演と同じセットでできて、本当の意味でのツアーの集大成を見せられた。

岡村:はい。余裕を持ってできた気がします。

—MCで岡村さんが「今日ステージに立って声援の中でライブをして、自分はアイドルなんだって実感を持てた」といった内容のことを言っていましたが、やっぱり特別な気持ちになりましたか?

岡村:自分がお客さんの声を聞けたのは、バースデーイベントが最初だったんです。今回、歌にコールがあるのを聞いたときに「久しぶりだな」って思って。アイドルをしててコールがないって、普通だったらあんまりないじゃないですか。やっぱりそれってちょっと寂しいんですよね。ハロー!プロジェクトの曲はコールありきの曲が多いので、それがないだけで全然雰囲気が変わるし、自分たちだけが歌っててお客さんは拍手でしか応えられない状況に、どこかもどかしさを感じていたというか。でも今回はファンの皆さんの声からも、前へ前へって姿勢からも、いい意味で圧を感じて。それありきのアイドルだなっていうか、皆さんと一体感が作れてこそ素敵な光景になるのかな、と思いました。心で一つになれた感があって、すごく素敵な思い出になりました。

山﨑:コロナ禍の間に発表した曲もあったから、どういうコールになるんだろうって思ってたけど、声援ありでやってみて、「ここで名前のコールが入るんだ」とか、「ここは拍手のままなんだ」とか、新たな発見がありました。今回初めて聞けた有名なコールがあったり、今まで感じたことのない感情になって楽しかったです。

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