アイドラが語る評価よりも大事なこと、セオリーに縛られない音源制作

I Don’t Like Mondays.(Photo by 雨宮透貴)

ここ2、3年でI Don’t Like Mondays.(アイドラ)ほど、次々に新しいトライをしてきたバンドはいない。元々は洋楽に強い影響を受けており、自身の楽曲にも昇華してきたが、コロナ禍になりJ-POPの歌モノをメインに作るようになる。そして今、彼らは最も強い影響を受けている80年代の洋楽サウンドに立ち返り、ニューアルバム『RUNWAY』を完成させた。現在WORLD TOUR中で、新曲を披露すると各国のファンから高い評価を受けている。一体、彼らはどんな変遷を経て、今の境地に辿り着いたのか? その道程と現在の曲作りに対する想い、バンドとしての矛先を探った。



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─僕が皆さんと最後にお会いしたのは、2020年の「ミレニアルズ 〜just I thought〜」リリースの頃でした。作品のインタビューなのに、アイドラを「オシャレ系バンド」と紹介するメディアに対して僕が憤慨するっていう。

一同:アハハハ!

CHOJI:それ、覚えてますよ(笑)。

YU:嬉しかったよね。

─それ以降も楽曲をコンスタントに発表し、その度に新しい側面を見せていて。そういうバンドって、他にいないと思うんですよね。今回は最新アルバム『RUNWAY』の話もそうですし、この3年でアイドラがどんな変化を経て現在に至るのかを聞きたいと思います。まずは前作『Black Humor』を作られて、どんな手応えを感じました?

YU:自分たちも時代に適応していかなきゃいけない、という真っ只中だったんですよね。コロナで人前に立つことができなくなり、生活がガラッと変わった。その上で自分たちがやれることや、こういう時だからやりたいと思うことは何か? そこに集中して曲を作っていました。だから、ああいうアルバムを今作ろうとしても絶対できない。

─真面目でリリカルな歌詞が多くなりましたよね。

YU:それが一番の変化だと思いますね。僕らの音楽ってどちらかと言えばハッピーというか、みんなで騒ぐ曲が中心だったんです。それが強制的にできなくなった中、僕は何を書くべきなんだろう?と。これまでだったら、言葉の意味よりもサウンドが一番生きる語感のいい歌詞を入れていたんですけど、それも変えるべきだなと思った。僕の思想とか考えとか、生きてる中で感じたこともそう。普段だったらあまり人に言いたくないようなことを、あえて歌にしていこうと考えました。で、やってみたらスッキリしたんです。自分の中で溜まっていたものを、ちゃんと出せたから。自分の作詞をしていく人生の中で、『Black Humor』は本当に大きいアルバムでしたね。

Rolling Stone Japan 編集部

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