「ツタロックDIG LIVE Vol.13」、注目の若手バンド13組が繰り広げた熱狂のライブ


KALMA(Photo by 木下マリ)

ドラムカウントと畑山悠月(Vo&Gt)の叫び声でライブをスタートさせたのは、北海道出身の3ピースロックバンド、KALMA。ステージを動き回りながら鳴らす太いベース、躍動感とともに力強く叩かれるドラム、ギターをかき鳴らしながら開放的に歌う畑山。疾走感あるパンク曲「隣」では観客たちの手が一斉に天にあがり、途中マイクを通さず歌い観客たちとシンガロングするシーンも。「俺らが一番格好いいんで、一番になりにきました」と力強く宣言すると、「ねぇミスター」では客席でサーフが起こるほどの熱気に生まれた。「1分間の君が好き」では、途中ベースのシールドが抜け音が出ない場面もあったため、2回演奏し、さらに熱を上げていった。「年上の、お前」「アローン」とエネルギーある演奏とともに聴かせる楽曲でまた違う熱狂を作り、最後は「またライブハウスで会いましょう!」とサマーチューン「夏の奇跡」で再びサーフが起こるほどの熱を生み出し30分のステージを終えた。


ブランデー戦記(Photo by 木下マリ)

続いてCOSMIC STAGには、大阪発の3ピースロックバンドのブランデー戦記が登場。3人で向かい合い拳を合わせると、厚みのあるギターリフから「Kids」でライブをスタートさせた。跳ねるようなベースと蓮月(Vo&Gt)の抒情的な歌い方が印象的な「黒い帽子」をじっくりと聴かせると、「サプリ」「ストックホルムの箱」「水鏡」では蓮月の弾き語りからバンドサウンドへとつながっていき、ノイジーなエフェクトがかったギターがアクセントとなり、疾走感を見せるなど曲ごとに変化を見せた。MCでは、この日、1st EP『人類滅亡ワンダーランド』がリリースされたこととSHIBUYA TSUTAYA店頭キャンペーンなどを発表し、MVが公開1ケ月で100万回再生を突破し、彼女たちを世に知らしめた「Musica」を披露。最後は「僕のスウィーティー」で楽器を思い切りかき鳴らしてライブを締め括った。


bokula.(Photo by 清水舞)

MASSIVE STAGEには、広島県広島市を拠点に活動しているロックバンドbokula.がリハーサル段階から観客を巻き込み全力で演奏を披露、本番さながらの盛り上がりを見せた。準備ができ再登場すると、この日1番の拍手が起こる。「2021年11月6日、あっちの(サブ)ステージでした。今年2023年、こちら(メインステージ)にきました!」とバンドの進化をえい(Gt.&Vo.)が告げると、エネルギッシュなロック曲「愛してやまない一生を. 」「足りない二人」で会場の温度をさらに上げた。ツタロック主催者の名前を述べて感謝を伝えると、「この戴いた30分大切にします。よろしくおねがいします」と「夏の迷惑」へ。彼らの誠実で前向きなエネルギーに観客たちも比例するように熱を帯びていく。「あなたと一緒にライブを作りにきたので一緒に声を出してほしい」と観客に伝え、シンガロングが発生したり、「最高だよ」など声がかかると、それに応える双方向的なライブ空間を創り上げた。最後はギターを客製の観客に渡し、サーフが多発する中で最高潮の熱を更新してライブを終えた。


Organic Call(Photo by 木下マリ)

COSMIC STAGE には、Organic Callが登場。リハーサルで熱をあげると、その勢いのまま「ハッピーエンドロール」でライブをスタートさせた。多幸感のあるサビのメロディとヒラタナオヤ(Vo&Gt)のヴォーカルでのっけから観客たちは手をあげて一体感が生まれている。「気持ちはメイン(ステージ)に1mmたりとも負けてねえぞ!」とヒラタが熱を入れて叫ぶと疾走感に満ちたロック曲「Blue」へ。メンバーのハーモニーの上でのヴォーカルが美しい「海が見える街」、ミドルテンポの「Night Forever」ではラップのような歌い方も混ぜ込み、それまでの雰囲気と一転させた。MCで「いつかメインで呼ばれるまで突っ走ります。俺たちは1人1人の人間であって、全部理解できることはないと思う。でも大事にすべきものを大事にして歩み続けていって、またライブハウスで会いましょう」と語り、「最後の愛」「愛おしき日々たちへ」と歌ってステージを後にした。

Rolling Stone Japan 編集部

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