テデスキ・トラックス・バンドが語る来日の抱負、夫婦の絆、クラプトンやジェフ・ベックへの敬意

 
デレクとスーザンの絆、最近のお気に入り

─スーザンとも結婚して20年を過ぎましたね。ふたりのお子さん、チャールズとソフィアもすっかり大きくなりましたが、それぞれどんな子に育ちましたか?

デレク:二人とも独立しているんで、家は僕とスーザンの二人だけさ。息子はフロリダ州タラハシーの州立大を12月に卒業するし、娘はセントラル・フロリダにいる。二人とも頑張ってるし、いい子に育ってくれたよ。彼らは音楽はやらないが、聴くのは好きで、いい趣味をしてるよ。息子は金融系に進むので、僕が倒産しないように助けてくれるかも(笑)。僕はそっちがからっきし苦手なんでね。娘はドッグトレーナーになろうと真剣に頑張っている。

─そもそもあなたは、スーザンのどんなところに惹かれたのでしょう? これだけ長く続いてきたところを見ると、よほど相性が良いカップルなんだろうと思うのですが。

デレク: 初めて彼女を観たのは、ニューオーリンズのセンガー・シアターでオールマン・ブラザーズの前座を彼女が務めた時だ。その時、彼女と組んでいたのはクリス・レイトンとトミー・シャノンのダブル・トラブル(スティーヴィー・レイ・ヴォーンと活動を共にしていたバンド)。サウンドチェックを観ながら「さっき楽屋で会った女性と同一人物なのか? 声が全然違うしこんなにパワフルなんて」と驚いた。そのうち彼女と話をするようになり、好きな音楽は何か訊いたら、マへリア・ジャクソン、マジック・サム……って言うじゃないか! そのツアーの数カ月前、僕はある女性と別れた直後だったんで、バンドの連中に「一人の方が気楽でいい。ジョン・コルトレーンやマへリア・ジャクソンを聴いてる女性にでも出会わない限り、僕は一生独身を貫く」と冗談で言ってたんだ。だからヨンリコに電話をして「マズい! 条件に合う人を見つけちゃったみたいだ!」と言ったんだよ(笑)。

僕らはいろんなところで気が合うっていうか、二人ともツアー生活がどういうものか理解できているし、それに身を捧げているところも一緒なので、互いに認め合える関係なのが大きかった。二人ともスポーツ好きで音楽好き。ラッキーだよ。結婚して24年になるが、ロックンロールの年月で換算すると115年かな?(笑)。ここまで続けてこられたけど、これからも良くなると思いたい。僕らのような旅ばかりの生活だと、一触即発な部分もあった。24年の間、常に楽だったわけじゃないよ。でもここ5〜6年は、おかげさまでとてもいい感じなんだ。


Photo by David McClister

─何度も日本公演を行ってきましたが、特に印象に残っているライブは?

デレク:いくつもあるけれど、やっぱり初めて来た時かな。何事も初めてっていうのは、驚かされることばかりだ。あとはクラプトンとの日本公演をとてもよく覚えている。あの時、子供たちを連れてきてたんだ。初めて子供達と行ったときの日本での写真は、今も家中に飾ってあるよ。その時に出会った素晴らしい友人たちとは今も付き合っているし、日本へ戻れるのをいつも楽しみにしている。素晴らしい経験、コンサート……必ず訪れるバーも何軒かある。メンバーやクルーから一番尋ねられる質問は「いつ日本に行くの?」だよ。実際、日本へ行く予定があったのにパンデミックでキャンセルになっていたので、ここまで間が空いてしまったのは初めてだ。なので、10月をみんなとても楽しみにしているよ。

─あなたは非常に幅広い音楽を聴くリスナーであることも知られています。ここ数年で新たに発見したミュージシャンや、共演してみたい相手はいますか?

デレク:共演に関しては分からないな。というのも、好きになるのは大抵30年前のアルバムだったり、もうこの世にいない人だったりするから(笑)。ついこの間、ジギー・マーリーとツアーを回ったんだけど、彼のギタリストの一人からバニー・ウェイラーの『ブラックハート・マン』(1976年)を教えられて。今まであれを聴いたことがなかったなんて、自分が信じられなかった。最近はそのアルバムをずっと聴いてるよ。あと、マイク・マティソンから教えられたタブ・レイ・ロシュロー。コンゴのアーティストで、強烈な声の持ち主だし、ギターも物凄いグルーヴなんだ。このアルバムをよく聴いてるよ(『The Voice Of Lightness, Vol. 1: Congo Classics 1966-1977』のジャケットをこちらに見せる)。先月あたりはその2枚をヘビロテしていた。

新しい音楽はいつも聴いている。共演相手に関しては、ツアーでたまたま一緒になって共演することも多いよ。曲を書くってことだと、聴いてきた音楽が一緒の、昔からの友人や知り合いとやることが多いのかな。ドイル・ブラムホールII、オリヴァー・ウッドといった、これまでにも曲を書いてきた人たちとね。でも、新しい意見にはいつも耳を傾けたいと思っているよ。







テデスキ・トラックス・バンド来日公演

10月18日(水)TOKYO DOME CITY HALL
18:15開場/19:00開演
チケット:S席¥12,000、A席¥11,000

10月20日(金)TOKYO DOME CITY HALL
18:15開場/19:00開演
チケット:S席¥12,000、A席¥11,000

10月21日(土)TOKYO DOME CITY HALL *SOLD OUT
16:15開場/17:00開演
チケット:S席¥12,000、A席¥11,000

10月22日(日)TOKYO DOME CITY HALL *追加公演
15:00開場/16:00開演
チケット:S席¥12,000、A席¥11,000

10月24日(火)Zepp Nagoya
18:15開場/19:00開演
1F 指定席 / 1F 後方スタンディング / 2F 指定席 ¥12,000

10月25日(水)あましんアルカイックホール
18:15開場/19:00開演
チケット:S席¥12,000、A席¥11,000

公演ページ:https://udo.jp/concert/ttb2023

Translated by Kyoko Maruyama

 
 
 
 

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