BLUE ENCOUNTが語るバンドとしての命題、"前向きだけどせつない"最新曲

BLUE ENCOUNT

BLUE ENCOUNTが、シングル作品『アマリリス』をリリースした。表題曲は、TVアニメ『MIX MEISEI STORY 〜二度目の夏、空の向こうへ〜』オープニングテーマで、美しくセンチメンタルなギターが印象的なサウンドとなっている。2度目の日本武道館公演、アメリカで開催されたアニメイベント「Anime Next」への出演などを経て、どのように楽曲制作に向かい合っているのか、その変化や本作の誕生についてなど話を聞いた。

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―コロナ禍を経たうえで、BLUE ENCOUNTとしてライブをしている感触や見え方はどうでしょうか?

高村:コロナ禍を経てなのかは分からないですが、ライブ中のマナーについての話しはSNS上などで見ますよね。難しい問題だよなと思いつつ、全員の問題を解決するのはできないとも思っていて。よっぽど何かが進化しないと無理でしょうし、答えは無いものだと思っています。

江口:モッシュやダイブなどの話題も持ち上がりますけど、結局それはコロナが流行る前からあった話題ではありますよね。ダイブとかしてほしくないお客さんもいれば、暴れたいお客さんもいらっしゃって、そこは変わってないんじゃないのかなと。やってる側からすると、モッシュやダイブをしているお客さんを見ているのは見ていて爽快ではありますし、ホールの座席ありの会場でライブをやるのも僕らは好きなので、お客さんそれぞれがその日楽しめるように楽しんでもらえればと思ってます。

田邊:そこらへんはいまも昔もルールを作ってはいないので、「いつもの感じに戻ってきたな」という感じですね。ステージに立ってる人間としては、モッシュやダイブとかではなく、一緒の空間・時間のなかで音楽を歌えてる、楽しめているという事実が、なによりもライブの醍醐味で。それが戻ってきたことが何よりも嬉しいという気持ちが強いです。

―2月には自身2度目となる日本武道館公演がありました。BLUE ENCOUNTにとってコロナ禍以降の新しいスタートになったんじゃないでしょうか。

田邊:そうですね。武道館で、主催ワンマンライブでの声出しを解禁したんです。一発目の歓声を浴びた瞬間……「これによって僕らは生かされてたんだな」と感じて。無観客ライブや配信ライブ、マスクしてみんな何もしゃべらずに楽しんでもらうとか、創意工夫をしてやってきましたけど、やっぱりあの歓声に勝るものはなかったんです。だからといって"昔の自分たちに戻った"というものではなく、この尊い存在(ファンのみんな)をもっと良い景色に連れていきたいという展望に変わったんですね。「もっといろんな場所で、この人たちと俺らの音楽を通して一緒に歌っていけたらな」という作り手としての感覚を掴んだことが、武道館ライブ以後の制作意欲にも繋がったんです。

―「制作意欲につながった」というのは、ファンの皆さんを新しい場所に連れていくための新たな武器、新たな楽曲への制作へ繋がっていったということでしょうか?

田邊:おっしゃる通りです。その後にベースの辻村がアメリカで活動をしたいということで、新しいスタイルでバンド活動をしていくことになったわけですが、僕らは日本とアメリカそれぞれに違った拠点で活動していくことになりました。僕ら以外にもさまざまなロックバンドが色んな形で制作活動していますが、なんにせよミュージシャンたるもの一番大事なのは「曲」じゃん?という話しになったんですよ。

―なるほど。

田邊:それに、どこからでも音楽を耳にすることができる現在の世界のなかで、自分たちの音楽をいかにみんなに聞いてもらえるか?一発で聞いてもらえる曲を作れるか?という話にもなったんです。今までだと「ライブで映えてないとダメ!」とか「CDショップで注目されるには?」みたいなことを考えてましたけど、一個一個未来にも残っていくもの、一つの作品としてリスナーの耳に届けたい気持ちがより強くなってます。妥協なく、考え込むくらいに作っていきたいという気持ちがほんとに強くなっていて、今までは聞いてもらいたいお客さんがロックシーンの人たちだったけれども、そこがまるで変わった感じがします。

Rolling Stone Japan 編集部

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