ブリング・ミー・ザ・ホライズンのオリーが語る「NEX_FEST」の全貌、エモの原体験

ブリング・ミー・ザ・ホライズン:中央がオリヴァー・サイクス(Vo)

2019年のアルバム『amo』、2020年のEP『POST HUMAN: SURVIVAL HORROR』と2作連続で全英チャート1位を獲得し、ロック・シーンのトップに登り詰めたブリング・ミー・ザ・ホライズン。4枚のEPシリーズである『POST HUMAN: SURVIVAL HORROR』に続く、2作目のEP『POST HUMAN: NeX GEn』のリリースが延期になる中、11月3日にはバンド主催の音楽フェス「NEX_FEST」が日本で行われる。オリーことボーカルのオリヴァー・サイクスに、NEX_FESTのこと、新作のことを語ってもらった。

【写真を見る】英ローリングストーンで表紙を飾ったブリング・ミー・ザ・ホライズン

ー前回の来日からコロナ禍を挟んで、4年振りにやっと日本に戻って来れますね。

オリー:前回日本に行ったのは2019年だからね。すごく楽しみにしてるよ。今回、日本にはライブの前に2週間プライベートで行く予定で、京都、富士山とかいろいろ回ろうと思ってる。日本という国をもう少し体験してみたいんだ。もちろんライブの方もめちゃくちゃ楽しみにしてるよ。1日目のショーはソールドアウトになったらしいね。BABYMETALのような人気バンドを迎えて、日本でヘッドラインのフェスをやるのは夢だったんだ。他にもいろいろなバンドが出てくれるから楽しみだよ。イベントで出演アーティストを選ぶのって大変なことなんだけど、日本には僕が好きで聴いてるバンドはすごく多いから、「このバンドをラインナップに入れたい」「このバンドも入れたい」って感じで、すぐに決めることができたんだ。

ーNEX_FESTですが、イベント名の中に「NEX」を入れたのはこれが初めてですか?

オリー:このイベントが最初だ。今度出すレコードのタイトルが『POST HUMAN: NeX GEn』だからね。ダウンロード・フェスティバルでやった時もそうだけど、NEX_FESTは普通のライブにはしたくないんだ。よりインタラクティブな要素を入れたいし、EPのストーリーだけでなく、EPの背景に込められた記号論とか、よりディープな意味も盛り込んでるんだ。ファンにはそういうものを見つけてほしいね。イベントの名前に「NEX」を入れることで、『POST HUMAN: NeX GEn』を表現したかったんだ。

ーダウンロード・フェスティバルの話が出ましたが、ステージ上には巨大な2階建てのプラットフォームを設置して、教会の内装のようなビジュアルでしたね。日本でやる時も同じようなステージを考えていますか?

オリー:できる限りダウンロード・フェスティバルのビジュアルに近いものを持っていきたいし、さらに違う要素も入れたいと思ってる。今ライブで見せてるストーリーは去年スタートしたもので、ツアーをやりながらこのアイデアを広げていって、「AIが悪の存在になる」というコンセプトを試してるところなんだ。だから、その意味をもっと理解できるように、『POST HUMAN: SURVIVAL HORROR』のストーリーと『POST HUMAN: NeX GEn』のストーリーをまとめて持っていこうと思ってる。



ーNEX_FESTのアイデアが出てきた時、出演アーティストはどのように選んでいきました?

オリー:さっきも言ったように、ラインナップを選ぶのは簡単だったよ。BABYMETALとは長い間一緒にライブをやろうという話をしてたんだ。Paleduskは大好きなバンドだし、メンバーのDAIDAIはイギリスに来て、僕と一緒に曲を作ってる。DAIDAIの作る曲は好きだし、日本で会えるのを楽しみにしてるんだ。I PREVAILはアメリカから呼ぶんだけど、日本で一緒にライブをできたらいいなってずっと思ってた。YUNGBLUDは仲がいいし、曲もライブも一緒にやってきた仲でもある。YOASOBIはすごく人気のあるJ-POPのアーティストだよね。マキシマム ザ ホルモンは僕たちが初めて日本に行った時に(2009年)、彼らのアリーナ・ツアーをサポートしてるんだ。彼らに出てもらえるのもすごくうれしい。

「AmEN! (Feat. Lil Uzi Vert And Daryl Palumbo Of Glassjaw)」 ※DAIDAIが編曲を担当



ーYOASOBIのAyaseさんはブリング・ミー・ザ・ホライズンの大ファンらしいですよ。

オリー:そうそう。PaledukのDAIDAIから話は聞いてる。それもうれしいよね。このフェスはどの出演者もオルタナティブなんだけど、多様なスタイル、多様な音楽を表現してるし、ヘヴィなものからライトなものまでいろいろあるんだ。でも、それこそがフェスのあるべき姿だと思うんだ。面白いことになると思うよ。

ー2021年に「DiE4u」を出した時、この曲は『POST HUMAN』シリーズの第2章の始まりだと話していましたが、「DiE4u」「sTraNgeRs」「LosT」「AmEN!」と、これまでに4曲新曲を発表していますよね。この4曲は次の新しいEPに収録されるんでしょうか?

オリー:どの曲も次の『POST HUMAN: NeX GEn』に入るよ。「DiE4u」を出してからずいぶん時間が経ってしまったけど、「DiE4u」も新しいEPのストーリーとヴァイブスの一部なんだ。それにもうすぐニュー・シングルのリリースも控えてる。制作に時間がかかってるのは、いろいろ行ったり来たりしてるからなんだ。3カ月間スタジオにこもって制作するのと違って、僕たちはずっとツアーに出てるし、フェスの主宰もしてるし、時間を見つけて制作を終えるのが難しいんだ。どの曲も特別なものだし、どの曲にも立ち位置みたいなものがある。ライブでやらないような曲は出したくないし、ライブでやる時はやる価値のある良い曲でなくてはならない。歳を重ねて曲が増えてくると、難しくなってくるんだよ。常に新しい要素を入れ続けなきゃいけないし、前に進み続けなきゃいけないから。


『POST HUMAN: NeX GEn』アートワーク



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