デフ・レパードが語る、モトリー・クルーとのジョイントツアー、ライブ・バンドとしての誇り

70年代の音楽の「入口」になるアルバム

―実際、あなた方の生のコーラスワークは素晴らしいし、確かにそれは特筆すべき点ですよね。ところで、何年も前から「ロックは死んだ」などと言われてきましたが、あなた自身はどう考えていますか?

フィル:物事には何でも流行り廃りがある。今、アメリカではカントリー・ミュージックの力が強大なんだ。ただ、確かにロックから離れてそっちに向かう人も多いけど、ロック・フェスティバルに出掛けてみると、ロック・ミュージックが健在であることがわかる。俺たち自身、ヨーロッパであちこちのフェスに出てきたし、それを実感してきたんだ。ロックはまだまだ死んでなんかいない。俺たちがやっている音楽は、幸いなことにまだとても人気があるようだよ(笑)。



―たとえば、次代のデフ・レパードやモトリー・クルーになりそうな存在として、あなたの目にとまっている若い世代のバンドはいますか?

フィル:正直なところ、心当たりはない。常に目を光らせてはいるんだけど、圧倒的な何かには久しく出会っていないな。そんな中、最近のバンドですごく可能性があると思えたのはザ・ストラッツだね。彼らはすごくクールだ。問題は、何もかもすでにやり尽くされていることなんだ。歌詞で語るべきことだって出尽くしている。だからこそみんな、新しいタイプの音楽、何かと何かが融合したような音楽に惹かれがちなんだと思う。完全に新しいもの、過去に前例のないフレッシュなものを求めるのは難しいことだと言わざるを得ない。だけどガンズ・アンド・ローゼズがハード・ロックとパンクの要素を兼ね備えていたり、ニルヴァーナに70年代のパンクの要素があったり、エアロスミスとRUN DMCがロックンロールとヒップホップを融合させた例があったりしたように、新鮮な何かというのは出てくるはずさ。テイラー・スウィフトが元々カントリーの領域から出てきたのに、今や絶対的なポップ・アーティストになっているのと同じようなことが、ロック・ミュージックにだって起きるかもしれない。

―なるほど。最後にひとつだけ僕個人の意見を言わせてください。僕が若い音楽ファンにデフ・レパードを聴くことを薦めたい理由のひとつは、ことに『Diamond Star Halos』のようなアルバムを聴き込んでいくと、その背景にある70年代のさまざまな音楽を掘り下げていくことにも自然に繋がっていき、楽しい音楽の旅を楽しむことが出来るところにあるんです。

フィル:君の意見に完全に賛同するよ。あのアルバムでは自分たちのヒーローを讃えているんだ。デヴィッド・ボウイ、クイーン、ピンク・フロイド、そしてエルトン・ジョンの要素も入っている。すべてが詰まっているんだ。もちろんTレックスやローリング・ストーンズもね。そういったすべてのバンドを心に思い浮かべながら作ったものなんだ。そういった要素すべてがここには詰まっているし、その意味でも良い“入口”になり得るアルバムだと自負しているよ。

―その言葉を聞けて、とても嬉しく思います。今日は貴重な時間を割いていただきありがとうございました。

フィル:こちらこそありがとう。日本で会えるのを楽しみにしているよ!

<INFORAMTION>


11月3日(金・祝)Kアリーナ横浜
出演:Mötley Crüe (Closing)/ Def Leppard
OPEN 15:30 / START 17:00
■TICKETS  SS席¥24,000・S席¥18,000・A席¥15,000(各税込/全席指定)

11月4日(土)Kアリーナ横浜
出演:Def Leppard (Closing) / Mötley Crüe
OPEN 15:00 / START 16:30
■TICKETS  SS席¥24,000・S席¥18,000・A席¥15,000(各税込/全席指定)

※各公演共にGOLD TICKETはSOLD OUTとなっています。

<問>クリエイティブマン 03-3499-6669
公演オフィシャルサイト:https://www.creativeman.co.jp/artist/2023/motleycrue_defleppard/

Translated by Mariko Kawahara

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