GOOD BYE APRILが語る林哲司とのタッグ、80sソウル・ミュージックへのアプローチ

―「BRAND NEW MEMORY」の次の作品となる今回の新曲「サイレンスで踊りたい」には、どのようにして行き着いたのでしょうか。

倉品:「BRAND NEW MEMORY」をリリースしてからも、新しいデモをたくさん作っていたんですよね。常々、新しい曲を発表するにあたっては、自分たちが脱皮できるような新しいチャレンジをしたいって気持ちがあるんです。「BRAND NEW MEMORY」もある種そういう捉え方でした。それで、この曲に続く次の新しいチャレンジってなんだろうなって考えた時、80’sソウル・ミュージックという、日本のシティポップというよりも、もっと洋楽的なアプローチだったんです。



―それはバンド・メンバーみんなで話し合ったんですか?

倉品:そうですね。スタジオで曲を作りながら、そういう話をいっぱいします。音を鳴らさずにしゃべっている時間がけっこう長いんですよ(笑)。

延本:80'sソウルというのもそうなんですが、ライヴで映える曲を作りたいなって思っていたんです。「BRAND NEW MEMORY」もテンポ感はあるんですが、純粋にいい曲なのでお客さんがしっかり聴いてくれる曲だと思うんです。だから、それよりももう少しライヴで熱量が上がる曲を作りたいという流れもありました。

―たしかにすごくアッパーでライヴ映えしそうな曲ですね。

延本:今のところ、「missing summer」という曲が、私たちの中では一番ライヴを盛り上げてくれるんです。ただ、「missing summer」がプラスのエネルギーを持って初めてライヴに来てくれた人でもグッと掴める感じだとしたら、「サイレンスで踊りたい」は刺す感じというか、引っ張っていく力のある曲だと思います。ライヴの熱を確実に上げてくれる着火剤みたいなイメージですね。結構大人の方にウケがいいので、おじさんキラーだなと思っています(笑)。

倉品:80’sソウル風の洋楽の感じをここまでやったことがなかったので、そういう意味で自分たちの中で新しい位置付けなんですが、歌謡曲っぽさもあるじゃないですか。でも昔から歌謡曲的な盛り上がる曲はライヴでやっているので、そういう意味ではダンサブルな歌謡曲テイストの進化系という感覚ですね。

―メロディは憂いのある歌謡曲風だけど、サウンドは洋楽寄りというのはすごくよくわかります。これは歌詞よりも曲が先ですよね。

倉品:そうですね。デモの段階でホーン・セクションもこの通りに入っていました。逆にアレンジが出来上がった後に、サビのメロディをスタジオで考え直すみたいな。

―まずアレンジありきということですか。

延本:最初のメロディが良くも悪くも洋楽色が強くて、でもバンドのモードとしてはちょっと80年代の歌謡曲っぽくしたいなというモードだったので、スタジオでサビのメロディをテコ入れしました。

―スタジオで変わっていったということは、メンバーで意見を出したということですか。

つのけん:そうですね。サビのメロディは僕が案を出したやつが通りました。もともとは英語の歌詞の部分がサビだったんですよ。

倉品:デモでは全部デタラメ英語で歌っていて、サビも全部英語だったんです。今残っている英語のところは最初からあったメロディなんですが、日本語のところはほぼつのけんが作ったメロディです。

つのけん:僕が「こうするといいんじゃない?」って言ったら「いいね」ってなって。

―つのけんさんの名前が作曲クレジットに入ってないけれどいいんですか(笑)。

つのけん:たしかに(笑)。

延本:でも、私たち4人でメロディに意見を出しあうことは多いんですよ。

つのけん:これまでもけっこうありますよ。

―じゃあ、本当にバンドで一緒に作っていくんですね。

つのけん:そうですね。メロディだけでなく、アレンジも含めてメンバーそれぞれが意見します。

延本:過去にはセッションからできる曲もあって、それこそリズム始まりとか、ギターのリフを鳴らして遊んでいたらできたという曲もあります。作り方はいろいろですね。

Rolling Stone Japan 編集部

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