Novel Core、claquepot、Ayumu Imazu、ざきのすけ。 同じ「希望」抱える表現者たちの祝祭

Novel Core(Photo by Kazushi Toyota)

「ジャンルをシームレスに横断するスタイルのアーティストたちを楽しむ」がコンセプトのライブイベント「Juice supported by Rolling Stone Japan」が、12月26日、東京・ZeppDiverCityにて開催された。出演アーティストは、ざきのすけ。、Ayumu Imazu、claquepot、Novel Coreの4組。「ボーカル」「ラップ」「ダンス」などのカテゴリーまでも超えていく表現者たちが集い、claquepot feat. Novel Core「blue print」のライブ初歌唱、Novel Core feat. Ayumu Imazuの新曲「ex」(リリース日は未定)の初披露も実現した特別なステージとなった。

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トップバッターを飾ったのは、ざきのすけ。。ざきのすけ。の歌は、音は、その場の温度を変幻自在に操る力を持つ。BLUE ENCOUNTの高村佳秀によるドラムが強く響き渡った1曲目「彼は誰どき」から、混沌とした感情を抱きやすい「かたわれどき」から陽が昇るまでの移り変わる景色を音楽で浮かび上がらせる。「身近すぎてぼやけてしまう優しさ、温かさ、特別さについて書いた」と曲紹介してから歌い始めた「オレンジ」では、オレンジ色に染まったステージでオーディエンス一人ひとりの顔を見ながら歌う姿に彼の温かさも滲み出ていて、会場全体の温度がほんのりと上昇するよう。「今年最後のライブなので、踊り切って、歌い切って、残ったエネルギーを全部出したいと思います」という宣言から、「In the Cell」「CASSIS」などインディーズ時代の楽曲も挟み、彼のルーツにあるR&B、ソウル、ヒップホップなどの歌唱を1曲の中で自由に使いこなしていく。今年NewJeansのバックバンドを務めたことでも話題になった、SANABAGUN.の大樋祐大によるピアノが各曲で描き出す美しいサウンドスケープも心地いい。最後は「ヒートアイランド」で“高温多湿”な都会の熱帯夜の匂いとチルなムードを行き来して、「ありがとう、ざきのすけ。でした!」と髪をかきあげながら爽やかにステージをあとにした。


ざきのすけ。(Photo by Kazushi Toyota)



次はNYを拠点に活動するAyumu Imazuが、6人のダンサーを引き連れて登場。冒頭から「ACCHI KOCCHI」でテクニカルな動きも軽やかに見せるダンスパフォーマンスと言葉遊びのある歌でオーディエンスを飛び跳ねさせて、「ATARI」では“アミダクジ”“カミダノミ”といった和の言葉を日本的なサウンドに乗せて弾ませる。「昨日はクリスマスでしたね。楽しいことしました? 僕は歯医者にいきました」と日本に約1か月滞在している間にやることについて笑いを交えながら話し、「このイベントの名前、みんな知ってますよね?」というフリからデビュー曲「Juice」へ。オーディエンスとともに“We got the juice”とシンガロングする空間は、ジャクソン5を彷彿とさせるほどの多幸感溢れるヴァイブスに満ちていた。リスナーを身体の芯から踊らせるトラックの充実度や歌唱力の高さだけでなく、フォーメーションダンスでも歓声を誘う「Tangerine」、「Light Up」で終了。照明しか飾りのないステージで全身だけを使って表現し、シンガーソングライターでありダンスアーティストであるAyumu Imazuのユニークネスを明確に見せつけながらオーディエンスをしっかりと踊らせた、見事な35分だった。


Ayumu Imazu(Photo by Kazushi Toyota)


Ayumu Imazu(Photo by Kazushi Toyota)



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