ちゃんみな、2年ぶり全国ツアー「AREA OF DIAMOND 2」で15000人を魅了

ちゃんみな(Photo by 金谷 龍之介(田中聖太郎写真事務所))

ちゃんみなが1月30日、東京・LINE CUBE SHIBUYAにて、全国ツアー『AREA OF DIAMOND 2』のファイナル公演を行った。本ツアーは2023年12月17日の宮城(仙台GIGS)でスタートし、福岡(Zepp Fukuoka)、大阪(オリックス劇場)、愛知(名古屋市公会堂)、埼玉(大宮ソニックシティホール)、東京(LINE CUBE SHIBUYA)と全国6都市をまわってきたもの。全国ツアーとしては2021年の『THE PRINCESS PROJECT 5』以来2年ぶり、単独ライブとしては2023年3月の横浜アリーナで行われた『AREA OF DIAMOND』以来、約1年ぶりだ。ファイナルとなった東京公演2日目のオフィシャルレポートを掲載する。

【画像】ちゃんみな、ライブ写真(全10枚)

客電が落ち、オーディエンスの悲鳴に近い大歓声を受けた幕が開くと、ステージには2階建てのセットが組まれており、真ん中に階段が、2階中央にはグランドピアノが設置されている。その傍に座るのは、純白のドレスに身を包んだちゃんみなだ。本ライブは、ちゃんみなが弾くしめやかなピアノソロで幕を開けた。

選曲はサン=サーンスの「白鳥」。まるでピアノのコンクールのような始まり。クラシックで音楽の道に入ったちゃんみなの原点回帰と言える冒頭かもしれないし、「白鳥」はそもそもサン=サーンスがプライベートな夜会のために作曲した組曲『動物の謝肉祭』の中の1曲であることから、今日のライブに対して「ごく近しい人たちと過ごす夜会」という意味づけをしていたのかもしれない。

だが、ちゃんみなの弾く旋律は不思議に不安定で、彼女は途中で演奏をやめてしまう。まさかの冒頭からミス? 不穏な空気がフロアに漂い始める。ちゃんみなはさっきよりも力強い旋律で演奏を再開させるが、すぐにまたやめてしまい、一呼吸置いて「In The Flames」の弾き語りが始まる。その旋律は「白鳥」よりもはるかに繊細で情感に満ちているが、あまりにも感情が込められた鬼気迫る弾き語りに、オーディエンスはうまく反応できないでいる。

次第に緊張感がフロアを侵食し始め、単独ライブの冒頭とは思えないほどの異様な空気に会場が包まれる。弾き語りの後の無音と、不穏なピアノで弾かれる「MY NAME」のイントロがさらにその緊張感を高め、そうした異様な空気が会場に充満しきったところで、バンドの重厚な演奏がいきなり入ってくる。静から動へ、張り詰めた空気が一気に弾ける瞬間だ。


ちゃんみな(Photo by 金谷 龍之介(田中聖太郎写真事務所))

ちゃんみなは白いドレスを脱ぎ捨てて黒いドレス姿になり、髪を振り乱しながら「MY NAME」を歌う。呼応するようにオーディエンスはダイヤモンド型のペンライトを振りながら身体を動かす。さらには黒ドレスも脱ぎ捨てて黒革のセクシーなボンデージ姿になると、続く「Baby」ではステージ最前線に縦2.5メートルほどの格子が組まれ、ステージ全体が巨大な檻と化した。檻とともに登場した8名のダンサーたちと檻をよじ登り、柵を飛び越えんとするかのように身を乗り出しながらのパフォーマンスは迫力満点だ。

「Fxxker」「princess」「Picky」をメドレーでつなぎ、「みんな覚悟できてんの? 全員踊れ!」とオーディエンスを煽る。間髪入れずに「美人」を投下してライブ前半からフロアに熱狂を起こす。

「ツアーという意味では、日本ではいったん今日がラストです。みんなと一緒にラストを迎えられて光栄で嬉しいです。今日はよろしくね。私をたくさん踊らせて、たくさん歌わせて。今日私、死んでもいいと思って来てるから。正々堂々と向かって来いよ!」

いつにも増してアグレッシブに観客を煽るちゃんみなに触発されたのか、「B級」ではイントロで大歓声が起き、その盛り上がりは、サビのヒップシェイクで最高潮に達した。

スタンドマイクで歌う「クズになったらしいじゃん」を経て、初期からの人気曲「CHOCOLATE」でフロアが大合唱に包まれると、続く「BEST BOY FRIEND」と「Like This」のメドレーでは衣装をカーキのニーハイブーツと白のボディースーツに変え、ダンサーたちと妖艶に絡み合いながら、オーディエンスの目を釘付けにする。そして「ハレンチ」、さらにはドラマ『ハヤブサ消防団』のEDテーマとしても記憶に新しい「命日」と、人気曲をたたみかける。

Rolling Stone Japan 編集部

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