WOLF HOWL HARMONYが語る「クオリティの高い」音楽、4人で歌う意味

ー続いて、それぞれの音楽のルーツをお伺いできますか。

GHEE:音楽を好きになったきっかけは、ザ・ウィークエンドですかね。テイラー・スウィフトやジャスティン・ビーバーなんかも聴いていました。あとは、オマリオンとか。ダンスミュージックスタイルになったオマリオンと出会い、そこからディグって2000年代初期の「Ice Box」とかを聴いてハマっていった感じでした。最初はダンスミュージックや重低音ばかりを聴いていたんですけど、だんだんとR&Bやラップを好きになり、音楽にのめりこんでいった感じです。


GHEE(Photo by Jumpei Yamada)

SUZUKI:小さい頃は、テレビから流れてくるような流行りのポップスをメインで聴いていました。あとは、親戚のお兄ちゃんとお姉ちゃんがけっこうヒップホップを聴いていたので、その影響もありますね。でも、自分にとって一番大きかったのは、小学生のときに聴いたEXILEさんの「Lovers Again」。初めて聴いたときに、「日本にもこんなかっこいい音楽をやっている人たちがいるんだ」と思って。初期EXILEの良さを活かしたR&Bテイストでありながら、日本語を綺麗に音楽にしていて、すごく刺さったんです。そこから、R&Bやヒップホップなどを、どんどん聴くようになっていきました。

HIROTO:僕は小さい頃からずっとJ-POPを聴いていて、小学生のときはジャニーズにすごくハマっていました。なかでも好きだったのは、嵐さんやHey! Say! JUMPさん。ずっと車のなかで聴いていましたし、今でもすごく聴いています。移動やパフォーマンス前には、必ずJ-POPを聴くくらい、J-POPが好きですね。

RYOJI:僕はブラックミュージックがルーツだと思います。小さいときから、車のなかには母が好きなボブ・マーリーやエミネム、アッシャー、ニーヨが流れていたので。いろんなアーティストを辿っても、R&Bやジャズ、ヒップホップっていうのは、すごく繋がってくる部分でもありますしね。とはいえ、Mr.Childrenさんとか、ブラックミュージック以外の音楽も聴きますよ。ジャンル問わず、いろいろな音楽に触れてきたからこそ、音楽自体を好きになれたように思います。

ーみなさんは「音楽と楽曲のクオリティの高さ」を強みの1つとしていますよね。そもそもクオリティが高いとは、どのようなことだと考えていますか。

SUZUKI:ひとつひとつに妥協がないというか。ひとりでも「これくらいでいいか」と思う人がいると、グッとクオリティが下がってしまうので。

HIROTO:レコーディングのとき、毎曲毎曲で自分の持っている力を全部出し切ることが大事なのかなって感じています。やることを頭にいっぱい詰めこんだら、パンクしちゃっていつも通りに歌えなくなってしまうこともあるんですけど、そのなかでどれだけ自分の殻を破って新しい引き出しを見つけられるか、実力をしっかり発揮できるか。一生残る作品ですからね。


HIROTO(Photo by Jumpei Yamada)

GHEE:後からパソコンで音程やピッチを直すことは、いくらでもできますが、この4人で歌う意味が大事だと思っているので。だから、それぞれが歌うパートを何度だって試行錯誤するし、歌うときにはピッチをなぞるだけではなく自分らしさを乗せる。どの楽曲も僕たち4人にしか歌えないって、自信を持って断言できます。

SUZUKI:僕たちはもちろん、スタッフやファクトリーのみなさんも、それぞれが完璧を求めているからこそ、生み出される作品のクオリティも高くなるんじゃないかなと思っています。結果として、何年先でも聴き続けられるような楽曲になっていることも大事ですよね。ただ曲を集めて歌うだけでは、それはなしえないと思うので。僕たちも制作段階から入らせていただき、ファクトリーのみなさんと一緒に意見交換をしています。

RYOJI:単純に僕たちは、ハイセンスな楽曲をリリースしているグループだと思われたいので。イケてるグループとして活動していくために、与えられたパートには細かく向き合っていきたいですし、自分が完璧じゃないからこそ完璧を求めたい。今までの自分のベストを更新し続けていけば、もっと成長できると思うので。ハイセンスな楽曲を作ろうと思えば、クオリティの高い音楽になっているんじゃないかな。

ーでは、どのような作品がハイセンスだと思いますか。

RYOJI:そうっすよね(笑)。自分で話しながら、そうなるなぁって思ったんですけど……。結局は、たくさんのかたに聴いていただいて、結果を出せることが「ハイセンスな楽曲だった」ということになるような気がします。チャートインする作品は、めちゃくちゃいい曲ばかりですし、チャートに入っている理由がすごくわかる。ただバズったんじゃなくて、本当にいいところがあって、音楽として評価されているんだなって。

SUZUKI:僕はいい意味で聴いている人を裏切ることが、すごく大事なのかなと思っています。1曲目と2曲目が違うテイストっていう意外性も大事だと思いますし、1曲のなかで意外性を生み出すことも大事。想像通りにいくと、たぶん次って聴かないと思うんですよね。何度も聴きたくなる曲って、「もっと聴きたい」と思わせる何かがあるはずなので。自分のなかでは、今のチャートに残っている曲も思い通りにいってる曲はないように感じています。「こんな展開⁉」とか「そこの音に行くんだ!」とか、いい意味で裏切られる部分がすごく多い。そういうことをし続ける人たちって、やっぱりかっこいいですし、人が惹かれていくのかなって思います。でも、思い通りに行くからこその安心感もありますよね。ずっと残っていくためには、安心感+何かが必要なんじゃないかな。


SUZUKI(Photo by Jumpei Yamada)

RYOJI:懐かしいものと新しいものの融合というか。ボーカロイドの楽曲が流行ったのも、変なコード進行を使うような意外性がありながら、音楽として成り立っていたから、いろいろなかたに知れ渡ったわけじゃないですか。聴き馴染みがあるものにプラスして、個性や意外性は必要なんだろうなと僕は思ってるので。まさにネオな音楽をWOLF HOWL HARMONYでも、届けていけたらいいですね。

Rolling Stone Japan 編集部

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