This is LASTが語る、3ピースバンドとしてのプライド 現代のロックバンドのあり方

―ストリングスも然り、やっぱり生で録ることにはこだわっている?

陽報:楽曲によってですね。逆に、打ち込みの方が良さそうであればそうするし。サブスクがこれだけ主流になってきて最近すごく思うのは、いろんなプレイリストに曲を入れてもらった方が自分のバンドが広がっていく確率も大きくなるということで。そういう意味でも多ジャンル化した方がビジネスとして成り立つなっていうところを考えてやってますね。

―あきさんは、本当に多面性がありますね。俯瞰して見ている部分もある。

陽報:普段そういう風に考えているんです。だから結果的にどうした方がいいかいつもわかっているんですよね。ただ、今自分たちにできることだったり、自分たちが向かうべき場所がわかってるのに、自分の行動がうまくいかないこともあって。それでも頑張ってる方が楽じゃないですか、正直? 頑張ってない時の方が辛いんですよ。休んでいることへの罪悪感が出てくるというか。例えば、周りから見たら動けてはいるんだけど、僕としては足りてないみたいな気持ちになった時に結構病んじゃう。そこが、僕の人間っぽいところですね。あどけない、憎めない自分というか。知らんけど。

鹿又:自分でいうことかい(笑)。

―あははは。2人の付き合いはもうだいぶ長いですよね。

陽報:もう、もう10年ぐらい経つよね。



―あきさんは、今話したようなサイクルの中で、ずっと動いてらっしゃる感じなんですか?

鹿又:ここ最近じゃない?

陽報:だと思う。バンドの歴史で言うと、今の事務所に入る前は、これくらいの時期にレコーディングをするからって言われて曲作ることが多かったんです。その時は、自然と降りてきたものを作っていたんですけど、最近は作らなきゃと思って作ることが増えてきたというか。それが楽しい。そういうことが増えたからというのと、やれることが増えたからこそ、自分の中で自分を追い込むことができるようになってきたなとは思いますね。

―でもパンチラインですね。頑張ってた方が楽、というのは。

陽報:僕、昔仕事を辞めて2、3カ月くらい、ガチプロニートをやってたんですけど、何もできてない自分の方が辛いんですよ。「やばい、働かなきゃ……」みたいな気持ちになってくるけど働けないみたいな。そういう日々がどんどん過ぎていく中で、頑張ってる時の辛さの方が希望があると思ったんです。頑張ってない時の辛さって、最終もう何も残らない時間だけが過ぎていく。それよりは何かを頑張りながら悩んでた方が何か進んでるので。俺は絶対その方がいいなと思っていて。だた、うまく休めるようになりたい気持ちもあります。

―そうした頑張りもありつつ、昨年9月の初東名阪ホールツアー、アルバムを引っ提げたZepp含む5大都市ツアーは全公演ソールドアウトするなど、結果はついてきていますよね。充実感みたいなものは感じてらっしゃいますか?

陽報:この前、大阪Zepp Nambaでワンマンをやらせてもらったんですけど、前回のツアーのZepp Nambaよりもお客さんをパンパンにできる状況になっていて。成長を感じられて、それはすごく嬉しいなと思いました。This is LASTってちょっとずつ積み上げてきてるバンドなんですよね。そうやって積み上げられてきてるからこそ、今の結果が出ていると思うので、そこは大事にしつつ、少し急がなきゃと焦ってる気持ちもちょっとあるっていう感じですね。

鹿又:最近初見の方が増えてきていて。よくMCであきが「今日。初めて観に来た人?」って質問するんですけど、手を挙げてくれる人が多くて。This is LASTどんなもんだろうみたいな感じで観に来てくれる人が増えたのかなって実感して、嬉しいですね。

―今年9月からは自身最大規模の全国27公演ワンマンライブツアー「This is LAST one man live tour 2024 Autumn」も予定されていますね。

陽報:これだけの本数ワンマンをやれることで、よりバンドの底力をあげるツアーになると思うんです。スキルアップも、バンドのグルーヴも含めて、一段階上げるタイミングになると思うので、それが自分でもすごい楽しみですね。本当に今This is LASTって状態がすごくよくて。楽曲としてもすごくいいものを出せている。すごく鮮度のいいバンドなんで、これがさらにもっとよくなるって考えると、逆に怖いなって(笑)。

鹿又:去年の23本のワンマンツアーで思ったのが、短いスパンで場数を踏むことによって、演奏力もチームとしてのグルーヴもすごい上がったんですよね。今回はそれを超えるツアーっていうので、よりレベルアップできるのかなと思うと……すごい怖いです(笑)。

―レベルアップしすぎる自分たちが怖いと(笑)。

陽報:俺、嫌ですもん。もし対バンイベントだったら、絶対This is LASTとやりたくないもん。

鹿又:音はいいし、歌もいいしね。もう一個だけ怖いのは、ツアーの移動ですね。機材車で全国を回る予定なので(笑)。

陽報:体がバキバキになるもんね(笑)。そういう怖さもありつつ、レベルアップするのが怖いくらいのツアーにしていきたいと思います。



<リリース情報>



This is LAST
2nd Full Album『HOME』
2024年3月27日(水)リリース
通常盤(1CD)ZXRC-2107 ¥3000(tax out)/紙ジャケット仕様
=収録曲=
1. カスミソウ
2. 恋愛凡人は踊らない(retake)
3. アウトフォーカス(テレ東系「痛ぶる恋の、ようなもの」主題歌)
4. Any
5. ラブソングにも時代がある
6. バランス(retake)
7. #情とは (ABEMA「花束とオオカミちゃんには騙されない」挿入歌)
8. 殺文句(retake)
9. もういいの?
10. おやすみ
11. 結び(retake)
12. 言葉にして
13. 病んでるくらいがちょうどいいね(retake)
14. 君と生きる
15. 拝啓、最低な君へ(retake)
16. ヨーソロー (ABEMA「恋する週末ホームステイ 2023 夏」挿入歌)
https://thisislast.lnk.to/HOME

<ライブ情報>

This is LAST one man live tour "HOME"
2024年4月21日(日)東京 Zepp DiverCity(TOKYO) (soldout!)
https://thisislast.jp/news/detail/14813

全国27公演ワンマンライブツアー
「This is LAST one man live tour 2024 Autumn」
2024年9月1日(日)千葉 LOOK
2024年9月4日(水)埼玉 HEAVEN’S ROCK SAITAMA SHINTOSHIN
2024年9月5日(木)神奈川 F.A.D YOKOHAMA
2024年9月8日(日)茨城 水戸LIGHT HOUSE
2024年9月14日(土)岩手 盛岡the five Morioka
2024年9月15日(日)宮城 仙台Rensa
2024年9月19日(木)三重 四日市CLUB ROOTS
2024年9月21日(土)京都 KYOTO MUSE
2024年9月22日(日)奈良 NEVERLAND
2024年9月25日(水)長野 CLUB JUNK BOX
2024年9月28日(土)鹿児島 CAPARVO HALL
2024年09月29日(日)熊本 B.9 V1
2024年10月3日(木)山口 周南RISING HALL
2024年10月5日(土)福岡 DRUM LOGOS
2024年10月6日(日)広島 HIROSHIMA CLUB QUATTRO
2024年10月8日(火)愛知 NAGOYA CLUB QUATTRO
2024年10月12日(土)北海道 札幌PENNY LANE 24
2024年10月16日(水)兵庫 神戸VARIT.
2024年10月18日(金)石川 金沢AZ
2024年10月19日(土)新潟 LOTS
2024年10月24日(木)鳥取 米子AZTiC laughs
2024年10月26日(土)愛媛 松山WStudioRED
2024年10月27日(日)香川 高松DIME
2024年11月2日(土)静岡 浜松窓枠
2024年11月3日(日)愛知 DIAMOND HALL
2024年11月9日(土)大阪 Namba Hatch
2024年11月21日(木)神奈川 KT Zepp Yokohama
https://thisislast.jp/news/detail/22928

OFFICIAL HP https://thisislast.jp/

Rolling Stone Japan 編集部

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