原因は自分にある。、全国7カ所巡るリリースイベントを2000人の前で完走

原因は自分にある。

2次元と3次元、リアルとアンリアルを行き交う独自の世界観で魅了する新解釈アイドルグループ・原因は自分にある。(通称・げんじぶ)が、コンセプトEP『仮定法のあなたへ』の発売日である3月13日、アーバンドック ららぽーと豊洲 シーサイドデッキ メインステージでリリースイベントを行った。平日の夕方にもかかわらず、会場には約2000人の観測者(原因は自分にある。ファンの呼称)が集まり、360度+階段上からステージをぐるりと包囲。オリコンデイリーランキングで2位を記録したのも納得の人気ぶりで、黄昏時の都会に幸せな熱狂を刻んだ。オフィシャルレポートを掲載する。

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6つの”if”(仮定法)をテーマにしたコンセプトEP『仮定法のあなたへ』を掲げ、全国7カ所を回ったリリースイベントも本日が最終日。7人が登場すると彼らを包み込むような大歓声があがり、“2択”を繰り返す歌詞と指を2本立てる振りでおなじみの「嗜好に関する世論調査」でステージは始まった。観測者のクラップが湧き、ペンライトが振りあがる曲中、リーダーの吉澤要人が「みなさん、こんにちは! 原因は自分にある。です!」と挨拶すると、メンバーコールから順に“2択”の振りを繰り出して自己紹介。さらに「これからは一緒に声を出したいと思います!」と観覧エリアを左右の二手に分け、青空の下“2択、2択”の大合唱で一体感を作り上げていく。その中で全方位のオーディエンスに手を振り、目線を投げて黄色い声があがるのはさすがだ。

続いて、EPに収録されている新曲「ダイヤモンドリリー」を披露。「もしも、“あなた”がこの世にいなくても…」という“if”をテーマにしたナンバーらしく、リリカルで儚い音像に乗せて繰り広げられるパフォーマンスは、ストーリー性たっぷり。触れたいのに触れられないもどかしさを表すような緻密な振りつけを、幽霊役と人間役に分かれて演じ、観る者の胸を切なさで締めつける。こういった濃密な物語を、まったく違う色合いで描いた楽曲が、『仮定法のあなたへ』には6作も収められているのだ。

MCでは以前、ららぽーと豊洲で毎週のようにイベントを行っていたことを懐かしく語り、大倉空人は「洞窟みたいな入り口から出てくるのがサッカー選手みたい。緊張感がある」と、久々のシチュエーションに興奮気味。それでも「回れ右、左、どこを見てもお客さん!」と吉澤が驚いたほどの集客は今回が初めてで、結成から5年を経ての成長ぶりを実感させる。また、本日がリリースイベント最終日ということで、各地の思い出を話そう……という流れになった瞬間、突然「イヤリング、片方ある?」と自身の耳を指したのは武藤潤。ステージ上をメンバー全員で探し、なんとか見つけだして「これが思い出です! みんなでイヤリングを探したことです!」と喜びの声をあげた。また、小泉光咲は地元・宮城のイベント会場が「実はスカウトされた場所だった」と明かし、杢代和人は「福岡に小さいバッファがいて、二度見しちゃった!」と、自身が『仮面ライダーギーツ』で演じていた役のコスプレをしていた子どもがいたことを報告。そんなエピソードも、各メンバーともに昨今はドラマを始めとするメディアへの露出も増え、げんじぶの人気拡大に一役買っていることの証だ。

ここで吉澤から、最新作『仮定法のあなたへ』が「もしもあなたが〇〇だったら」という仮定(if)をテーマにしており、1曲ごとに異なるストーリーが背景にある、色とりどりな作品であることを説明。そして、長野凌大が「ラストの曲は、もしも“あなた”が隣にいなくても…がテーマ。遠くにいるあなたのためなら、どんな次元も世界線も超えて勇者になれる……というストーリーが込められた曲です」と告げ、贈ったのはEPのリード曲「マルチバース・アドベンチャー」だ。ロックなバンドサウンドに華やかなブラスサウンドと、色とりどりに展開する晴れやかなアッパーチューンで、7人が輪になり舵を取るフォーメーションダンスは実にダイナミック。大海に漕ぎ出すような勇ましさが、エンターテイメントの世界で未知の領域へと進む彼ら自身と重なって、観る者の胸を熱くさせる。ちなみに、この1曲のみオーディエンスの撮影が許可されており、杢代は「#げんじぶリリイベのハッシュタグで拡散して、げんじぶの魅力を世の中に広めてほしい!」とリクエスト。それに応える観測者たちは、スマホを構えながら懸命にペンライトを振り上げていた。

笑顔でパフォーマンスを終えると、10日後の3月23日より、全国5都市をめぐる春のホールツアー『架空のアウトライン』が開催されることを桜木雅哉が告知。既に全公演がソールドアウトとなったため「嬉しいことに福岡公演は立見席の販売が始まりました!」と、異例の対応となったことに感謝を伝える。退場する最後の最後まで四方八方の観測者に手を振り、「ありがとう!」と大倉がカメラに呼びかける、ラスト1曲+αの模様は、原因は自分にある。の公式インスタグラムでもアーカイブ公開中。2019年7月7日のデビューから迎えた5周年イヤーに掲げた『夢現の続き』というテーマの通り、この2024年は彼らが抱いてきた夢を現実にするための1年となるだろう。

文:清水素子

セットリスト
1. 嗜好に関する世論調査
2. ダイヤモンドリリー
3. マルチバース・アドベンチャー

Official HP https://genjibu.jp/

Rolling Stone Japan 編集部

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