アイドラが語るデビュー10周年の現在地、海外での活躍、NYをテーマにした特別な新曲

─ボーカルの話が出ましたけど、この曲はYUさんのニュアンスを意識しながら9人が歌っている感じがして。

SHUKI:そうなんですよね!

YU:一般的にコンペで楽曲を提出する段階では、仮で適当にはめた歌詞だったり、ゆるりと提出される方が多いと思うんですけど、僕らは絶対に決めたかったので、ガチガチに曲も演奏も固めた上でレコーディングして。ボーカルもしっかり歌った音源を提出させてもらいまして。それをメンバーの方々も聴き込んでくれたみたいで、僕らが表現したいニュアンスもビックリするぐらい再現してくれたりとか、むしろそれ以上のクオリティで表現してくださったので、出来上がった音源を聴いて「おお!」と興奮しました。

─あと、改めてSnow Manって歌唱力がものすごく高いぞと思いました。「LOVE TRIGGER」を歌い上げるのって、結構難しいですよね。

一同:そうそう!

CHOJI:僕らも、皆さんのポテンシャルの高さにめちゃくちゃ驚きました。

SHUKI:正直「ちょっと歌えるかな?」と思いつつ提出したんですけど、本当に高いレベルで歌い上げてくれてビックリしました。

─今回「LOVE TRIGGER」を作ったことで得たものはありましたか?

YU:自信になりましたね。僕らがいいと思ったものを採用してもらえたこともすごく嬉しいし、それがSnow Manの新しい記録を打ち出せたりとか、僕らバンドだけでは届けられない層の方々にも曲が届いたな、と思います。バンドとしての幅も広がったので、本当に感謝しかないですね。

─YUさんが「GOETHE」で連載されている記事の中で、楽曲提供やタイアップ曲を作るにあたって以前は「求められていることを瞬時に理解して、応えられちゃうからこその葛藤みたいなものがあった」と言ってましたよね。それを感じたのは、どのタイミングで?

YU:僕らは常に「自分達のアイデンティティはどこにあるのか?」と探り続けていて。デビュー10年目にして、ようやく気付けたんですよね。そこに至るまでに、もちろん今までも曲をリリースしたり、楽曲提供させてもらうときは全力投球でやってきたんですけど、振り返ってみると「もっとできたかもな」とか「もしかしたら、寄り添い過ぎちゃったかな」という反省もあって。僕らはかなり話し合って曲を作るタイプなので、ロジカルに作るがゆえの弱点というのがあった。だけど、ある一定の部分は感覚に任せることで、クリエイティブの質があるのかな?と思ったりして。そういうトライ・アンド・エラーをし続けてきたので、自然と精度が上がってきたのかなって思うんです。なので「明確にここで変わった」というより、徐々に気づいてきて。今もその成長過程だなと思ってます。

─僭越ながら、YUさんの言ってることにすごい共感したんですよ。僕もYUさんやSHUKIさんと同学年で、同じくらいキャリアを重ねていると、相手の期待に応える方法とか、求められてるものをどう返すのかも経験則で「今回はそっちのパターンだな」と察しがつくんですよ。

YU:そうなんですよね。そこまで分かってきたときにライターの方もそうだと思うんですけど、何かを表現する世界にいる方って仕事をする意味では、スキルが身についてきて楽になってくる。「きっと、求めているのはこれでしょ?」と提出しがちなんですよね。「とはいえ表現者として、それでいいのか?」というせめぎ合いは、年齢や経験値を重ねれば重ねるほど生まれる。若いうちはそういうこと考えずに「もうコレしかない!」と思えたけど、視野が広がって、良くも悪くも器用になってしまった自分との葛藤みたいなのがあって。求められていることに応えるだけなら、自分たちじゃなくてもいい。自分たちらしさもしっかり注入することの大事さ、そこに気づけてよかったなと思いますね。

Rolling Stone Japan 編集部

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