アイドラが語るデビュー10周年の現在地、海外での活躍、NYをテーマにした特別な新曲

─新曲「New York, New York」についてもお聞きしますね。YUさんは前々からニューヨークを題材に曲を作りたいと思っていたけど、中々それが形にならなかったそうですね。

YU:はい、ニューヨークは僕が高校時代に暮らしていた街であり、音楽をすごく聴くようになったのもニューヨークにいたときなので、とにかく思い入れが強いんです。僕の中では“いつか使いたい曲名のリスト”にニューヨークがあったものの、パンチが強いワードだからこそ、なかなか「これで行こう」と思える曲に至らなかった。だけど、Snow Manの楽曲提供が終わった後のシングルだとか、今年がデビュー10周年イヤーであるとか、さらに今年は僕らがバンドサウンドで勝負しようと思ってることとか、いろいろな要素が重なって「タイトルにニューヨークを入れるのは今しかない」と思ったんですよね。

─歌詞はどのように考えたんですか?

YU:わりと直感ではありますね。タイトルは「New York, New York」ですけど、僕は日本で生活をしているわけで、そんな自分でも歌える歌詞にしたくて。出来上がったときに「あ、これだな」と思ったんです。



─SHUKIさんは「今自分達が1番やりたい音を作ろうと辿り着いたのはUKロックサウンドでした」と公式コメントを出されていましたね。

SHUKI:個人的な見解なので「それは間違ってる」という意見もあると思うんですけど、アメリカのビルボードチャートはみんなが聴いていいと思う曲が多い。一方でUKのチャートって「なんでこの曲が1位を獲れたんだろう?」と思うぐらい聴きづらい曲も1位になったりしていて。そういう意味で、反骨精神っていうか周りに媚びず「自分が好きだからこういう音なんだ」という気概を僕はUKサウンドに感じていて。去年から「俺らはバンドサウンドでやっていこう」と決めたからこそ、マインドもサウンドも含めてUK感を出せたのかなと思います。

─音を作る上で大事にされたポイントは?

SHUKI:まずは、バンドサウンドを第一に考えました。僕らは普段DTMに向かって曲を作っていて、特にドラムはレコーディング当日に初めて叩くことが多かったんです。だけどライブを意識して「4人の音だけでどこまでいけるか」を強化したいので、最近はレコーディング前にスタジオへ入って、しっかりと演奏を固めてからレコーディングをして。それによってライブの再現度も高いし、バンドでしか出せないサウンド感を作れたなと思います。

─生ドラムだけのアプローチは、だいぶ珍しいですよね。

SHUKI:これまでは打ち込みも多かったし、生ドラムと打ち込みを重ねることも多かったんですけど、最近それが窮屈だなと思っていて。今までだったら生バンドで行っても、打ち込み──例えば世界中の曲を聴いて「これに負けないように」と考えていたんですけど、逆にそこで負けても別で勝てばいいかなと思えるようになりまして。もちろん聴き比べる曲によっては「もっとドラムをこうしたら?」という考え方もあると思うんですけど、この曲はこの曲でこういう良さがある、と振り切っているのがいいなと思ったので、今回は生だけで行きました。

─ドラムの生感もありつつ、その色が強く出過ぎていない絶妙なバランスに感じました。

SHUKI:そうですね。UKっぽさを出すために、本当は1サビ2サビもラストサビみたいに叩くのが普通なんですけど、そこは僕らのキャラを考慮した上で行き過ぎないようにしました。ちょっとした余裕感であったり、UKサウンドを大事にするために、要所要所で抑えて叩きましたね。

Rolling Stone Japan 編集部

RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE