ー現在、ジョン・ライドンとの関係はいかがですか?よくないよ。お互いロスに住んでるけど、連絡を取り合うことなんてほとんどない。最後にやつと話したのは、2008年のヨーロッパツアーの時だろうな。俺は連絡を取ろうなんて思わないし、きっとやつも同じさ。それでいいんだよ。俺はやつに悪意を持ってはいないし、元気でいてほしいと思ってる。うまくいかなかった夫婦生活みたいなもんさ。離婚した元嫁と連絡を取りたがる男なんていないだろ?
ーではメンバーが再び集うことはもうないと?再結成ツアーで稼げる程度の額じゃ実現しないだろうな。ローリング・ストーンズと同じくらいの額を提示されたら、話は別だがね。
ーあなたは2003年頃、ピストルズの新作のために曲を書いていたとされています。どういった曲だったのでしょう?ひどい出来だった。2分も聞けばズッコケたくなるような曲だった。危うくバンドの歴史に汚点を残すところだったよ。
ーピストルズ解散後、あなたとポール・クックが結成したザ・プロフェッショナルズも長くは続きませんでした。同バンドの再結成の可能性はありますか?ゼロとは言い切れないな。もしやるとしても、ポールとの関係を悪化させかねないような大掛かりなものにはしない。あいつとは長い付き合いだし、無二の親友だからさ。
ーパンクである以上成功を望んではいけないとする見方について、あなたは当時から違和感を覚えていたと綴っています。そういった考え方はいつ頃生まれたものだと思いますか?ザ・クラッシュとか、当時の他のパンクバンドの歌詞の影響はあったと思う。当時のバンドは皆口を揃えて「俺たちはマンションに住んでロールスロイスを乗り回しているようなロックスターたちとは違う!」なんて主張してたからな。別に俺たちだってそんな生活を望んでたわけじゃなかったけど、一文無しにはなりたくねぇって思ってた。誰だってそうだろ?俺たち全員、不法占拠した空き家での生活なんてまっぴらだった。俺は皆が内心思ってることを代弁してやっただけだよ。俺たちには金を稼ぐ理由があって、それに値するだけのことをやってたんだからさ。
当時のパンクバンドの多くが共有してたそういう価値観が、いつどうやって生まれたのかは知らないよ。やつらはレッド・ツェッペリンのようなバンドとはまったく異なるメンタリティを持ってたってことさ。稼いでる額こそ違えど、俺はレッド・ツェッペリンとセックス・ピストルズの間に大きな違いはなかったと思ってるんだ。抱えた不満や怒りを音楽にぶつけるっていう部分は、どっちも同じだったからな。
ージョンに比べると、あなたはマルコム・マクラーレンのことをずっと好意的にとらえていることが自伝から窺えます。その理由は?あの2人は仲が悪かったからな。出会って以来ずっとね。俺だってマルコムに腹を立てたこともあったけど、俺たちはバンドが始まる前から友達同士だったから、彼のことを信頼してた。今となっては(バンドの楽曲の権利を巡って、)ジョンがマクラーレンに裁判を起こしたのは正解だったと思ってる。意外かもしれないけど、本当にそう思ってるんだ。俺だって同じ思いだったけど、友人を訴えるのはやっぱり気が進まないからな。