Yogee New Wavesが考える愛の宿る芸術とは? 5つのキーワードから語る

4.愛を感じる言葉。
「心情をストレートに言葉にできるのは、本当にジョン・レノンのすごさだなって」(上野)

角舘:ザ・ビートルズの訳詩集に載っていた「A Hard Day’s Night」の和訳がすごく好きなんですよね。友達の誕生日会に行けなかった時に、電話で「A Hard Day’s Night」の和訳を読んだことがあるんです。

彼は家族や仲間のために大黒柱として働いているんですけど、自分のためではなく、誰かのために働いている彼の姿にすごく愛を感じていたし、それと、その詩集に乗っていた「A Hard Day’s Night」の翻訳がすごくマッチしている感じがしたんですよね。

-別の言語で書かれたものを、どのように日本語にして、その言葉の意味を伝えようとするのかということに向き合う翻訳家の姿勢って、もしかしたら、「I love you」を自分なりの歌にして表現しようとするシンガーの姿勢にも、少なからず重なる部分があるかもしれないですね。

角舘:そこにも確実に愛が存在しているんですよね。今言った「A Hard Days Night」の和訳も、「~だよ」っていう語尾にすることで、聴き手にやさしく語りかけてくる感じがあって。それに英語ってストレートだけど、日本語って回りくどくて、ちょっと湿っぽくなるんですよね。その訳では日本語の湿っぽさが余計に「A Hard Day’s Night」の世界観と合っているんだよなぁ。

上野:「A Hard Day’s Night」って、外でめちゃくちゃ働きまわって疲れ果てても、家に帰ってくれば全てが大丈夫なんだっていう歌じゃないですか。あの曲が入っていたアルバムの『A Hard Day’s Night』って3枚目のアルバムで、ビートルズがライブでめちゃくちゃ忙しい時期だったんじゃないかと思うんですよ。その状況の中で「超忙しい!」って歌っているっていう(笑)。

-剥き出しですよね(笑)。

上野:そう(笑)。でも「Help!」もそうですけど、その時の心情をそのままストレートに言葉にして歌えるのは、本当にジョン・レノンのすごさだなっていう感じがします。しかも、どれだけ自分の気持ちをストレートに歌っても、それがポップに突き抜けていて伝わるんですよね。

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