ショーン・ポールが語るJ.バルヴィンとの共演、レゲエとレゲトンの関係、Zeebraへのシンパシー

左からJ.バルヴィン、ショーン・ポール(Courtesy of ユニバーサルミュージック)


ーストリーミングの普及で音楽の聴かれ方もだいぶ変わったと思いますが、今の時代、アーティストがブレイクするのに必要なことは何だと思いますか?

それは難しいね。昔はさ、ジャマイカのダンスホール界ではとにかくラジオでかけてもらうのが大事だったんだ。そうすることで、自分の曲をいろんな人に何度も聴いてもらえたわけだからね。だからそれが目的で、DJと知り合って、友達になって、頼まれ事してあげたりして、自分の音楽をかけてもらうように仕掛けてた。自分がいない時でも、人が自分の音楽を聴いてくれるようにね。あれも大変だったよ。だって、他のアーティストとの競争もあるし、たくさんの人と密に連絡取ってないとならないからね。でもインターネットが登場して、今度はみんなMySpaceやFacebookなんかで自分の音楽を押し出すようになった。これは確かに素晴らしいけど、MySpaceだけでも1500万くらいのバンドがいるわけだから、埋もれちゃうこともある。TwitterやInstagramの登場で、今度は音楽だけじゃなくて自分の「らしさ」やら、どんな風に人と交流してるかってのもアピールできるようになった。でも、これも役には立つけど、やっぱり山ほど人が溢れてるから、簡単に埋もれちまう。だから、俺みたいに、DJと知り合おう、メジャー契約できるように、たくさんの人に聴いてもらおうって努力してた方がラクだったのか、今の若いヤツらのやり方の方が全然ラクなのかは決めがたいよね。でも、こんな風に何か新しいツールが登場したら、まず試してみて、どうしたら自分にとって上手く活用できるかやってみるべきだと思う。

ー最近のアーティストで注目している人は誰ですか?

アフロビートだと、近々Davidoとコラボすることになってる。連絡取り合うようになったら、いいヤツだし、音楽も好きなんで、うまく実現できるといいなって思ってる。あと、ドミニカ共和国出身のMozart La Paraと最近コラボしたんだ。「Lento」って曲なんだけど、これは近々リリース予定だよ。何でも聴くようにはしてる。中にはホットなアーティストもいるし、たまにクレイジーなのにも出くわす。インディーズのアーティストとかさ。XXXテンタシオンにもしばらく注目してたんだけどね。あんなことになっちゃうなんて、悲しかったよ。さっきインターネットのおかげでアーティストが発見できるって話したけど、彼なんかは俺にとってまさにそのケースだったんだ。他には……Ray BLK。シンガーって呼ぶべきなのか、R&Bアーティストって呼ぶべきなのか、ちょっとわかんないけど、まあシンガーソングライターなのかな。イギリス出身、ナイジェリア生まれの魅力的なアーティストだよ。彼女とも最近仕事したんだけど、早くみんなに聴いてもらいたいなと思ってる。

ジャマイカでは、プロデュース業もやってて、若手の世話もしてるんだ。Gang Gangってリディム作ってて、これには俺と、スプラガ・ベンツとKonshensと、あと他にもいろんな人が参加した全11曲のプロジェクト。まあそれがジャマイカでの俺らのやり方だからね。一つのリディムでたくさんの曲作っちゃう、っていう。で、若手アーティストは、Sotto Bless、Dan Java、あとRas Ajaiが入ってる。彼らには期待してるよ。あと、ジャマイカにMasickaって若手がいるんだけど、彼もかなりイケてると思う。あと、Squashだな。




ーGang Gang、すごい楽しみですね。

うん、素晴らしいプロジェクトだと思うよ。一つのリディムで11曲違う曲作ったんだからさ、パーティーでDJが思いっきり楽しめると思うし、バッドマン・チューンもあれば、人生について真面目に歌ってる曲もある。ジャグリング(次から次へと曲を繋いで客を盛り上がらせるDJスタイル)って呼ばれるやり方なんだけど、俺は好きなんだよね。俺のカルチャーにおいては大事な要素だったんだ。最近はシングル・リリースが当たり前になってきてて、あんまり行われないけど、ジャグリングはダンスホールにおける教会みたいなもんでさ、俺にとっては。一つのビートでいろんな教えやバイブスが説かれる。とにかく気分がアガるんだ。

ー次の新曲リリースの予定はありますか? どんな曲になるのでしょうか?

うん、あるよ。ただ、どれをシングルにするかで悩んでるんだ。この1年でかなりたくさんの曲作ったから、中にはプロデューサーが仕上げやってる曲もあるし、まだコーラス部分のシンガーやゲストのヴァースを調整してるのもあるし。今回のこの曲ぐらい自信ある作品が、今いくつかあるんだよ。アルバムに向けての作業も進めているけど、まだみんなの中で、俺のアルバムへの受け入れ体制がまだできてないと思う。だからシングルでアタックしてるわけさ。



ー最後の来日は2015年でしたが、近々に来日の予定はありますか?

うん、日本に行くたび、日本の文化に本当に感動するんだ。みんなのお互いへのリスペクトは最高だよ! 住んでるわけじゃないから、日々の生活がどんなものかとは言えないけど、日本で目に入ってくる様子は、みんな本当にお互いに思いやりがあって、本当に素晴らしいことだと思う。あと俺は食が大好きだから、日本の食事が大好きさ。新鮮で。

ー今まで日本アーティストともいくつかコラボレーションしましたが、日本のアーティストはどんな印象ですか?

日本のアーティストは柔軟性に長けてると思うね。ジャマイカに来て、俺らのスタイルでクラブ盛り上げちゃう日本のアーティストもいるしさ!オーディエンスを、本気で盛り上げちゃうんだ。アーティストにサウンド・システムも。Mighty Crownとかスゴいぜ。彼らは俺らのジャンルにおいては大きな影響力持ってる。サウンドクラッシュとかも優勝しちゃうんだからな。しかもクレイジーなことにさ、生粋のジャマイカ人みたいなサウンド聴かせてくれる。2人揃って横浜出身の日本人の野郎がさ(笑)。だからそういう多様性だね。ラッパーのZeebraとかもさ、使ってるビートとか、何言ってるかわからなくても、彼のスタイルはイケてるなって思うよ。ダンスホール・アーティストからサウンド・システム、ラッパーにポップ・アーティスト……俺もポップ・アーティストとコラボしたことあるけど、そんな感じで、日本のアーティストっていうと、とにかく多様性があるなって思ってる。




ショーン・ポール & J.バルヴィン
「コントラ・ラ・パレド」
デジタル配信中
https://umj.lnk.to/SeanPaul-JBalvin

ショーン・ポール オフィシャルサイト
https://www.universal-music.co.jp/sean-paul/

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