メガデスのデイヴ・ムステイン独占告白、がん公表後の沈黙を破る

がん告知後に役立った「信仰心」

―信仰心がポジティヴな気持ちを維持するのに役立ちましたか?

これに関しては冗談を言うつもりはまったくないけど、今のカニエがやっていることやメッセージを知っているよね(アルバム『Jesus is King』をリリース)。俺はカニエがあれをやっているのを高く評価している。俺も長い間、祈り続けているし、この一件が持ち上がったとき、本当にたくさん祈った。他の人に同じことをしろというつもりはないよ。人に強制するなんて絶対にしない。でも、俺は克服できるように祈ったし、こんなに早く治ったのも祈ったおかげだと思っている。ここを読んだ多くのファンが「おいおい、デイヴ、何を言っているんだ?」ってざわついているだろうけど、俺が言いたいのは、誰にも信じる対象があるってことだ。それに自分のケアをちゃんとして、肉体的にもスピリット的にも健康な状態でいたからこそ、今の状態になれたって俺は信じているんだよ。

―この時期を支えてくれたのは誰でしたか?

家族だよ。特に奥さんがね。みんな頼りがいのある大きな岩のようだった。最高だよ。何か不都合なことがあっても、家族に頼ることができるのさ。

―がん告知を公表したとき、ファンや音楽仲間から溢れんばかりの支援の声があがりましたが、あれも元気を与えてくれたのでは?

うん、そうだった。俺にとってはかなりの驚きだったよ。支援の声の多くは知り合いからだったけど、彼らが心配してくれるなんて思ってもみなかったね。何よりも驚いたのが、昔の兄弟のジェイムズ・ヘットフィールドからテキストメッセージが来たことで、彼から連絡があって本当に嬉しかったんだ。誰が何と言おうと、過去に俺たちの間に何があったとしても、俺はジェイムズを愛しているし、ジェイムズも俺を愛してくれているし、大事に思っていてくれる。そういうことは、こういう決定的な瞬間が訪れるとはっきりするんだ。俺は世間に「死ぬ可能性のある病気になった」と公表したわけだ。そんなとき、俺に寄り添ってくれる仲間は誰かと言ったら、ジェイムズなんだよ。

あと、オジーからもテキストメッセージが来たし、ポール・スタンリーからもあった。オジーからメッセージが来たのには感動した。ポール・スタンリーは予想外だったね。もちろん、最高に嬉しかったよ。だって、KISSがデビューした頃はまだガキだったけど、彼らが大好きだったから。

みんなの支援には本当に感謝しているよ。過去に俺の言動で嫌な思いをした人たちでさえ、俺に愛情を示してくれて、本当に嬉しい限りだよ。みんなが言うんだけど、俺たちに最後に残るのは、このクレージーなメタル・コミュニティの仲間ってことなのさ。

―そうですよ。あと、ファンからの激励も嬉しかったでしょうね。

それは本当に心の底からありがたかったし、俺がこの時期を過ごすのに助けとなった彼らに、今後どうやってお礼したらいいのかわからないよ。みんなに「ツイートしてくれたみんな、フリー・コンサートに来てくれ」って言いたいくらだ。でも、それじゃ足りない。ほんと、一人ひとりの目を見ながら「ありがとう。愛している。君のおかげで克服できた」と言って、みんにハグしたい。でも、それだって十分じゃないと思うし、無神経にすら思えるよ。

正直にこう言いたいよ、「ここに来て座ってくれ。パジャマに着替えて、一緒にテレビでも観ながら闘病生活のことを話そうぜ」って。とは言っても、中には「なあ、デイヴ、俺、30だぜ。パジャマ着て、あんたと同じベッドは勘弁してくれ」というヤツもいるだろうな。同じベッドじゃないよ。「ソファに座って、毛布かぶって、一緒にポップコーンでも食おうぜ」ってことだよ。勘違いしないでくれよな。


2018年のデイヴ・ムステイン。(Chiaki Nozu/WireImage)

―キャンプファイヤー・パーティーという手もあるかも。

ああ、スモア食って、懐中電灯を照らして遊んで、アホっぽいことをするのもいいな。

Translated by Miki Nakayama

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