現代のCBGB? NYの小さなライブハウスが約1300万円の支援金を集める

リターンはクリエイティヴなプロジェクトに限定

Saint Vitusの創造性の高さがキックスターターのディレクター、メレディス・グレイヴスの注意を引いた。グレイヴス自身もノイズパンク・バンドPerfect Pussyのフロントウーマンだ。カスティロ、共同オーナーのアーティー・シェパード、ソーシャルメディア・マネージャーのキョロリン・ハリソンと手を組んだグレイヴスは、Saint Vitusの支援金募集キャンペーンをライツ・オンの出発点とすることにした。

このライツ・オン、キックスターターの新たなイニシアチブで、COVID-19のパンデミックで苦境に立つライブ会場、アート・ギャラリー、フェスティバル、パフォーマンス・スペースなどの文化的施設を、パンデミック中だけでなくこの先も支援を続けるクラウドファンディング・サイトだ。ライツ・オンではライブ会場のオーナーが支援金を募るためにキックスターターのプロジェクト・テンプレートを利用できる。ただし、募金の結果として実現されることや寄付者へのリターンはその会場独自のクリエイティヴなプロジェクトに限られるのだ。例を挙げると、チュートリアル、ワークショップ、特別なイベントの無料入場券、ライブ配信、ポッドキャストなど。

「私たちがもう一度頑張ってほしいと思うクリエイティヴなプロジェクトとしてキックスターターにライブ会場を掲載する方法を実現することは、当社のモットーにも通じることでもあり、何よりもたくさんの会場にキックスターターを利用してほしかったからだ。幸いにも、ライツ・オンはその思いが具現化したものとして生まれた」とグレイヴスが説明した。

また、彼女はSaint Vitusチームがまだ開発途中だったキックスターターのライツ・オン・ツールを果敢に活用したことを讃える。そして、キャンペーンが進行する最中、彼らが毎週クリエイティヴなリターンを一つずつ増やし、ときには週に2つ増やしたこともあり、そういう彼らの能力が影響して、新しいポスターや商品が発表されるたびに新たな関心を集めたと言う。グレイヴスの説明では「世界に向けて週に2回告知して新たなリターンをアップしているうちに、キャンペーン期間の6週間で、スマホのアラームを火曜日の5時にセットしてSaint Vitusの新情報をチェックする人が出てきた。みんな、火曜日の5時になるとサイン入りの奇妙なアンスラックス・グッズや、驚きのベーシストのベース・レッスンなどが発表されると気づき、人々の関心が惹きつけられた」ということだ。

Translated by Miki Nakayama

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