ジェームス・ブラウンとBLMへの共感―パラディアムで演奏した1曲、「Big Enough」はジェームス・ブラウンのようなクールなグルーヴです。彼のステージをアポロやTAMIショー(訳注:ドキュメンタリーの邦題は『ビート・パレード』)などで何度も見ていますが、彼を見ながらどんなことを学びましたか?キース:ジェームスは俺たちにとって、というか特にミックにとっては魅力の塊だった。ミックも(ジェームス同様に)フロントマンだし、小さなステージに立つこともあるけど、あいつは動き回りたい方だ。ジェームス・ブラウンの歌声を聞いて、小さなステージでの彼の動きを見るのは最高だったよ。ジェームスはそれほど空間を必要としないタイプでね。彼は狭いスポットで動いていたのさ。俺はいつもミックに「お前は動き回りすぎだ、お前の場所に留まっとけよ。そこで動けるだろ」と言っていたんだ。ほんと、人によって違うものだよ。それに、ジェームス・ブラウンのバンドは最高にイカしてた。とてもタイトだった。俺たちが演奏するシカゴ・ブルースはジェームスの音楽とはちょっとグルーヴが違うけど、ほら、君も気付いたよな。ミックとジェームス・ブラウンの根っこが同じってことにさ。
―あなたは昔から黒人ミュージシャンや黒人アーティストを力強く擁護してきましたよね。キース:俺が今ここにいるのは彼らのおかげだから。
―今年世界中に広がったBlack Lives Matter運動をあなたはどう解釈していますか?キース:やるなら今だろう。つまり、この国(アメリカ)ではさまざまな問題が顕在化しつつあるんだよ。それが現実なのさ。そういう問題を解決しないといけない。俺はアメリカ人じゃないから、この件について意見を言うのが難しい。アメリカ在住だし、良くなってほしいと心の底から思うし、君たちと同じだ。しかし、俺は君たちに干渉しちゃいけないんだ。プーチンと同じで、俺も君たちの選挙プロセスへの干渉は拒ませてもらう。