オフスプリングが語る、原点回帰の理由

アルバムには正しいタイミングと正しいサウンドが必要

―オフィシャルインタビューでは、「初期につくっていたような音楽を再びつくってみたくなった」と話していましたが、その理由はなんですか? 

ヌードルス:前回アルバムをリリースしてから9年経っているから、オフスプリングらしいレコードを作りたかったんだ。(ビートルズの)『Sergent Pepper’s (Lonely Hearts Club Band)』みたいな(実験的な)レコードをつくるには最悪のタイミングだと思ったんだよ。「よう、みんな! 俺たち完全に変わったんだぜ!」みたいなレコードは作りたくなかったし、どっちにしろそれはこれからもないと思う。それは俺たちじゃないし、今回はとにかく、良質なザ・オフスプリング・レコードを作りたかったんだ。よかったのは、俺たちがスタジオに入ったとたん最高にクリエイティブになれたこと。そのおかげで、オフスプリングらしい曲がたくさん生まれたんだ。タイミング的にも、純粋なオフスプリング・ソングをつくるのに最適だったんだと思う。

―そういう音楽をつくるにあたって、何か特別な準備はしたんでしょうか? 

デクスター:今回の作品は、俺たちにとって10枚目のアルバム。その前の2作品を制作したときは新鮮な作品を目指したし、音楽の境界線を広げることを意識していた。その2枚でそれが出来たのはよかったし、当時はそれが正しかったと思う。でも今回は、よりベーシックなサウンドに戻ることがよりナチュラルに感じたんだ。俺たちは、そのとき正しいと感じたことをやる。アルバムには正しいタイミングと正しいサウンドが必要で、今回のこのタイミングでは、このサウンドが正しと感じたんだ。

ヌードルス:正直、そのサウンドを作るのは全く難しくなかった。このレコードづくりはすごくスムーズだったね。他のレコードは大変だったけど、このレコードは簡単だったんだ(笑)。

デクスター:つくっていてすごく自然だったからな。

ヌードルス:そう。ものすごくしっくりきた。違うことをやろうとするのは、まるで輪くぐりの芸をするみたいなもの。「俺たち、こんなことも出来るんだ!」と皆に披露しなければならない。今回はそれをしなくてよかったんだ。

デクスター:全く必要なかった。

ヌードルス:それをしなくてよかったのがこのレコード。自然な俺たちそのものだからな。まあ、9年もかかってるから輪くぐりの芸には慣れていても、輪の前にいって飛ぶ準備をするまでには時間がかかったけど(笑)。

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