オフスプリングが語る、原点回帰の理由

「We Never Have Sex Anymore」は20年前に書いた曲

―今作をつくるにあたって、ボブ・ロックと組んだ過去2作品は直接的、または間接的に何か影響を与えていますか?

デクスター:もちろん。俺たちはボブをよく知っているし、彼は俺たちにとって家族の一人みたいな存在だし、ボブは5人目のメンバーとさえ言える。だから一緒に作業していてすごく心地が良かった。でも時に心地がいいのが凶と出るときもある。俺たちが求めているのは自分たちにはない耳。自分たちを支持してくれるだけの耳ではなくて、自分たちの音楽を外から聴く耳が欲しいんだ。

ヌードルス:よりよい音をつくるための耳。

デクスター:そう。そのためには自分たちとは異なる視点が必要になる。俺たちがボブにオファーする理由は、彼は常にその視点を与えてくれて、更なる挑戦を実行する後押しをしてくれるから。「これは最悪だ。このヴァースは書き直せ」なんて言い方は彼はしない。それだと作業が楽しくなくなる。

ヌードルス:そうだな。

デクスター:でも彼は、楽しい環境を保ちながらよりよい方向に導いてくれるんだ。「これはよくなる可能性がある。そのために他に何が試せると思う?」とかね。

ヌードルス:そうそう。よくなる可能性があるってことは、正しいレールには乗ってるけど、まだ行くべき場所に辿り着けていないってこと。つまり、もうちょい頑張れってことで、彼の導きで最終的にそのゴールに行けるんだ。ボブってそこが素晴らしいんだよ。

―「Hassan Chop」のような初期のファンが大喜びしそうな楽曲も好きですが、個人的には「We Never Have Sex Anymore」が響きました。これは何をきっかけに書かれた曲なんですか? 年齢を重ねた今だからこそ書けた歌詞ですよね。この歌詞が響く大人のリスナーは多いと思います。

ヌードルス:実は、その曲は約20年前に書いたんだ。ずっと前の話なんだよ。

デクスター:俺たちは友達の家にいて、土曜の夜に皆でビールを飲んでギターを弾いてた。そのときに友達の一人が、「俺と彼女、1カ月くらいもうヤッてないんだ」って話し始めてさ(笑)。当時、そいつは25歳。全然年取ってないのにそれを言うのがおかしくて、それが頭から離れなかった。それで、それはおじさんだけの問題じゃなくて、もっと普遍的なんだなって思ったんだ。あくまでも俺の意見だけどね。

ヌードルス:そりゃそうさ。2週間以上付き合ったら誰でもそうなる(笑)。情熱的なのは最初の2週間(笑)。そこから冷めてまた燃えてを繰り返しながら長く付き合うか、次に移るかだな(笑)。

デクスター:かもな(笑)。

ヌードルス:でも、2週間以上誰かと付き合った人は誰でも気持ちがわかると思うぜ(笑)。

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