オフスプリングが語る、原点回帰の理由

俺たちはロックバンドなんだから、アルバムを作るべき

―今作で「Gone Away」以外に挑戦した曲はありますか?

ヌードルス:さっき話した「We Never Have Sex Anymore」もそうだな。どのアルバムでも一曲は他と違う音楽スタイルを試している。自分たちが「これはうまく出来そうだ」と思えるスタイルを見つけて、それを使って曲を作るんだ。多分このアルバムでは、「We Never Have Sex Anymore」がそれだと思う。

デクスター:これまでだと、「Why Don’t You Get a Job?」や「Hit That」なんかがそうだな。

ヌードルス:「When You’re in Prison」も。

デクスター:でも、新しい要素を試していても、それでもまだオフスプリング・ソングに聴こえることに変わりはない。音楽的には違っていても、俺たち自身が演奏しながら、「これはオフスプリングの曲だな」って感じるんだ。それは俺たちが目標としている部分なんだよ。

―SpotifyやApple Musicが台頭して、以前と比べて音楽の聴かれ方が変わっていますが、そういったリスニング環境の変化はみなさんがつくる音楽に影響を与えていますか? 

デクスター:そのことは一瞬考えた。(今作に収録されている)「Coming For You」は5年前にリリースしたけど、SpotifyやApple MusicではどんどんシングルやEPがアップされているから、皆「アルバムじゃなくてもいいんじゃないか」って言ってたしね。でも、俺たちはやっぱりシングルをリリースするだけじゃ気持ちが落ち着かなかったんだ。俺たちはロックバンドなんだから、アルバムを作るべきだって思った。

ヌードルス:あれをリリースしたときはアルバムのことは考えてなかったけど、将来アルバムの一部になるかもとは思っていたし、実際になった(笑)。思ったより時間がかかっただけさ(笑)。

デクスター:EPにしようかって話はでたよな。

ヌードルス:でたでた。

デクスター:でもレコーディングを進めていくうちに、やっぱりしっくりこなくてさ。曲が出来上がっていくとやっぱりもう少し時間をかけて、アルバムを作り上げたいと思うようになったんだ。

ヌードルス:でももしかしたら、今後はシングルだけになるかもしれないぜ(笑)。

デクスター:シングルだけ?(笑)

ヌードルス:バイオチップを俺たちのウェブサイトで売ってさ、それを耳の後ろにつけると俺たちの新曲が聴きたいときに聴けるって仕組み(笑)。

デクスター:誰かフィーチャーしないとな(笑)。

ヌードルス:今はブリトニー・スピアーズが話題になってるだろ? 彼女にしよう(笑)。

デクスター:完璧(笑)。

―オフスプリングのファン層は以前よりも広がっていると思います。今、特にどういった層を意識して曲を書いているんでしょうか? それとも、あくまでも自分たちのやりたいことを重視している?

ヌードルス:俺たちは自分たちのことを考えて曲を書いてる。最初からずっとそうしてきたからな。いいメロディを持った曲だけど、ヘビーなギタ、ベース、ドラムがフィーチャーされた音楽を愛し、そういった音楽を作り続けてきた。それが俺たちが一番意識していることだと思う。もちろん他にも好きな音楽はたくさんあるけどね。

デクスター:素晴らしい曲を書きたいとき、他の人がどう思うかを意識してしまうとそれが曲を台無しにしてしまうことがある。自分の判断が効かなくなるからな。

ヌードルス:本末転倒になるのさ。

デクスター:そうそう。順序が逆になるんだ。俺たちは、最高の音楽を書くということが一番の目的、という優先順位を守っているんだよ。

ヌードルス:自分の勘と直感を信じるんだ。

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