オフスプリングが約9年ぶりとなるアルバム『LET THE BAD TIMES ROLL』をリリースした。過去2作品は従来のバンドのイメージといくぶん異なる内容だったが、今回は久しぶりに初期の空気感をまとったパンクチューンが多く揃いつつも、今の彼らだからこそつくり得たサウンドもあり、バランスのとれた快作となっている。
今回はデクスター・ホーランド(Vo, Gt)とヌードルス(Gt, Vo)を迎え、新作についてZoom越しに語ってもらった。2人ともビールを煽っていたからか、かなりフランクなムードでのインタビューとなった。なお、筆者は彼らのオフィシャルインタビューも担当しているので、それも踏まえた上での内容となっている。
―9年ぶりという、これまでのキャリアでもっともリリース間隔が開いた作品を完成させてみての感想を聞かせてください。
ヌードルス:興奮してるし、不安でもある。その両方から少しずつを感じているよ。
デクスター:そうだな。
ヌードルス:アルバムがリリースされることでファンの皆とつながれるのは嬉しい。でも、彼らがアルバムの曲を実際に聴くのはこれから。まだ「Coming For You」と「The Opioid Diaries」しか聴けてないだろうからね。その2曲はライブで演奏してきたからさ。アルバムの残りの曲はこれから彼らに届くわけで、それまでは俺たち全員が緊張してる。でも同時に、皆が気に入ってくれるという自信も持っているけどね。
―これだけのキャリアがあってもまだ不安や緊張があるものなんですか?
ヌードルス:もちろん。その気持ちを感じないのなら、活動する意味がない(笑)。だろ?
―「この時期を早く終わらせ皆で乗り切ろう」という気持ちが込められているという『Let The Bad Times Roll』をアルバムタイトルにした理由はなんですか?
デクスター:あのタイトルが、アルバムの内容……ここ数年で俺たちが目にしてきたものをカプセルの中に詰めたようなフレーズだからだよ。不運にもそれはまだ続いてる。まだその状態から解放されてはいない。それを表現しているんだ。
ヌードルス:早く脱出したいよな。
―これはすんなり決まったんでしょうか?
ヌードルス:いや、意外と長くかかった。まあ、制作期間そのものが長かったのもあるし。タイトルは結構ギリギリに決まったんだ。パンデミックが始まる前までにレコードの曲はほとんど完成していたけど、タイトルまではまだ考えていなくて。でも、ツアーが出来なくなって時間ができたから、「よし、じゃあ自分たちが今のところ何が用意できているんだ?」って全体を見直して、レコードを完成させようという話になったんだ。タイトルが決まったのはその時だと思う。パンデミックは確実に影響したと思うね。
デクスター:普段だったら、俺はシングルのタイトルをアルバムのタイトルにすることにあまり気乗りがしないんだ。
ヌードルス:そうだな。
デクスター:『Smash』を”Keep Them Separated”にはしなかった。
ヌードルス:『Ixnay on the Hombre』と『Splinter』は曲ですらないしな。
デクスター:そう。つまり俺たちは、シングルのタイトルをアルバムのタイトルにしたことがないわけだ。『Days Go By』を除いては(笑)。
ヌードルス:ははは! だよな!(笑)
デクスター:前のレコードで既にやってんだよ(笑)
ヌードルス:俺たち、今やお見通しのバンドになっちまったな(笑)。
デクスター&ヌードルス:はっはっは!