「ゾンビランドサガ リベンジ」の曲はなぜ熱いのか? 制作者が語る

武道館ライブの「野望」が現実に変わるまで

ー歌い手としての目標みたいなところで言うと、前作の時に田野さん(田野アサミ:二階堂サキ役)が、武道館でライブやりたいってインタビューで話してくれて。当時はまだフランシュシュでライブする前だったので、いきなりすごいこと言うな、みたいに思ってましたけど、でもコツコツ積み重ねてきて、今、全然目指せるところにいるわけじゃないですか。

佐藤:普通に今やろうと思ったらできると思いますよ(笑)。

今福:なんか、部活みたいなんですよね(笑)。作品ではサキがリーダーですけど、声優陣の6人でもサキ役の田野さんがリーダー的な感じで盛り上げてくれていて、ガンガン行こうぜムードみたいなものが伝播している感じで、みんな前向きに取り組んでくださるなって思いますね。先ほどお伝えした河瀬さんのレッスンも強引に実施したわけではなく、やれますけどどうしますか?って聞いたら、あ、是非やらしてください!みたいな感じだったので、スタンスが体育会系というか。こちらもやる気にさせてくれるのは有難い限りです。なにかと武道館っていうキーワードが出てくるのですが、今となっては会場の都合さえつけばできると思います。

ーなるほど。『ゾンビランドサガぴあ』で今福さんは「地方でアニメのライブイベントをやるっていのは、『ゾンビランドサガ』じゃないとありえなかったことだな、って思います」と話してましたよね。今福さんもおっしゃってましたけど、(品川のライブの成功を受けて)東京近郊の大きい会場ではなく、最終話の舞台でもある佐賀のアルピノ(唐津市ふるさと会館アルピノ)でライブしたのも今考えるとすごいですよね。

佐藤:冒険すぎましたね。大冒険(笑)。

今福:アルピノのライブは、裏側はもうめちゃくちゃでした(笑)。品川のライブでキャパを遥かに超える申込みをいただけて、また生でライブを観たいって言ってくださる人も多かった中、ビジネス的に考えると、より大きい都内近郊の会場でやろう、というのが普通なのですが、キャパが少なくなろうとも、わざわざ佐賀のアルピノでやろうっていうのは、他と違うことをやろうとするこのゾンビランドサガならではの発想だったと思います。でも当時は色んな意見がありました。ビジネス的に考えると企画としてどうなのだろう、みたいな。でもこの作品は佐賀でライブやらないと、何か次に進めない気がしていました。

で、どうやったら企画が成り立つかっていうので、Cygamesの竹中さん(竹中信広)たちと佐賀県に協賛の営業に行ったんですね。各自レンタカーを借りて佐賀県の企業やお店などを回って、アルピノでライブをやりたいので力を貸してくれませんか、という。飛び込み営業とかもしてました。3日間、プロデューサー陣で車で走り続けて。今思うと、アニメのプロデューサーの仕事の領域からそこそこ外れてる気がします(笑)。

ーアハハ(笑)。

今福:それで、様々な方々の協力が得られて、実現の見通しが立ちました。ただ、設営など物理の方でも色々とリスクは残っていて、体育館のような場所なので、セット自体の制作や建て込みをどうするかとか、開催日が7月だったから空調どうするかとか、ヒヤヒヤでした。続篇の初発表もありましたし、そんな状況の中で江頭2:50さんをサプライズで会場に呼んだりとか、自分たちでどんどんハードルを上げていくみたいな(笑)。冒険すぎましたね。でも、やっぱりあれをやった結果、「ゾンビランドサガ、普通のアイドルアニメじゃないよね」ってイメージもより強くできたと思うので、冒険してよかったと思います。この話は中々想像がしずらいと思うので、もしかしたらあの時はお客さん以上に、業界関係者の方が驚いていたかもしれないです。

佐藤:ちょっとあのときの全体の空気感異常だったよね。側から見てるだけだったけど、え!マジでやるんだって。主要スタッフ陣の盛り上がり方が、ちょっとおかしかったですよ(笑)。

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