NFTに音楽を入れる新たな試み Doodlesから進化したSpace Doodles

Doodlesのメンバーとの出会い

―Doodlesのメンバーとはどのように知り合って、一緒に仕事をすることになったのですか?

ジョン マイアミのアート・バーゼルで、Doodlesのファウンダーの一人であるエヴァン・キーストと知り合ったんだ。フォー・テットのライブを一緒に観に行って、音楽の話をいろいろしていく中で、僕が「Doodlesの音楽ってどんな感じなの?」って聞いたら、エヴァンは「わからない」って言うんだ。それで「僕にはわかるよ。聴かせてあげようか?」って言ったら、すぐに、「いいね。Doodlesの音楽がどんなものなのか聴かせてほしい」って答えたんだ。そこから始まったんだよ(笑)。

―スゴくシンプルですね!(笑) 結果、Space Doodlesの音楽を手がけることになったわけですが、まず最初はどのようなアイデアがありました?

ジョン 僕が最初にやったことは、4チャンネルのサラウンド・サウンドのピースを作ることだった。その次にやったことは、動画アニメーションの様々な動きを見て、それぞれのキャラクターの特徴をつかむことだった。最初、宇宙船とか惑星のことは聞いていなかった。動画をもらってからは、それを一日中観て、動画に合わせて音楽をプレイするというのを、自分自身が納得するまでずっと続けていった。その結果、5秒間という時間で、Space Doodlesの音楽はこうあるべきだっていう音楽が出来たんだ。


Space DoodlesのNFT。アニメーション動画と音楽の組み合わせになっているところが画期的だ

―Space Doodlesの音楽は5/4拍子というユニークなリズムで、実際に聴くと、空に浮いている感じ、宇宙に旅している感じが出ていて、楽しい気分になるんですよね。5/4拍子にしたのには何か理由がありますか?

ジョン 理由は簡単だよ。個人的にも5/4拍子で曲を作るのが好きだし、一つひとつの動画の長さが5秒間だから完璧だと思ったんだよ。それで5秒間でループできる音楽を5/4拍子で作ってみたら、変拍子で拍子が余るから、宙に浮かんだまま前に進むような感じが出せるんだよね。しかもどこかゴキゲンな感じも出せる。それで、120 BPMというごく普通のテンポでループできるように制作したんだ。

―5/4拍子と言えば、『ミッション:インポッシブル』のテーマ曲もそうですね。

ジョン まさにそうだね。楽しい音楽にしたかったんだよ。楽しいアートだし、楽しいアニメーションだから、シリアスな音楽は合わない。軽い音楽にしたかったし、バウンスして跳ねる感じにして、楽しい時間を過ごせるようなものにしたかったんだ。

―しかも、一つひとつのNFTをどのように組み合わせても、それこそエンドレスで音楽として聴けるんですよね。

ジョン NFTで音楽をやろうと思った時に、最初に考えたことはそこのところなんだ。僕がNFTのランダムに生成されたビジュアルを見た時にまず思ったのは、「ああ、ここに音楽が入ったら楽しいだろうな」っていうことだった。それで一つひとつの短い音楽の断片を組み合わせていった時に、それがまた一つの音楽として成り立つようにしたいと思ってね。その考えをどんどん推し進めていったんだ。一つひとつの音楽をバック・トゥ・バックで聴けることはわかっていたし、つないだ時に音がかぶさるように聴こえることもわかっていた。そこで、どうやったら曲と曲がつながって、さらにそれが新しい音楽になり得るのかについて考えたんだ。Space Doodlesは1万個の音楽NFTだから、可能性は無限大にあるわけだしね。

―すべての音楽をつなげると膨大な長さになりますよね。

ジョン 14時間を超える音楽になるはずさ。一つひとつがつながっても素晴らしい音楽になったと思うよ。けっこう細かなところにもこだわったんだ。

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