LOW IQ 01の青春時代「SUPER STUPID結成、人生最大のパワーを使った1994年」

ー他に何か印象に残っていることはありますか?

ビートたけしさんのバイク事故は衝撃だったなあ。復帰したときの会見を覚えてる。あの状態でテレビに出るってやっぱりすげーな、勇気があってかっこいいなあって思った。あと覚えているのは、ヒット商品のところで、すりおろしリンゴ。CMが宮沢りえで、「すったもんだがありました」だよね。このときはつらかった。婚約破棄になってからのCMだったから明るくCMに出てたけど、きつかったイメージがあったな。

ーテレビのイメージが強いんですね。

バラエティだと、『おしゃれカンケイ』の番組枠は好きだったね。『THE夜もヒッパレ』は、ただ単に歌いたい人が他人の歌を歌う番組で、安室ちゃんとかスーパーモンキーズが出てた。あと、『チューボーですよ』はマチャアキの星3つ。1994年から始まって、結局最後の方まで巨匠マチャアキの料理が上手くならなかった。あんなにかくし芸とかで器用な人が、料理だけどうしても必ずこぼすという。意外だったな。やっぱり料理ってセンスなんだよね。ドラマで言うと『家なき子』の「同情するなら金をくれ」。今安達祐実がウーバーイーツのCMをやってるんだけど、すごくいいんだよね。小学生の黄色い帽子を被るんだけど、今でも違和感がない。「同情するなら金をくれ」は、俺ら世代は誰でも知ってる言葉だよね。

ーちょっと社会現象っぽくなってましたよね。

あと『HEY!HEY!HEY!』とか歌番組にみんな出るようになって、ダウンタウンのトークが結構おもしろくて。もちろん『うたばん』もあったのかもしれないけど。『昭和ベストテン』が終わってからは、『HEY!HEY!HEY!』と『うたばん』だよね。

ー他にテレビ番組系で印象深いことはありますか?

この頃はSMAP大活躍なんだよね。国民的になったのは1996年ぐらいに『SMAP×SMAP』が始まってからだと思うんだけど、その幕開け。バラエティとか、欽ちゃんの『よ!大将みっけ』という番組が1994年にあって、1クールちょっとしかやらなかったんだけど、そこに香取慎吾とかも出て、SMAPがバラエティに出るようになってきたから1994年は土台だったんじゃない? あとバラエティで『特報王国』って番組があった。ウッチャンナンチャンと鶴瓶で、今で言う『世界仰天ニュース』みたいな感じで、視聴者が投稿してきたものに対していろいろ実験してみんなで笑う。あと、島田紳助の『嗚呼! バラ色の珍生!!』ってやつ。これが後にモノマネをされる「探しました」「見つかりました」「素敵やーん」ってやつだよ。何年も会っていない家族とかを探して、見つかりました「素敵やーん」って。あと、1回『みなさんのおかげです』が『ラスタとんねるず’94』に変わるんだよね。本当に短い間しかやっていなくて、また戻す。とんねるず関係で言うと、『ねるとん紅鯨団』が終わった年でもあって、その後『ハンマープライス』が始まった。オークションで、「ハンマープライス!」って言って、みんなで競り合っていく。結構おもしろくて深夜に観てたな。

ー『ねるとん紅鯨団』は1994年の12月までですね。

あとは第二期の『スーパーボキャブラ天国』。第一期はもうちょっと前からやっているんだけど、その頃って再現VTRでダジャレを『タモリ倶楽部』の空耳アワーみたいな感じでやったり。まだ無名の頃の大人計画とか、宮藤官九郎が再現VTRに出てたりしてた。1994年は第二期で芸人が出るようになってきて、ボキャブラブームってイメージ的に1996年だと思う。その前はここから始まっているんだよね。若手のお笑い芸人を使ってクイズと、ダジャレが混じってた。ロンドンブーツ1号2号とか山崎邦正とか、それぐらいのときじゃないかな。あと、『オールナイトフジ・リターンズ』というのがやっているんです。その前って『殿様のフェロモン』という刷毛水車とかやってた伝説的番組がやっていて。今でも覚えているけど、神田うのが女子大生MCみたいな感じで初めてテレビに出てきた。ヒロミとかも出てたんだよね。ダウンタウンの感じが落ち着いてきて、この頃ってヒロミとか清水圭が出てる。ヒロミもピンで出始めているときで、清水圭も東京に1回出てきたときだったんだけどね。どうしてもこのイメージだと、森脇健児とかのつまらないイメージだよね(笑)。アイゴンの話に戻るけど、『ジャングルTV〜タモリの法則〜』でルーレットを回して料理を作るジャングルクッキングってコーナーがあったんだけど、最後のエンディングでハガキを読むコーナーで生バンドが出る。バナナギャングスってバンドが生演奏をするんだけど、アイゴンがギター弾いてた。そういうのもあって、「テレビ番組でギター弾くのかあ」と思って、ストリートじゃないなということで、ACROBAT BUNCHでの方向性の違いを感じた理由の1つでもある。今考えると、テレビに出てギターを弾くってすごいことなんだよね。当時はそれを理解できなかったからさ。

ーその頃ってみんなメインストリームからちょっと外したカウンターの方に行きたいって感じでしたよね。

もちろんもちろん。今となってはスタジアムクラスでライブやるのも当たり前になってるけど、その時代は誰も考えてなかったから、ライブハウスを満杯にしたら最高って時代です。ワンマンで都内のライブハウス埋めたらすげーかっこいいって思ってた時代。今でもその文化はかっこいいと思うけどね。ストリートって言葉が1996年ぐらいまで続くと思う。

ー1996~1997年だとストリートがオーバーグラウンドに乗った感じですね。

まさしく自分がそこに乗る話になるので、それは2年後の回でってことですね。

ーまとめるとイチさんにとって1994年はどんな年ですか?

すごいパワーを使った年。人生で1番能力、パワーを使ってそこに集中したというか。若さと時代とパワー。全てが合致したのが1994年かな。



<ライブ情報>



LOW IQ 01自主企画「MASTER OF MUSIC」

2022年7月18(月・祝)川崎・CLUB CITTA’
時間:START 17:45
出演:LOW IQ 01 & MASTER LOW / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS+ / TOSHI-LOW-IQ-01
料金:スタンディング 前売 5500円
チケットPG先行
6月8日(水)18:00〜6月12日(日)23:59
https://w.pia.jp/t/summer-mom/
https://eplus.jp/natsunomom/
一般発売
6月18日(土)

「LOW IQ 01 & New Acoustic Blenders[from OAU]New Acoustic Things」

2022年6月26日(日)ビルボードライブ大阪
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=13433&shop=2

2022年7月1日(金)ビルボードライブ東京
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=13434&shop=1

Rolling Stone Japan 編集部

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