BLACKPINK・LISAが語る、大いなる野望とソロ活動で経験した不安

ーーファンの多くは、あなたが「BLACKPINKのNO.1ダンサー」だと思っています。こうしたイメージを壊したいと思ったり、違うことにチャレンジしたいと思ったりすることはありますか?

私は、BLACKPINKにおけるひとりひとりの役割を尊重しています。こうしたイメージを壊したくありませんし、いまBLACKPINKでやっていることを今後も続けていきたいです。でも、個人的には、やりたいことがたくさんあります。写真も大好きですし、演技とか、いろんなことに挑戦してみたいです。

ーー音楽面で追求してみたいことは?

BLACKPINKはいろんな楽曲に挑戦していますが、まだまだ手をつけたことのないジャンルがたくさんあります。レゲエとか、以前あなたがおっしゃったように、ジャズとか。私が得意なのはヒップホップだけでしょうか? タイの伝統音楽も得意だとしたら? 私自身、どこまで自分の幅を広げることができるか知りたいです。ダンスでさえ、試したことのないジャンルがたくさんあります。コンテンポラリーダンスもそうです。音楽の面でも、ダンスの面でも、まだまだ学ぶべきことがあると思います

ーーうらやましいと思うアーティストや同世代の人はいますか?

うらやましいというわけではないのですが、ロザリアはとってもクールです。ロザリアには彼女独自のスペイン文化があって、それが彼女の音楽に影響を与えています。ロザリアを見れば、「この娘スペイン人だ」とわかります。それに、ロザリアは自分の文化をみごとに取り込んで自分のものにしています。「LALISA」(2021年リリースのソロシングル)では、タイの雰囲気を出すようにしました。

私がタイ人だということをみんなに知ってほしかったんです。「あの韓国のガールズグループの娘ね。きっと韓国人でしょ?」のように、なかには知らない人もいますから。そこで、プロデューサーのテディ(・パク)に相談しました。テディは、私の音楽にいろんなタイの音楽的要素を盛り込んでくれました。

ーーソロアーティストとして、ひとりでステージに立つのはどんな気分でしたか?

ものすごく緊張しました。いつものように4人一緒の時、たとえばチェヨン(ROSÉ)が100%の力を出し切るとしましょう。すると、私たちはステージ上でそれを感じます。そうなると、「やばい、私ももっとがんばらないと」と無意識にエネルギーが湧いてくるんです。私たちは、こうして互いを高め合っています。でも、ひとりでステージに立つとなると、それは別問題です。誰かからエネルギーをもらえるわけではありませんから。エネルギーは、私ひとりが放出しなければいけません。それに、ファンのみんなは私だけを見ています。かなりのプレッシャーでした。だからと言って、ほかに何ができると言うのでしょう? これがソロアーティストとしての私なんです。ただ練習して、自己管理を徹底しました。

ーープロデューサーのテディ・パク氏は、BLACKPINKを支える最重要人物のひとりだと思います。音楽的にどのような刺激をもらっていますか?

オッパはどういうふうに私に話したら効果的かをわかっていて、私も彼のことを理解しています。それに、テディは私をものすごく励ましてくれます。「もう1回、もう1回! もう少し声を出して! もう少しキュートに!」と言ってくれるんです。昔は、私はラップだけを担当していました。するとある日、ボーカルにも挑戦するようにとテディに言われました。私は歌が本当に苦手で。どうしようもない時期があったんです。「AS IF IT’S YOUR LAST」(2017)から「DDU-DU DDU-DU」(2018)までの1年は、本当に辛い時期でした。レコーディングのためにスタジオに入っても、何も出せませんでした。泣きました。みんなの足を引っ張っている気がして。「できない? そんなことはない。がんばるんだ。スタジオに戻りなさい」と言って、テディは一生懸命励ましてくれました。あの時期を乗り越えることができたのは、テディのおかげです。いまは、歌うことに対してもう少し自信が持てるようになりました。

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ーーNetflixで配信されたBLACKPINKのドキュメンタリー『BLACKPINK ~ライトアップ・ザ・スカイ~』(2020)では、「私はタイではロールモデルとされていますが、自分が今後どんなアーティストになるか、自分でもわかっていません」と話していました。この発言の真意は?

タイに行くと、「LISAみたいになりたい!」と私に憧れを抱く若い世代の子たちに出会います。でも、自分自身を見ると、欠けているものがたくさんあります。年齢のせいで、知らないこともたくさんあります。若い子たちはアイドルとして私に憧れていますが、私はアイドルになれるほど完璧な人間ではないと思います。私はそこにたどり着けたのか? 覚悟はできているのか? 実際、自分でも知りたいところです。あの子たちは、私のどんなところを見て憧れているのでしょうか? 私自身、そうした存在からはまだまだ遠いような気がします。

Translated by Shoko Natori

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