BLACKPINK・ROSÉが語る、傷つきやすさが持つ力とBLACKPINKが家族である理由

BLACKPINKのROSÉ(2022年4月9日、韓国・ソウルにて撮影) Photograph by Peter Ash Lee for Rolling Stone


ーー誰もいない部屋にひとりで?

そうです。母にさえ、数日間はひとりにしてほしいと言いました。母は、私の言う通りにしてくれました。ギターを引っ張りだして、好きな曲をいくつか歌いました。「あの曲を歌ったらどんな感じになるかな? あの曲はどうやって歌おう?」と考えていました。そうするうちに、のめり込んでいくのが楽しかったんです。iPadの電源を入れて、オーストラリアにいた時のように、自分の演奏を録画しました。当時はiPadが発売されたばかりで、父に買ってもらったiPadで、同じように録画していたことを思い出しました。楽しかったです。感傷的に聞こえるかもしれませんが、音楽は大好きです。

ーーあなたは自分自身に高い基準を設けていて、時折自分に対して厳しすぎることもあります。もっと上達したいという想いは、時には重荷になりませんか?

もちろんなります。時折、自信に満ちあふれている人を見てうらやましくなることがあります。あんなふうになれたらいいな、と。その点では、私はとても不安な人間なんです。でもそれは、強いこだわりがあるからです。私は自信というもの尊重しています。たしかに、時には重荷になりますが、乗り越えるために精一杯努力しています。自信は、私が毎日取り組んでいる課題なんです。

ーー不安はネガティブなものではありません。優れた芸術を生み出すもっとも強力な原動力でもありますから。音楽の面でも、あえて傷つきやすい側面をさらけ出している理由は?

それは、私がただ傷つきやすい人間だからだと思います。最近は、緊張感なしに生きることがどれだけ悲しいかということに気づきはじめました。昔は、緊張するとそれが負担になっていると感じました。だって、誰だってリラックスしたいじゃないですか? でも、何かに対して不安を抱くこと、何かにこだわることで、人生は興味深くて楽しいものになるんです。

ーーこうした考えにたどり着くまでの経緯は?

あれ? なんで泣いてるんだろう? ほんと理解できません。すみません。こんな自分が大嫌いです。ほんと、笑えますね。もう意味不明。こうした考えにたどり着くまでの経緯ですよね? BLACKPINK結成からもう何年でしたっけ? 6年? そろそろ、いくつかの場面に慣れはじめる時期です。慣れからくる心地よさも傷つきやすさも、適量であれば必要だと思います。それに加えて、脆いという感覚と何かを強く求める気持ちを楽しんでいます。こうした感情を心から味わっているんです。そんな感情を失わずに、ずっと持ちつづけたいですね。

ーー昨今のアーティストで、うらやましいと思う人はいますか?

先日、デュア・リパのコンサートに行って、生歌を聴くことができました。彼女の声は、ただただ最高でした。本当に上手で、圧倒されました。いろんなことをメモしました。ひとりのファンとして大興奮しました。

ーー2021年にソロシングル「On The Ground」と「Gone」をリリースし、大成功を収めました。グループではなく、ひとりでステージに立った時の印象は?

大きなチャレンジでした——それによって、より脆弱な状況に立たされました。私たちは、4人でひとつなんです。私たちは互いを支え合っていて、その日、誰かが最高のコンディションでパフォーマンスができないとなると、私たち全員でカバーするんです。ひとりでステージに立つのは怖かったですね。いままでBLACKPINKがどれだけ大きな支えになってきたかを実感しました。どうしていいかわからなくなると、メンバーに連絡して感想や意見を求めました。ですから、ソロ活動中もメンバーはいつも私のそばにいてくれました。

ーー“私に必要なものは全部地上にある”という歌詞について教えてください。

この歌詞は、もともとはこの曲のプロデューサーたちが書いたものです。プロデューサー(BLACKPINKのプロデューサーのテディ・パク氏)と私は、この歌詞に一番惹かれました。この歌詞があったから、私たちはこの曲に引き寄せられたんです。


BLACKPINKのROSÉ(2022年4月9日、韓国・ソウルにて撮影)
Peter Ash Lee for Rolling Stone. Top: Saint Laurent by Anthony Vaccarello


ーーあなたにとって“地上”とは?

普通の人として、ということです。1年半、あるいは2年前のことですが、私たち4人とテディ(・パク)で食事に行った時のことを覚えています。私たちは、ただお腹を空かせた普通の人でした。レストランに入って、お腹もペコペコで、料理もすごくおいしかった。大好きな人たちと食卓を囲む——こうしたことのおかげで、自分は普通の人間だと実感できるんです。自分たちは家族だと思えることで幸せな気分になれます。誰だって最後は、腰を下ろして大切なもの——ごく普通のことや大切な人と一緒に過ごし、大好きなことをすること——が何かを思い出さなければいけません。

音楽は大きな存在です。それが音楽のワクワクするところでもあります。私たちが音楽を愛しているのは、ムーブメントを生み出したり、人々を結びつけたりする力があるからです。音楽があるから、私たちは一緒に人生を称えることができます。でも「どうやってここまでたどり着いたの? ROSÉ、あなたにとって音楽って何?」と考えると、必要なものは全部地上にあるんです。そこが私のスタート地点ですから。

ーーBLACKPINK解散後の人生について考えますか?

考えます。でも、すべてが終わることはないと思います。BLACKPINKは永遠に家族です。私は、彼女たちと一緒に成長しました。彼女たちは、私の一部です。終わることなんてないと思います。そんなことで不安になるのは、馬鹿げていると思います。でも、すべてが最高で、それを心から愛している時は、そういった側面も常に考えています。だって、失いたくないですから。

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Translated by Shoko Natori

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