「諦めたちょっと先にデビューが待っているかもしれない」
―敬語と言えば、今年2月に「ハロドリ」で放送されたグループミーティングで、メンバー間で敬語を使わないことが決定しましたけど、その後どうなりましたか?
筒井 あの放送があったあと、自分としても「なくさないとな……」と思ってたんですけど、あまり深く考えなくてもいつの間にか敬語はなくなっていきました。
―そうなんですね……って、石栗さん、どうしたんですか? さっきから筒井さんのことをじっと見つめていますけど。
石栗 「今日もかわいいなあ……」と思って(笑)。
―インタビューに集中してください(笑)。
石栗 ああ、すみません(笑)。
―それじゃあ、今はみんな対等なんですね。
石栗 そうですね、10人が同期って感じです。
―今回、めでたくデビューが決まりましたけど、ハロー!プロジェクトに限らず、デビューって諦めたら絶対に叶わないものじゃないですか。もしかしたら、ちょっと先にデビューが待っていたかもしれないのに諦めてしまった、というケースもあったと思うんです。抽象的な質問になってしまいますけど、その違いってどこにあると思いますか?
石栗 私は辞めようと思ったけど、辞めることを止めたきっかけがあって。ステージに立ってファンの皆さんの前で歌って踊るということを経験したときに「辞めたくない!」と思ったんです。それに、小さい頃からアイドルになることを目標にして頑張ってきた自分のことを裏切りたくなくて。今おっしゃっていたように、自分が諦めたちょっと先にデビューが待っているかもしれないし、諦めたら終わりだと思っていたので、必要とされている以上は続けたいなと思ってました。
米村 めっちゃ正直に言うと、私は頑張って続けたというよりも「ただ辞めなかっただけ」に近いかもしれないです。でも、すごく大変なこともありましたけど、ステージに立ったらやっぱり楽しいし、ファンの方がいてくださったからデビューに向けて頑張ろうという気持ちになりました。
―そうだったんですね。
米村 でも、めちゃくちゃ辛かったときは電話一本で辞めるところまでいってました。なので、「ただそれをしなかっただけ」という感覚に近いかもしれない。そういう究極の選択までいったこともありました。
―じゃあ、メンタルがめちゃめちゃ落ちているときだったら「辞めます」と言えちゃうぐらいの感じだった。
米村 実際、研修生ユニットになるちょっと前に「研修生を辞めよう」と思って電話したことがありました。それも学校から帰ってきて10分ぐらいして「あ、辞めよう」って。だから、今こうやって活動できているのはすごいことなのかなって思います。
―結局、電話したときはどうやって思い留まったんですか?
米村 その2日後ぐらいにライブがあって、そのときにも「辞めます」って言ったんですけど、マネージャーさんから「考える時間が短すぎるからちゃんと考え直しなさい」って言われて、そのあとに研修生ユニットに選抜されたので辞めませんでした。
―ギリギリだったんですね。北原さんも高校に上がるタイミングで辞めることを考えていたそうで。
北原 はい、中学3年生のときに「高校では高校生らしい生活をしたいな」と思っていて、ちょうどその頃にハロプロ研修生の実力診断テストがあったので、自分の中ではそれを最後のテストだと決めて臨んだら、ありがたいことに賞を頂けて、そのあとに研修生ユニットの加入を発表していただいたので頑張ろうと決めました。
―ちょっと話は逸れますけど、北原さんって以前は自信のなさそうな表情が目立っていたのに、いつの頃からかどんどん明るい顔を見せるようになりましたよね。何かきっかけがあったんですか?
北原 一番大きかったのは歌に苦手意識があったことで。私は歌のメンバーじゃないというか、ダンスだけでいくしかないメンバーだと思っていて……。
米村 そんなことないよ!
石栗 そんなメンバーはいないよ!
北原 (笑)。でも、歌唱オーディションがあったときに私が受かって、自分が選ばれるとは全く思ってなかったのでそこから急に自信が湧いてきて、自分でもわかるぐらい歌い方が変わったんです。それまでは「腹筋すごいね」って褒められることがよくあったのでダンスとか自分のよさだけを磨いていたんですけど、そのオーディションをきっかけに、それまで自分が持っていなかったアイドルらしいかわいさを磨くようにしようと決めて、笑顔とかを大事にするようになりました。
―他のメンバーは北原さんのそういう変化に気づいていましたか?
石栗 はい、とっても。私は研修生として(北原)ももが入ってきたばかりの頃、先生に言われたことを気にしすぎちゃう子だと思ってて、このままだとももがもともと持ってるいい部分までなくなってしまうんじゃないかって不安になっていたんですけど、もものなかでそういうきっかけがあったことで、表情とか声色とか態度とか全部が明るくなっていったのは感じていました。
―筒井さんはグループ最年少な上に、一番最後に加入したメンバーということで、最初は心細さがありませんでしたか?
筒井 オーディションからの同期に田代すみれちゃんがいたんですけど、田代すみれちゃんは中山夏月姫ちゃんと同い年だし、私はグループ唯一の中学生ということもあって「大丈夫かな?」って思ってました。でも、リーダーの斉藤円香ちゃんと話がけっこう合ったりしたおかげでそこまで堅くなることもなく、今は前よりもメンバーと打ち解けられてると思います。
―中学生だと1コ上でも感覚としてはものすごく先輩ですもんね。
筒井 それに、最初は研修生とオーディション組の違いみたいなことを考えてしまっていたんですけど、斉藤円香ちゃんにそのことを話したら「オーディションで選ばれたっていうのは本当にすごいことだし、一緒にデビューするんだからそんなこと深く考えなくていいよ!」って言われてから考えなくなりました。