DJ FUMIYA×熊木幸丸「リズムの探求者たち」

RIP SLYMEとLucky Kilimanjaroのこれから

RSJ FUMIYAさんはリップも再始動して、アーティストとしては今どういうモードですか?

FUMIYA リップ以外でも少しずつ作らせてもらったりしてますし、今はどんどん作りたいですね。ちょっと前まではほんと何を作っていいか分からなかったんですけど、今はもう吹っ切れたので。いい感じに年相応に作っていきたいです。

熊木 リップで最近リリースした「Human Nature」もめちゃくちゃ面白いと思いました。やっぱブレイクビーツの使い方が超カッコいい。僕もブレイクビーツ好きで。



FUMIYA カッコいいブレイクビーツの使い方とかフィルの入れ方とか、熊木くんもこういう音楽好きなんだってちゃんと伝わってきましたよ。

熊木 ありがとうございます。それこそリップの『グッジョブ!』(2005年)とか改めて聴き直すと、ただ単にブレイクビーツをやってるんじゃなくて、切り方が今でも最先端に感じられるし、すごくカッコいい。



FUMIYA やっぱビートがよくないと、僕が好きな音楽はいくら頑張ってもカッコよくならないんです。逆に言うとリズムができれば、曲全体の7割ぐらいはカッコよくなるっていうぐらいリズムを作るのが好きだし、ブレイクビーツにしても四つ打ちにしても、何にしてもカッコいいリズムを組みたいなっていうのは、まずありますね。

熊木 僕も自分のバンド活動をやるにつれて、ドラムとかベースだけじゃなくて、声も含めたリズム、グルーヴをどう表現するかが面白いなと思っていて、それをもう10何年も前に、凄い完成度でやってる人がいるって思うと、ちょっと、いい意味で嫌だなと思います(笑)。

RSJ 自分は40代なんですけど、例えばドラムンベースが出てきた時に「なんだこれは!」って面白がってた刺激みたいなものを、Lucky Kilimanjaroの音楽から感じて。ダンスミュージックってまだいろんなやり方があるんだなと思ったんですよね。

FUMIYA そうですね。熊木くんの曲、アレンジもいわゆるちゃんとしたハウスで、すごい聴いてるんだなって、そこがまた自分も新鮮にも感じましたね。

熊木 僕は90年生まれなので、僕が好きな90年代のハウスとかは、リアルタイムで体感していない部分があるんです。当時のピアノハウスは肌感として知らないけど、アツさは感じる。それを、自分のこれまで培ってきた文脈の中でどう出すかということを必死にやっていて。それが上の人に面白いって思われたり、繋がれたり、下の人にも新しい視点で伝えられることは、すごく楽しいなと思います。でもやっぱリアルタイムで経験してきた世代はうらやましいなとも感じていて。当時の熱狂だったり、それこそプリンスのライブ、生で観たことあるよとか、そういうのはうらやましいなってすごく思います。だけど自分の文脈で、自分の体験してないダンスミュージックを自分なりに解釈して楽しくやろうと思っています。

RSJ そう考えるとダンスミュージックはコミュニケーションのツールだなって、あらためて思います。

FUMIYA そうですね。切ないってことはあるんですけど、基本的に悲しいってことはないですからね。ダンスミュージックには。

RSJ 熊木さんは、今後はどういう活動をしていきたいですか?

熊木 『TOUGH PLAY』ってアルバムをリリースして、自分の中でリズムってこういうことなのかなみたいな、やっとスタート地点に立てた感覚があって。リズムってもっといろいろな角度からいろいろな面白さで攻められるなとか。もっと遊べるしもっとみんなの心に入っていけるなって、そこをどんどん自分の作曲で届けたいし、やっぱりポップミュージックっていうフォーマットで僕はやってると思っているので、ポップミュージックとして今音楽を聴いている人たちに伝えて、あわよくばちゃんと踊ってもらう。それこそライブでもそうですけど、毎日楽しく踊ってるという状態を作ろうと、今気合が入ってる最中ですね。

FUMIYA あと言いたかったことがあって。(Lucky Kilimanjaroの)「ペペロンチーノ」。



熊木 あ! ありがとうございます。聴いていただいたんですね、「ペペロンチーノ」。「ペペロンチーノ」に、実は(RIP SLYMEの)「Dandelion」(2004年)を引用させていただいたんです。



FUMIYA あ、やっぱそうなんだ。

熊木 そうです。あれはもう僕の中で、RIP SLYMEの「ミニッツ・メイド」(2003年)とかのポップな感じと、RHファクターとかのジャズの感覚を融合したくて作った曲です。届いたのがめちゃくちゃうれしいです。

FUMIYA よかったです。俺もよく(ペペロンチーノ)作るから、今度あれをかけながらペペロンチーノを作ります!

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FUMIYA:シャツ ¥35,200(meagratia/Sian PR TEL: 03-6662-5525) 

その他すべてスタイリスト私物


Photo by Yuuki Ohashi

DJ FUMIYA
RIP SLYMEのDJ。14歳でDJを始め、クラブで開催されたDJバトル優勝を機に、数々のアーティストのツアーやレコーディングに参加。18歳でRIP SLYMEに加入し、2001年にメジャーデビュー。これまでに「One」「楽園ベイベー」「熱帯夜」など多くのヒット曲を生み出す。また、その他のアーティストへの楽曲提供、プロデュース、リミックス制作も多数手掛け、HALCALI、テイ・トウワ、真心ブラザーズ、FPM、Mr.Children、布袋寅泰などの作品に参加。CM楽曲制作も多数行う。さらにクラブイベントやフェス、パーティでのDJ出演も。
https://instagram.com/djfumiya_238


Photo by Yuuki Ohashi

熊木幸丸
Lucky Kilimanjaroのボーカル。2018年にEP『HUG』でメジャーデビュー。2020年にはメジャー初のフルアルバム『!magination』、2021年にはメジャー2ndフルアルバム『DAILY BOP』をリリース。同年4月には日比谷野外大音楽堂で初のワンマンライブを開催。その後、Zepp Hanedaをファイナルとした7都市を回る初の全国ツアーを敢行し、さらに10月からは新たな全国ツアーを開催。新木場STUDIO COASTでの追加公演も開催された。2022年3月、3rdフルアルバム『TOUGH PLAY』を発表。アルバムを引っ提げたバンド史上最大動員の全国ツアー『Lucky Kilimanjaro presents. TOUR “TOUGH PLAY”』を完遂した。バンド活動以外では他アーティストへの楽曲提供、CM楽曲制作も行う。
https://twitter.com/yukimaru_lk

<INFORMATION>


「サヨナラSunset feat. おかもとえみ」
RIP SLYME
Slmones
配信中
https://linkco.re/vhder72U



デジタルシングル
「一筋差す」

Lucky Kilimanjaro
Dreamusic
※各音楽配信サイトにて11/30より配信開始
=収録曲=
01. 一筋差す
02. 越冬

<ツアー情報>
Lucky Kilimanjaro presents.TOUR“YAMAODORI 2022”
11/3(木・祝)札幌:PENNY LANE24
11/6(日)仙台:Rensa
11/12(土)福岡:DRUM LOGOS
11/13(日)広島:CLUB QUATTRO
11/18(金)名古屋:Zepp Nagoya
11/25(金)東京:LINE CUBE SHIBUYA
http://luckykilimanjaro.net/



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