米女子バレーボールチームの「不適切写真」流出、試合中にヤジ飛ぶ「ナイス乳首」

チームのパフォーマンスには影響無し

一連の騒動はチームのパフォーマンスには一切影響しなかった。10月21日、写真の流出が確認されてから最初の試合ではミシガン州立大学スパルタンズを破り、早くも今年のビッグ・テン・カンファレンスの優勝候補に挙げられた。また全米中継された10月23日の試合では、ミシガン大学ウルヴァリンズに勝利して見事雪辱を果たした。だが後者の試合中継に関しては、「今この瞬間コートにいる人は、誰一人試合のことを考えていないと思う」というTikTok動画が注目を集めていた。コーチに扮して「ナイス乳首」と選手を励ます動画などを投稿して、たびたびチームをけなした男性ユーザーのTikTokには、対戦相手の応援席からは写真流出に関する野次が出てくるだろうと予想するコメントも見られた。「アウェーの試合では、きっと学生たちが面白い応援歌や横断幕を考えてくるだろう」というコメントもあった。

結局のところ、今回の件ではあらためて残念な事実を思い知らされた。セレブのヌード写真が大量に流出し、全米でリベンジポルノに関する議論が行われ、新しい法律やアプリのコミュニティ・ガイドラインが作られてから10年近くも経っているのに、事件に対する世間の反応はなんとも子供じみていて、搾取的で、無慈悲だ。まだ写真を見たことがないその他大勢も、写真に関する騒々しいコメントに加わって好奇心丸出しだ。UWマディソン校はチームに責任はないと断言したものの、被害者いびりの波を未然に防ぐことはできなかった。仮に流出した犯人が逮捕・起訴されたとしても、画像をすべて回収することはできない。女子生徒たちは事件を引きずったまま生きていかなくてはならないだろう。せめても、この件に関して大騒ぎせず、そっとしておいてやろうではないか。

Translated by Akiko Kato

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