青山テルマ、デビュー15周年で実現した初の日本武道館公演


フワちゃんとkemio

鳴り止まないアンコールの拍手に応え会場が明るくなると、フワちゃん、この日のためだけに来日したkemio、40人の学生ダンサーたちとテルマが登場し、「世界の中心」をパリピ的な踊りとともに披露。フワちゃんとkemioとともにポジティブなバイブスの掛け合いで盛り上がった。「15年やっていると新しい才能や頑張っている若い子たちにどんどん光を当てたいと思うし、今日はいろんな人の力を借りて武道館ができています。みんなに大っきい大っきい拍手」と、出演者への拍手をテルマが先導し、大きな拍手が会場を包んだ。

「この15年間、友達がどんどん売れて武道館をやっているなか、私はもう立てへんやろうなと思っていたんだけど、ようやく立てました。ありがとうございます。15歳で事務所に入って、19歳でデビューができて、20歳で「そばにいるね」って曲と出会えてバッと売れて、ここから人生楽勝やって思っていたら、山が高すぎて転がり落ちて。そこからめちゃくちゃしんどくて。このまま音楽やり続けていいんかなって何度も思ったりしたし、なんでうまくいなかいんだろうって、気づいたら人のせいにばっかりする自分がいて。それって自分がバリダサいなと思って。もしまたみんなが私のことを必要としてくれるんだったら、自分が持っている力をみんなに分けっこできるアーティストになりたいと思ってがむしゃらに頑張ってきました」と語り、観客たちは静かに言葉に耳を傾けた。

「この数年しんどかったし、自由もなくて、若い子たちの青春も奪われてしまったけど、きっとこれからめっちゃ楽しくなるはずと私は思っている。生きていればきっと必ずいいことがあります。自分のこと嫌いやって思っていたり、自分なんて……と思っている人がいれば、この曲の3分だけ自分でよかったなって嘘でもいいから思ってください。そう思わないとあかんで。自分として生まれてきたんだから、自分として生きるしかない。それやったら最高の人生を生きてほしいって思っている。私もがんばる。この曲を聴きながら、自分がんばれとか自分でよかったって思ってください」と「なんだかんだ」を歌い上げた。



同曲を歌い終えると、ハッピバースデーのサウンドとともに、この日の出演者たちがケーキを持って全員登場、サプライズでデビュー15周年を祝った。「今日は武道館という場所にたくさんの友達がきてくれたり、たくさんのみなさん、スタッフ、仲間に支えられていて、胸を張って仲間が一番の財産だなって言えます。だからみんなも大事な人がおったり、大切な人がおったら絶対死ぬ気で守ってあげてください。きっと人生の幸せってそこにあるんじゃないかな」と最後の曲「SMILE AGAIN」へ。スクリーンには、この日に撮影されたライブ会場と観客たちの写真が流れ、一緒に振り付けをして盛り上がった。

「みんなのこと知らんし、番号も知らんし、名前も知らんけど、うちはいつだってみんなのことを期待しているし、いつだってみんなのことを必要としています。だから自分のことをちゃんと必要としてあげてください。笑顔な日でも、泣いている日でも、いつでも会いに来てください。絶対笑顔にします。生きていれば必ずいいことがあります! 今日は本当に本当にありがとうございました!青山テルマでした。またね!」と笑顔でメッセージを伝え、テルマはステージを後にした。

最初から最後まで、裏表なく自分の気持ちや感情を言葉にし、演者たちやバンドといった大切な仲間たち、スタッフ、観客たちとともに自らの15周年を盛大にお祝いした、青山テルマにしか作り上げることのできない。1人1人に強い想いが届いた武道館公演だった。

青山テルマオフィシャルサイト

Rolling Stone Japan 編集部

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